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〜怪盗ルパンを愛した日本人〜
-アルセーヌ・ルパンシリーズ翻訳の歴史-
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☆読む上での注意☆

●基本的に年代順に並べています。しかしシリーズや全集が出た場合、読みやすさを優先して発行年代順にこだわらずシリーズ番号順に並べ替えたり、やや後の年に刊行されたものもまとめて掲載している場合があります。
●ルパンシリーズ以外のルブラン作品がシリーズに組み込まれていることがしばしばなので、いちいち分けずにルブラン作品もそのまま加えています。
●ルブラン原作と称して実は翻訳者の創作物であったというケースもままあり、それも資料と考えてそのまま加えています。これにともないルブラン以外の作家によるパスティーシュ類も可能な限り加えることにしました。
●邦題の異同については偕成社版全集を基準に説明しています。



●そして21世紀へ<平成時代〜>

平成に入ると新たな「ルパン全集」は出現せず、単発刊行や名作選、既刊の全集の再編集・文庫化などでそのバリエーションを広げていく。そしてルパンシリーズ誕生から100年目の2005年には映画「ルパン」公開を機に新版や新訳が相次いだ。
邦題(書籍名)
訳者/執筆者
発行年
出版社
頁数
補足情報
怪盗ルパン 怪盗紳士
榊原晃三
1989(平成1)
春陽堂くれよん文庫
210p
この「くれよん文庫」のシリーズは表紙イラストを漫画家のJETが担当。収録作品はルパンつかまる!」 「獄中のアルセーヌ・ルパン」「アルセーヌ・ルパンの脱獄 」「なぞの旅行者」の4編。
怪盗ルパン 女王の首かざり榊原晃三1989(平成1)春陽堂くれよん文庫241p「女王の首かざり」「ハートの7」「うろつく死に神」「おそすぎたシャーロック・ホームズ」を収録。
怪盗ルパン ルパン対ホームズ榊原晃三1989(平成1)春陽堂くれよん文庫292p「金髪の美女」のみを収録。
怪盗ルパン 地獄のわな榊原晃三1989(平成1)春陽堂くれよん文庫211p「告白」から「光の信号」(太陽のたわむれ)「結婚の指輪」「かげの合図」「地獄のわな」を収録。
怪盗ルパン 白鳥の首のエディス
榊原晃三
1989(平成1)
春陽堂くれよん文庫
204p
「告白」から「赤いスカーフのなぞ」「白鳥の首のエディス」「麦わらのじく」「アルセーヌ・ルパンの結婚」を収録。
ルパンの冒険
野内良三
1989(平成1)
旺文社文庫「名作必読シリーズ」
262p
内容は「ルパンの告白」から「地獄の罠」「うろつく死神」「白鳥の首のエディス」、そして「ルパン対ホームズ」から「ユダヤのランプ」を納めた変則的な構成。
アルセーヌ・ルパンの帰還
長島良三・岡田好恵1989(平成1)
光文社「EQ」1989年9月号掲載

戯曲「アルセーヌ・ルパンの帰還」の本邦初訳。このあと岩崎書店「ルパン名作集」にも収録。ただ一部誤訳等があるとの指摘あり。
ルパンの挑戦
野内良三
1990(平成2)
旺文社文庫「名作必読シリーズ」
264p
「ルパンの告白」をベースに、「太陽のたわむれ」「結婚指輪」「影の合図」「赤い絹のスカーフ」「麦わらのストロー」「アルセーヌ・ルパンの結婚」を収録。
怪盗ルパン
榊原晃三訳
依光隆絵
1990(平成2)
集英社「少年少女世界名作の森」13
222p
1982年に出たものの焼き直しではないか?と思えるのだが未確認。
ルパン対ホームズ
小泉夏樹訳
中沢潮絵
1991(平成3)
講談社KK文庫「怪盗ルパン」1
207p

奇岩城ルパン対天才少年探偵
小泉夏樹訳
中沢潮絵
1991(平成3)
講談社KK文庫「怪盗ルパン」2
207p

怪盗ルパン:奇巌城
江口清
1992(平成4)
集英社文庫
330p
訳者には失礼ながら、この本の最大の価値は本文ではなく巻末解説。ルパン研究家の浜田知明氏による熱のこもったルパン解説(とくに一般に流布するイメージ打破に力が入る)、およびルパンシリーズ年譜はファン必読。口絵の原書挿絵や現地の写真なども貴重。
水晶の栓長島良三:訳
ジャック・ジュロン:イラスト
アンドレ・ポール・ドュシャトー:文
1994(平成6)
偕成社コミックス名探偵コレクション2
48p
最近になってようやく現物を拝んだ。フランスで出版されたミステリコミックのシリーズで、ホームズものも含まれている。ルパンシリーズでは5冊が出ており、原作にかなり忠実なコミック化。ただしオールカラーの48頁という絵本スタイルの構成なので、日本の漫画に比べるとかなりの詰め込み状態。
813・ルパンの二重生活
長島良三:訳
ジャック・ジュロン:イラスト
アンドレ・ポール・ドュシャトー:文
1994(平成6)
偕成社コミックス名探偵コレクション4
48p
ほぼ原作に忠実だが、一部トリック部分で改変がある。
続813・ルパンの三つの犯罪
長島良三:訳
ジャック・ジュロン:イラスト
アンドレ・ポール・ドュシャトー:文
1994(平成6)
偕成社コミックス名探偵コレクション5
48p
この内容を48頁にまとめちゃったんだから、アワタダシイことこの上ない(笑)。
緑の眼の令嬢
長島良三:訳
ジャック・ジュロン:イラスト
アンドレ・ポール・ドュシャトー:文
1994(平成6)
偕成社コミックス名探偵コレクション6
48p
意外なチョイス。原作がそれほど長くないため、かなり余裕のある展開になっていて読みやすい。
奇岩城
長島良三:訳
ジャック・ジュロン:イラスト
アンドレ・ポール・ドュシャトー:文
1994(平成6)
偕成社コミックス名探偵コレクション8
48p
ジャック・ジュロンは本作の上梓後に不慮の死を遂げ、これが遺作となった。日本語版にも冒頭に追悼の言葉がある。
怪盗ルパン怪紳士
久米みのる訳
阪上青絵
1994(平成6)
講談社青い鳥文庫
216p
以前にも刊行された児童向けにリライトされたものの文庫化。「アルセーヌ=ルパンの逮捕」「古城の怪事件」(獄中のルパン)「予告脱走」(ルパンの脱獄)「奇怪な旅行者」を収録。
怪盗ルパン真犯人を追え!
久米みのる訳
阪上青絵
1995(平成7)
講談社青い鳥文庫
221p
表題作は「黒真珠」。ほかに「ユダヤのランプ」を収録。
少年小説大系26少年翻訳小説集
監修:尾崎秀樹ほか、佐藤宗子編
1995(平成7)
三一書房
527p
南洋一郎文「大ニュース・ルパンとらわる」(ルパン逮捕される)を収録。
怪盗ルパン
榊原晃三文
1995(平成7)
ぎょうせい「新装少年少女世界名作全集」31
185p

怪盗ルパン二十一の宝石
久米みのる訳
阪上青絵
1996(平成8)
講談社青い鳥文庫
221p
表題作は「女王の首飾り」。ほかに「ハートの7」「マダム=アンベールの金庫」を収録。
王妃の首かざり
岡田好恵訳
うちべけい絵
1996(平成8)
フレーベル館「ミステリー劇場」3巻・「ルパンの部屋」
123p
絵本に近い児童向け訳本。「王妃の首かざり」「アンベール夫人の金庫」を収録。
ハートの7事件
岡田好恵訳
うちべけい絵
1997(平成9)
フレーベル館「ミステリー劇場」6巻・「ルパンの部屋」
135p
もう一本収録作があると思われるが未確認。
赤い絹の肩かけ
岡田好恵訳
うちべけい絵
1997(平成9)
フレーベル館「ミステリー劇場」10巻・「ルパンの部屋」
237p
収録作品は未確認。
怪盗ルパン奇岩城
久米みのる訳
阪上青絵
1997(平成9)
講談社青い鳥文庫
389p

怪盗ルパン地底の皇帝
久米みのる訳
阪上青絵
1997(平成9)
講談社青い鳥文庫
221p
「オルヌカン城の謎」の改作。
ルパン城
瑞島永添訳
篠崎三朗絵
1997(平成9)
集英社「子どものための世界文学の森」40
242p
「奇岩城」の児童向け訳本。「ルパン城」という命名は大胆不敵(笑)。
アルセーヌ・ルパン
長島良三・堀内一郎
1997(平成9)
集英社文庫「世界の名探偵コレクション10」第2巻
284p
「ルパンの告白」から「太陽の戯れ」「結婚指輪」「地獄の罠」「赤い絹のショール」「さまよう死神」「白鳥の首のエディス」「わら屑」を収録。このシリーズでは第1巻のホームズに続き2巻目に収録の栄誉に輝いた。ルパン研究家・浜田知明氏の詳細な解説も必読。
アルセーヌ・ルパンの逮捕
長島良三訳
大久保浩絵
1997(平成9)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」1
158p
見るからに児童向け絵本の装丁・挿絵・大きい文字の体裁なのだが、しっかり「全訳」なので油断ができないシリーズ。各巻の長島良三氏の解説も児童向けにはもったいないほどマニアック?この第1巻では「アルセーヌ・ルパンの逮捕」「女王の首飾り」「黒真珠」を収録。
獄中のアルセーヌ・ルパン
長島良三訳
大久保浩絵
1997(平成9)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」2
150p
「獄中のアルセーヌ・ルパン」「影の合図」を収録。
アルセーヌ・ルパンの脱走
長島良三訳
大久保浩絵
1997(平成9)岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」3
150p
「アルセーヌ・ルパンの脱走」「赤い絹のショール」を収録。
アルセーヌ・ルパンの結婚
長島良三訳
大久保浩絵
1997(平成9)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」4
150p
「アルセーヌ・ルパンの結婚」「なぞの旅行者」を収録。
おそかりしシャーロック・ホームズ
長島良三訳
大久保浩絵
1998(平成10)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」5
158p
「おそかりしシャーロック・ホームズ」「太陽のたわむれ」を収録。
地獄のわな
坂口尚子/森永公子訳
大久保浩絵
1998(平成10)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」6
150p
「地獄のわな」「麦わらのストロー」を収録。
ハートの7
長島良三訳
大久保浩絵
1998(平成10)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」7
158p
「ハートの7」「アンベール夫人の金庫」を収録。
うろつく死神
長島良三/坂口尚子訳
大久保浩絵
1998(平成10)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」8
150p
「うろつく死神」「結婚指輪」を収録。
白鳥の首のエディス
長島良三/小高美保訳
大久保浩絵
1998(平成10)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」9
158p
「白鳥の首のエディス」「エメラルドの指輪」「やぎ皮服を着た男」を収録。
アルセーヌ・ルパンの帰還
長島良三訳
大久保浩絵
1998(平成10)
岩崎書店「アルセーヌ・ルパン名作集」10
158p
ルブランとクロワッセが最初に戯曲を作ろうとした際、試作として書かれボツになった一幕のみの戯曲で、なんとこれが本邦初訳。数ある「ルパン全集」を尻目にこのシリーズが初の全訳を収録してしまったんだから驚く。中途半端な内容なので児童向けにはどうかと思うが…とにかく濃いルパンファンにとってはここでしか読めない貴重な訳本だった。2006年刊行の「戯曲アルセーヌ・ルパン」で新訳が読める。
ルパンの逮捕
一峰大二画
1997(平成9)
くもんマンガライブラリー「怪盗ルパン」1
205p
一峰大二氏による漫画版ルパンシリーズ。解説・考証にはルパン同好会の研究家の方々も参加しており、原典・時代にかなり忠実な漫画となっている。この間では「逮捕」「獄中」「脱獄」を収録。なお、このシリーズは現在電子書籍としても販売されており、入手は容易となった。アジア・欧米でも販売されている。
不思議な旅行者
一峰大二画
1998(平成10)
くもんマンガライブラリー「怪盗ルパン」2255p
「不思議な旅行者」「遅かったシャーロック・ホームズ」を収録。
女王の首飾り
一峰大二画
1998(平成10)
くもんマンガライブラリー「怪盗ルパン」3
205p
「女王の首飾り」「アンベール夫人の金庫」を収録。
ハートの7
一峰大二画
1998(平成10)
くもんマンガライブラリー「怪盗ルパン」4
205p
「ハートの7」「黒真珠」を収録。
ブロンドの貴婦人
一峰大二画
1998(平成10)
くもんマンガライブラリー「怪盗ルパン」5
205p
「ルパン対ホームズ」より「金髪の美女」
怪盗ルパン踊る光文字
久米みのる訳
阪上青絵
1998(平成10)
講談社青い鳥文庫
213p

表題作「踊る光文字」は「太陽の戯れ」。ほかに「結婚指輪」「わら男」「ルパンの花嫁」を収録。
怪盗ルパン赤い絹のスカーフ
久米みのる訳
阪上青絵
1999(平成11)
講談社青い鳥文庫
203p
「赤い絹のスカーフ」「白鳥の首をしたエディス」「影の暗号」を収録。
ルパンの慈善
二階堂黎人
1999(平成11)
小説現代増刊号メフィスト五月号

二階堂黎人氏によるルパン贋作短編。短編集「名探偵の肖像」および芦辺拓編「贋作館事件」に収録。
奇巌城
逢坂剛:文
1999(平成12)
講談社「痛快・世界の冒険文学」23
393p
世界の有名冒険小説を有名作家達がリライトするシリーズで、ルパンシリーズ代表ではやはり「奇巌城」が選ばれ、逢坂剛氏が担当した。ボートルレの一人称で語られる形式に変更されている。
怪盗紳士
南洋一郎文
1999(平成11)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」1
217p
装いも新たに刊行された南洋一郎版「ルパン」。ただしボアロ=ナルスジャックや南洋一郎自身による模作類、非ルパンものは排除され、ほぼ原作の発表順に巻を並べ替えたうえ原題を付し、作家たちによる解説も加えている。一部現代風に書き改めた箇所もあるようだ。上製本で刊行されたが、フランスTVドラマシリーズのDVDにオマケで同梱された薄手バージョンも存在する。この巻では「大ニュース・ルパンとらわる」「悪魔男爵の盗難事件」「ルパンの脱走」「奇怪な乗客」「ぼくの少年時代」を収録。
ルパンの大失敗
南洋一郎文
1999(平成11)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」2
205p
「ルパンの大失敗」(アンベール夫人の金庫)「大探偵ホームズとルパン」(おそかりしシャーロック・ホームズ)「消えた黒真珠」「ハートの7」を収録。
ルパン対ホームズ
南洋一郎文
1999(平成11)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」3
277p
従来の「怪盗対名探偵」から改題。
奇巌城
南洋一郎文
1999(平成11)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」4
245p
消えた宝冠
南洋一郎文
1999(平成11)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」5
245p
「ルパンの冒険」。
813の謎
南洋一郎文
1999(平成11)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」6
253p

古塔の地下牢
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」7
229p
「水晶の栓」。
七つの秘密
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」8
237p
「ルパンの告白」より「日光暗号の秘密」(太陽のたわむれ)「結婚指輪」「三枚の油絵の秘密」(影の合図)「地獄のわな」「赤い絹マフラーの秘密」(赤い絹のスカーフ)「さまよう死神」「古代壁掛けの秘密」(白鳥の首のエディス)を収録。タイトルは同じでも旧版と収録作が異なっている。
ルパンの大作戦
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」9
253p
「オルヌカン城の謎」。
黄金三角
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」10
261p
「金三角」。
三十棺桶島
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」11
245p

虎の牙
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」12
245p
旧版で多用された「土人」という表現は全て「兵士」に変えられているが、「女兵士」などかえって不自然な表現になってしまった。
八つの犯罪
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」13
253p
「八点鐘」。
魔女とルパン
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」14
237p
「カリオストロ伯爵夫人」。
緑の目の少女
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」15
253p
ず〜っと「青い目」だった南版だが、なぜかここでカラーチェンジ(笑)。
ルパンの名探偵
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」16
237p
「バーネット探偵社」。
怪奇な家
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」17
245p
「謎の家」。
ルパンと怪人
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」18
245p
「バール・イ・ヴァ荘」。
ルパンの大冒険
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」19
241p
「特捜班ビクトール」。
ルパン最後の冒険
南洋一郎文
2000(平成12)
ポプラ社「シリーズ怪盗ルパン」20
237p
「カリオストロの復讐」。
アルセーヌ・ルパン
長島良三訳
亀井洋子絵

2000(平成12)
岩崎書店「世界の名探偵」3
178p
以前同社から出た「名作集」と似た体裁で児童向け絵本風に作られているが、本文はちゃんとした全訳。「なぞの旅行者」「赤い絹のショール」「やぎ皮服を着た男」を収録し、「名探偵」としてのルパンに関する詳細な解説があるのでルパンファンはやっぱり要チェックの一冊。
怪盗ルパン王女の宝冠
久米みのる訳
阪上青絵
2000(平成12)
講談社青い鳥文庫
363p
「ルパンの冒険」。
怪盗ルパン
榊原晃三
2000(平成12)
岩波少年文庫(新版)
365p
岩波少年文庫全体の改装にともない、従来も刊行されていた榊原版ルパン三冊も新装。
ルパン対ホームズ
榊原晃三
2001(平成13)
岩波少年文庫(新版)


403p

奇岩城
榊原晃三
2001(平成13)
岩波少年文庫(新版)


391p

名探偵博覧会・真説ルパン対ホームズ
芦辺拓
2000(平成12)
原書房
374p
1900年、パリ万国博覧会を舞台にまだ売り出し中の怪盗ルパンと名探偵ホームズ(ショルメスではない!)が「対決」するパスティーシュ。ホームズ・ルパン双方の薀蓄をぶち込み、川上貞奴、夏目漱石など同時代の実在人物も絡めた楽しい一編。表題作のほか他作家の贋作も収録。
813
堀口大学
2001(平成13)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)1
351p
堀口大学訳の新潮文庫ルパンも改訂され復活。
続813
堀口大学
2001(平成13)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)2
361p

奇岩城
堀口大学
2001(平成13)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)3
335p

強盗紳士
堀口大学
2001(平成13)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)4
326p

ルパン対ホームズ
堀口大学
2002(平成14)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)5
395p

水晶栓
堀口大学
2002(平成14)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)6
438p

バーネット探偵社
堀口大学
2003(平成15)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)7
281p

八点鐘
堀口大学
2003(平成15)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)8
394p

ルパンの告白
堀口大学
2004(平成16)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)9
378p

棺桶島
堀口大学
2004(平成16)
新潮文庫「ルパン傑作選」(改訂版)10
567p

逢坂剛の奇巌城
逢坂剛:文
2002(平成14)
講談社「シリーズ冒険」6
240p
以前「痛快・世界の冒険文学」で刊行されたものの再編集版。
奇巌城
逢坂剛・文
2004(平成16)
講談社文庫
338p
上記のものの文庫化。
斎藤孝のイッキに読める名作選小学5年生
斎藤孝編
2005(平成17)
講談社
274p
南洋一郎「大ニュース・ルパンとらわる」を収録。
mystery classics-蘇る名探偵達-アルセーヌ・ルパン編 1
森元さとる画
2005年(平成17)
講談社

古典ミステリのコミック化シリーズ。第1巻がルパンで、「赤い絹の肩掛け」「バカラの勝負」「テレーズとジェルメーヌ」を収録。ほかに一作別作家の短編を載せている。
怪盗紳士
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」1
221p
「シリーズ怪盗ルパン」をそのまま児童向け文庫サイズに編集し、以前の「全集」にあった南洋一郎の序文を復活させたもの。2005年の映画「ルパン」公開に向けての動きだったらしく、映画とのタイアップや全冊セット販売もやっていた。
ルパンの大失敗
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」2
209p

ルパン対ホームズ
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」3
281p

奇巌城
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」4
249p

消えた宝冠
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」5
249p

813の謎
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」6
257p

古塔の地下牢
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」7
233p

七つの秘密
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」8
241p

ルパンの大作戦
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」9
257p

黄金三角
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」10
265p

三十棺桶島
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」11
249p

虎の牙
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」12
249p

八つの犯罪
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」13
257p

魔女とルパン
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」14
241p

緑の目の少女
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」15
257p

ルパンの名探偵
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」16
241p

怪奇な家
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」17
249p

ルパンと怪人
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」18
249p

ルパンの大冒険
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」19
245p

ルパン最後の冒険
南洋一郎:文
2005(平成17)
ポプラ社「文庫版・怪盗ルパン」20
241p

813
大友徳明
2005(平成17)
偕成社文庫
376p
偕成社「ルパン全集」から内容そのままに文庫化したもの。映画「ルパン」の原作に使われたものを公開直前に急遽文庫化したもの。今後も「全集」収録作品の文庫化が望まれるが…
続813
大友徳明
2005(平成17)
偕成社文庫
398p

カリオストロ伯爵夫人
竹西英夫
2005(平成17)
偕成社文庫
478p

カリオストロの復讐
長島良三
2005(平成17)
偕成社文庫
342p

怪盗ルパン カーの復讐
二階堂黎人
2005(平成17)
講談社

二階堂黎人氏によるルパン贋作2作目。ルブランのというより南洋一郎ルパン、とくに「ピラミッドの秘密」のパロディを狙った児童向け。
真説ルパン対ホームズ・名探偵博覧会I
芦辺拓
2005(平成17)
創元推理文庫
422p
以前原書房から刊行されていたものの文庫化。
怪盗紳士ルパン
平岡敦
2005(平成17)
早川書房「ハヤカワ・ミステリ文庫」
336p
映画公開を機に、ついにルパンシリーズがハヤカワ・ミステリ入り!しかも久々の全訳新訳である。カバーにはルパンをあしらったマークが表示されており、今後この調子でシリーズ全部をミステリ文庫化する計画だったらしいのだが…。解説にはルパンシリーズ全作品の原題つきリストがある。
カリオストロ伯爵夫人
平岡敦
2005(平成17)
早川書房「ハヤカワ・ミステリ文庫」
404p
映画「ルパン」の原作ということでハヤカワミステリ入り第一弾に加わった。解説にある古今東西のルパン映画化作品リストは貴重な資料。
ルパン
番由美子
2005(平成17)
メディアファクトリー
316p
映画「ルパン」のノヴェライズ。帯では「100年目の新作」と謳っているが、内容は映画のシナリオを忠実に小説化したもの。原作「カリオストロ伯爵夫人」と比較してみるのも一興かと。
壊れた橋
藤田真利子
2005(平成17)
早川書房「ミステリマガジン」2005年11月号(No.597)

映画公開にあわせた「ルパン生誕百周年&フランスミステリ特集」の目玉として本邦初訳(正式刊行物として)で掲載された「バーネット探偵社」シリーズ幻の一作。英語版にのみ残されていた一編で、ルパン研究家住田忠久氏の解説も必読もの。他に映画の監督へのインタビューやボアロ=ナルスジャックのルパンもの短編も収録されたルパンファンは必読の号だ。
奇岩城
平岡敦
2006(平成18)
早川書房「ハヤカワ・ミステリ文庫」

平岡訳ルパンシリーズの第3弾。解説では日本で大人気の「奇岩城」訳・関係作の歴史に触れている。
戯曲アルセーヌ・ルパン
小高美保
2006(平成18)
論創社「論創海外ミステリ58」
490p
「ルパンの冒険」の原作である戯曲「アルセーヌ・ルパン」および「アルセーヌ・ルパンの帰還」の完訳、そして本邦初訳の一幕劇「アルセーヌ・ルパンの冒険」の3本を収録。住田忠久氏によるルパン研究に関する膨大な情報量の解説は必読!
水晶の栓
平岡敦
2007(平成19)
早川書房「ハヤカワ・ミステリ文庫」

平岡訳ルパンシリーズ第4弾。解説では子供から大人まで年代ごとに違った味わいのあるルパンシリーズについて触れている。残念ながらこのハヤカワ版の刊行はここでピタリと止まってしまった。
mysteryclassics-蘇る名探偵達-アルセーヌ・ルパン編 2
森元さとる画
2008(平成20)
講談社

古典ミステリ短編のコミック化シリーズ。ルパンシリーズから「太陽の戯れ」「十二枚の株券」の2作を収録。
横溝正史探偵小説選I横溝正史2008(平成20)論創社556p横溝正史初期の探偵小説しかも単行本未収録作品を収めた貴重な一冊。「ルパン大盗伝」は「水晶の栓」の、「海底水晶宮」は「奇岩城」の翻案。
八一三号車室にてアーサー・ポージス著
森英俊訳
2008(平成20)論創社364pアーサー・ポージスの短編推理小説集で、表題の作品がルパンのパスティシュ。ショート・ショートな作品だが、なかなか読めない一作だったので初の単行本収録は嬉しいところ。
怪盗紳士南洋一郎作
春野まこと画
2009(平成21)ポプラ社「コミック版ルパン&ホームズ(1)」143pポプラ社版ルパン&ホームズを原作にしたコミックシリーズ。栄えある第1巻はルパンで「大ニュース・ルパン捕わる」「悪魔男爵の盗難事件」「ルパンの脱走」を収録。用語解説、ルパン関連年表など読み物も充実。
奇怪な乗客・さまよう死神南洋一郎作
春野まこと画
2009(平成21)ポプラ社「コミック版ルパン&ホームズ(3)」143pタイトルの通りの2作を収録。どちらも「南版」に忠実であるためルブラン原作とはかなり違いもある。巻末解説には地図もついており、児童読者になかなか親切。
緑の目の令嬢南洋一郎作
春野まこと画
2009(平成21)ポプラ社「コミック版ルパン&ホームズ(4)」143p明らかに「カリオストロの城」を意識したチョイス。巻末解説もその話が中心。
mysteryclassics-蘇る名探偵達-アルセーヌ・ルパン編 3森本さとる画2009(平成21)講談社222p古典ミステリ短編のコミック化シリーズ。ルパンシリーズから「白鳥の首のエディス」「雪の上の足あと」の2作を収録。
奇巌城南洋一郎:文2009(平成21)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(1)331p児童向けではなく「かつての少年読者」向けを意識して刊行された復活文庫版。昭和30年代に刊行されたものをカバー絵も本文も挿絵もそのままに復刻した。解説をモンキー・パンチ氏が担当。
怪盗紳士南洋一郎:文2009(平成21)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(2)326p基本的には最古のバージョンの復刊で「大ニュース、ルパンとらわる」「悪魔男爵の盗難事件」「奇怪な乗客」「ルパンの脱走」「ハートの7」「大探偵ホームズとルパン」を収録。解説は貫井徳郎氏。
8・1・3の謎南洋一郎:文2009(平成21)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(3)343p解説は池上永一氏。最初のバージョンなので現行のものとはラストが若干異なる。
古塔の地下牢南洋一郎:文2009(平成21)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(4)309p「水晶の栓」の南版で当初のバージョン。解説は中村航氏。
八つの犯罪南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(5)359p南版「八点鐘」の最初のバージョンそのままの復刊で、「映画の啓示」と「ジャン・ルイの場合」がなく、「皇后のネックレス」「さまよう死霊」が入って8話構成になっている。解説は永井するみ氏。
黄金三角南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(6)329p解説は米澤穂信氏。
怪奇な家南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(7)307p解説は貴志祐介氏。
緑の目の少女南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(8)335p内容的には旧版そのままなのだが、タイトルのみ、かつての「青い目」から「緑の目」に変更された。解説は辻村深月氏。
怪盗対名探偵南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(9)335p現行シリーズでは「ルパン対ホームズ」となっているものをクラシックということでかつての題に戻している。解説は切野晴氏。
七つの秘密南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(10)313p最初のバージョンをそのまま復刻した内容のため、「ルパンの告白」以外に「バーネット探偵社」の2話、および「怪巨人の秘密」を収録。解説は光原百合氏。
三十棺桶島南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(11)359p解説は日明恩氏。
虎の牙南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(12)319p解説は真山仁氏。
消えた宝冠南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(13)347p解説は金原瑞人氏。
魔女とルパン南洋一郎:文2010(平成22)ポプラ文庫クラシック「怪盗ルパン全集シリーズ」(14)317p解説は天野頌子氏。原作との相違についても言及されている。
怪盗紳士アルセーヌ・ルパン「八点鐘」(1)JET画2010(平成22)朝日新聞社・ソノラマコミックス212p女性向け隔月誌「ネムキ」に連載されたコミック版「八点鐘」。金田一やホームズのコミック化も手掛けたJETさんの作品だけにミステリのツボをおさえ、なおかつ原作の魅力である恋愛の駆け引きの要素を強めた一本。ほぼ原作に忠実だが、原作には出てこないガニマールが特別出演しているのも特徴。前半の4編を収録。
怪盗紳士アルセーヌ・ルパン「八点鐘」(2)JET画2010(平成22)朝日新聞社・ソノラマコミックス212p最終話「マーキュリー骨董店」がガニマールの乱入によりかなり話がふくらまされている。セリフ回しからすると堀口大学訳の新潮文庫版をベースにしたものと思われる。
The Adventures of Arsene Lupin, Gentleman-Thief (怪盗ルパン傑作短編集) 2011(平成23)IBCパブリッシング・ラダーシリーズ158p英語学習用教材シリーズの一つで、「怪盗紳士ルパン」全9編を英検準2級クラスの英語で翻訳したもの。
アバンチュリエ/新訳アルセーヌ・ルパン(1)森田崇2011(平成23)講談社・イブニングKC223p当サイトにもちょくちょくおいでになる、大のルパンファンの漫画家さんご自身による念願の漫画化。原作にほぼ忠実に、かつ百年前に生きた一人の男の人生の「大河ドラマ」として描く企画となっている。第1巻では「逮捕」「獄中」「脱獄」「王妃の首飾り」の途中まで。巻末に時代背景についての解説も付く。ビクトワールが美女なのにはビックリ。
アバンチュリエ/新訳アルセーヌ・ルパン(2)森田崇2011(平成23)講談社・イブニングKC207p「王妃の首飾り」後編、「謎の旅行者」「ハートの7」中盤までを収録。これまでの漫画版ではなかなかみられなかった、ルパンのダーク面の強調が見られる。
アバンチュリエ/新訳アルセーヌ・ルパン(3)森田崇2012(平成24)講談社・イブニングKC226p「ハートの7」後編、「おそかりしハーロック・ショームズ」「赤い絹のショール」を収録。「ハーロック・ショームズ」名義での登場はこれが初。
大公女殿下に捧げる密室芦辺拓2012(平成24)祥伝社377pすでに「真説ルパン対ホームズ」も書かれている芦辺氏による探偵・森田春策もの。春策がヨーロッパの「ベルデンツ大公国」に赴き思わぬ事件に巻き込まれる「ルリタニア・テーマ」の作品で、分かる人には分かるニヤリなネタが満載。
怪盗対名探偵初期翻案集北原尚彦編2012(平成24)論創社・論創ミステリ叢書別巻583p三津木春影、安成貞雄らによる大正時代に翻案されたルパンシリーズ中の「対ホームズ」作品、「秘密の墜道」(おそかりしホームズ)金髪美人」「春日燈籠」(ユダヤのランプ)「大宝窟王」(奇岩城)を収録。巻末の北原氏による各種ルパン本紹介も資料価値大。
特集アルセーヌ・ルパン&ルパン三世 2012(平成24)早川書房「ミステリマガジン」7月号 久々の「ルパン三世」アニメシリーズ「不二子という女」とタイアップし、アルセーヌとその孫をまとめて特集。ルパン以外の怪盗の系譜や最新ルパン事情、「ルパンの逮捕」の初出バージョンの初訳、ルブランによるドイル追悼文など盛りだくさん。
アバンチュリエ/新訳アルセーヌ・ルパン(4)森田崇2012(平成24)講談社・イブニングKC223pルパンとハーロックーショームズの全面対決を描く「金髪婦人」の前半部分を収録。作者コラム「ショームズはホームズか?」もある。
ルパン、最後の恋平岡敦訳2012(平成24)早川書房「ハヤカワ・ミステリ」1863264p作者の死後70年にして刊行され、話題を呼んだルパン最終作の素早い邦訳。「ルパン逮捕される」の初出版、ルブランのエッセイ「アルセーヌ・ルパンとは何者か?」も収録。
量子怪盗ハンヌ・ライアニエミ著
酒井昭伸訳
2012(平成24)早川書房「新☆ハヤカワ・SF・シリーズ」456pフィンランド出身のSF作家ライアニエミによるポスト・サイバーパンク調SF冒険小説。ルパンを思わせる太陽系をまたにかけた変幻自在の怪盗ジャン・ル・フランブールを主人公に、探偵イジドール、美女レイモンドなど「奇岩城」を中心に怪盗ルパンネタをちりばめた異色作で、少々難解ながら作者のルパン愛にニヤニヤさせられる一品。構想では三部作の第一作とのこと。
ルパン最後の恋那須正幹文2012(平成24)ポプラ社249pルブラン未発表作を、児童向けのルパン全集を出し続けるポプラ社も見逃さずにリライトして刊行。カバーは往年の南版全集ソックリなものになり、絵も牧秀人のカバー絵をコラージュ。文章は「ズッコケ三人組」で知られる那須正幹氏が担当し、原作そのままでは難解な所もかなり分かりやすく書き換えている。エッセイ「ルパンとは何者?」も収録。
大空のドロテI瀬名秀明2012(平成24)双葉社288p「日本SF作家クラブ50周年記念作品」として刊行された全三巻の長編で、以前「小説推理」に連載されたものを大幅に改稿して完成させたもの。タイトルにあるように「綱渡りのドロテ」をモチーフとしているが「ドロテ」の設定は大きく変えられ、むしろ「実在したアルセーヌ・ルパン」をめぐる冒険物語となっている。チェスタトンやフレミングら実在作家たちも物語に絡んでくるのもポイント。
大空のドロテII瀬名秀明2012(平成24)双葉社280p第一次世界大戦直後の時代、「虎の牙」の事件と同時並行で進む物語となっているため、「虎の牙」の全訳版を事前に読んでおく必要あり。
大空のドロテIII瀬名秀明2012(平成24)双葉社312p舞台はモロッコ、ルパンが築いた「帝国」へと広がる。「ルパンの冒険」や「813」「三十棺桶島」と深くかかわる部分があるため、全訳版を未読の人には訳が分からなくなるかも。ルパンマニア向け小ネタが多くちりばめられている。
アバンチュリエ/新訳アルセーヌ・ルパン(5)森田崇2013(平成25)講談社・イブニングKC255p「金髪婦人」の後半、および「アンベール夫人の金庫」を収録。「イブニング」誌連載分はここまでで、このあと「月刊ヒーローズ」に移籍となった。
ルパン、最後の恋平岡敦訳2013(平成25)早川書房「ハヤカワ・ミステリ文庫」333p前年に出た最初の邦訳を素早く文庫化。これまで雑誌掲載時しか読めなかった「バーネット探偵社」の一編「壊れた橋」も新訳で収録するおまけつき。
リュパン、最後の恋高野優監/池畑奈央子訳2013(平成25)創元推理文庫320pやや出遅れてしまったが、創元推理文庫ひさびさのリュパンシリーズ新刊である。宝塚舞台とタイミングを合わせたところもあるみたい。
怪盗ルパン伝アバンチュリエ(1)公妃の宝冠森田崇2013(平成25)小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」260p「月刊ヒーローズ」に移籍後の、戯曲「アルセーヌ・ルパン」(ルパンの冒険)に当たる部分を一冊にまとめたもの。従来のイメージより若いビクトワールが目を引く。
フランス語で読む怪盗ルパン傑作短編集 鈴木秀幸2013(平成25)IBCパブリッシング159p仏語原文を簡略化し、対訳を載せてルパン物語を読みながらフランス語が学べるという趣向の一冊。「ルパン逮捕される」「獄中のルパン」「ルパンの脱獄」「女王の首飾り」「遅かったホームズ」の5編を収録。
怪盗ルパン伝アバンチュリエ(2)ユダヤのランプ森田崇2013(平成25)小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」244p「ヒーローズ」連載「アバンチュリエ」の第2弾で、「ルパン対ホームズ」より「ユダヤのランプ」で一冊分。
ルパン対ホームズ (新装版)日暮まさみち訳
青山浩行絵
2014(平成26)講談社「青い鳥文庫」272p青い鳥文庫の「ルパン対ホームズ」は長らく保篠龍緒訳が維持されてきたが、ついに新訳登場。
量子怪盗ハンヌ・ライアニエミ著
酒井昭伸訳
2015(平成27)早川書房「ハヤカワ文庫SF」575p以前ハヤカワSFシリーズで出たものの文庫版。内容は完全に同じもの。
VSルパン1さいとうちほ2014(平成26)小学館「フラワーコミックス」169pルパンシリーズより、女性向けにロマンチックな話をチョイスしてコミック化するシリーズ。「プリンセスの結婚」(ルパンの結婚)「伯爵夫人の黒真珠」(黒真珠)「王妃の首飾り」の三話を収録。ガニマールやクラリスが絡んでくるなどオリジナルの脚色もある。
怪盗ルパン伝アバンチュリエ(3)奇巌城(上)森田崇2014(平成26)小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」260p「アバンチュリエ」もついに「奇巌城」に突入。
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ 登場編 (上)怪盗紳士 森田崇2014(平成16)小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」576p「アバンチュリエ」の「イブニング」連載分を移籍先から再編集のうえ二分冊に改めて刊行。「逮捕」から「遅かりしショームズ」まで一挙収録。
怪盗ルパン伝 アバンチュリエ 登場編 (下) 金髪婦人森田崇2014(平成26)小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」600p「イブニング」連載分の「赤い絹のショール」「金髪夫人」「アンベール夫人の金庫」に、「黒真珠」を書き下ろしで加えて収録。
奇巌城菊池寛2015(平成27)真珠書院「パール文庫」141p実物は未見だが、著作権切れした菊池寛・文のものを文庫化したものと思われる。
怪盗アルセーヌ・ルパン芦辺拓2015(平成27)学研教育出版「10歳までに読みたい世界名作」153p世界名作を小学低学年向けにリライトしたシリーズ。ルパン関係の著作もある芦辺拓さんが担当されている。「怪盗ルパン対悪魔男爵」(獄中のルパン)「怪盗ルパンゆうゆう脱獄」(ルパンの脱獄)の2編を収録。
やさしいフランス語で読む 怪盗ルパン傑作短編集
2015(平成27)IBCパブリッシング 127p原文からさらにやさしいフランス語にしたリライト版でルパンを読む学習本。「逮捕」「獄中」「脱獄」の三編を収録。
怪盗ルパン伝アバンチュリエ(4)奇巌城(中)森田崇2015(平成27)小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」276p「アバンチュリエ」版「奇巌城」の中巻。
VSルパン2
さいとうちほ
2015(平成27)
小学館「フラワーコミックス」
184p
さいとうちほによるコミック版ルパンの第2弾。「カリオストロ伯爵夫人」の前半を収録。
怪盗紳士アルセーヌ・ルパン
高野優訳
しゅー絵
2015(平成27)
KADOKAEA/角川書店「角川つばさ文庫」
248p
「つばさ文庫」で始まった児童向けルパンシリーズ。「怪盗紳士」の全話を収録。
ルパン対ホームズ
平岡敦訳
2015(平成27)
早川書房「ハヤカワ・ミステリ文庫」
355p
ハヤカワ・ミステリ文庫版ルパンシリーズ久々の新訳。
怪盗紳士アルセーヌルパン 奇岩城
高野優訳
しゅー絵
2016(平成28)
KADOKAEA/角川書店「角川つばさ文庫」
237p
「つばさ文庫」版ルパンの第2弾、「奇岩城」の児童向け。
10分で読める 世界一の怪盗ルパン

2016(平成28)
宝島社
191p
児童向け簡易版ながら18話を収録する傑作選。「刑務所のアルセーヌ・ルパン」「アルセーヌ・ルパンの脱獄」「女王の首飾り」「赤い絹のストール」「金髪の美女」「ユダヤのランプ」「カリオストロ伯爵令嬢」「太陽のいたずら」「結婚指輪」「白鳥の首のエディス」「さまよう死神」「したたる水滴」「ジョージ四世のラブレター」「金歯の男」「ベシュー警部のアフリカ株券」「奇跡のロープ」「マダム・アンベールの金庫」「塔のてっぺんで」を収録。
ルパン最後の恋
那須正幹文
2016(平成28)
ポプラ社「ポプラ文庫クラシック」
255p
那須版「最後の恋」を以前出した「文庫クラシック」に合わせた装丁で文庫化。表紙絵は単行本の時は過去表紙のコラージュだったが新作に改められている。
みんなの怪盗ルパン
小林泰三/近藤史恵/藤野恵美/真山仁/湊かなえ
2016(平成28)
ポプラ社
225p
往年の南洋一郎版全集そっくりの装丁の、作家五人によるパスティシュ集。ホームズ物語とリンクする「最初の角遂」(小林)、ルパンが青年の恋を手助けする「青い猫目石」(近藤)、少年時代のミッシングリンクを扱う「ありし日の少年ルパン」(藤野)、ルパンがドレフュス事件に挑む「ルパンの正義」(真山)、ルパンの日本訪問を描く「仏蘭西紳士」を収録。
名探偵の謎とき推理! 世界の名作ミステリー
西東社編集部
2016(平成28)
西東社
352p
古典ミステリーをクイズ仕立てにして紹介する児童向け。ルパンものでは「ルパン、逮捕される」『刑務所の中のルパン」を収録。
怪盗ルパン伝アバンチュリエ(5)奇巌城(下) 森田崇
2016(平成28)
小学館クリエイティブ「ヒーローズコミック」

「アバンチュリエ」版「奇巌城」完結編。巻末にルパンファンの聖地・エトルタの紹介あり。

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