復旧なってイベント開催


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 茨城県では数少なくなった私鉄の一つ・ひたちなか海浜鉄道湊線。1913(大正2)年12月25日に勝田-那珂湊間が湊鉄道として開業、1928(昭和3)年7月17日に阿字ヶ浦まで伸び、現在の形になった。戦時中の企業統合で1944(昭和19)年に茨城交通が発足し、同社の路線となっていた。

 かつては上野から海水浴客を運ぶ直通列車もあったりしたこの鉄道も深刻な赤字で、茨城交通は2005(平成17)年、2008年3月いっぱいでの廃止を表明したが、ひたちなか市の要望により、2008(平成20)年4月1日から第3セクターの「ひたちなか海浜鉄道」に移管して今日に至っている。

 今年3月11日、東日本大震災ではこの路線も大きな被害を受け、全線で運転を見合わせていた。費用負担の割合をどうするかなど問題も残っているらしいが、復旧工事はコツコツと進み、震災から4カ月以上たった7月23日にようやく全線での運転再開にこぎつけている。

 11月20日、このひたちなか海浜鉄道が「第3回湊線ふれあいファン感謝祭」なんてのをやり、通常800円の1日乗車券を500円で売る、という情報を得た私はいい機会だからと乗りに行ってきた。勝田駅で列車を待っていたら近隣の日立市で最大震度5強という地震があったりしたのだが、ダイヤやイベントに影響は出なかった。

 まず私はイベントのメイン会場となっていた那珂湊駅で途中下車。旧三木鉄道の車両が休憩所として開放されていたり、日本初のステンレス車とかいうのが写真の展示場として置かれたりしていた。

 


 那珂湊駅のホームにはなぜか鹿島臨海鉄道や北総鉄道、いすみ鉄道も出店していて関連グッズなんかを売っていた。私はさらにあとの列車で終点の阿字ヶ浦駅にも行ったが、そっちでも屋台があり、さらに北総鉄道の人が来ていて、ミニ電車(確か北総鉄道の7500系だったと記憶している)の運転なんてのもやっていた。

 大人も500円で乗れるとあって結構多くの人が来ていたこの日、小学生向けに駅員や車掌の体験なんてのもやっていて、那珂湊駅では小学生がスタンプを押していたし、勝田駅に戻る列車ではやはり小学生が職員に教えられながらの棒読みではあったが、那珂湊まで車内放送をやったりもしていた。

 もともと一度は廃止を決めた路線だけにあと何年運行できるかわからないが、鉄道ファン向けを意識して古い車両を走らせたり、こういうイベントをやったり、必死の努力が続いているようだ。





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