課題はつづく

〜 私のイメージ 〜

ボルトの長さがギターを始めて手にした時からギターを弾くのをやめる時までの長さを現している。現在の課題を示す矢印がボルトの頭についている。
ナットには課題の項目が時計盤のように書いてある。ボルトが回りながら進んで行く時に矢印が項目を指し示す。

練習課題の項目は人によってとらえ方が違うかもしれない。私もこれがすべてとは思っていないが、まあ、代表的なところを項目として書いてみた。目・耳・右手・左手・感情すべてにおいて、様々に課題が生まれる。項目の内容云々よりは、同じ項目でも自分の進み具合でとらえ方が違うということをボルトの長さで言いたかったのだ。先生のレッスンを受けて10年くらいは何年経ってもいつも同じようなことを注意されるので、まったく上達していないような気がしたのだが、ある時友達が言ってくれた言葉ではっとした。

「山に登ってる時は自分の足下しか見えへんやろ。遠くから見てると、少しずつ上へ登って行ってるのがわかるんやけどなあ〜」

その時にふとボルトのイメージが湧いてきた。同じ課題を抱えて練習しているように思っていても、いつもその深さは違うのだということを。しかも回転速度はいつも一定ではない。急に色んな課題に対してクリアできる時期がある。反面全く進まない時期もある。確か先生の言葉だったか、『階段を上っている時と踊り場にいる時がある』って。習い始めて5年くらいするとなんか少しわかったような気がして、発表会でもいい演奏ができたと思って先生に話したのだった。すると、先生は「今の段階ではよかったな。でもまだ上があるで。」と言われた。その時に「今は踊り場にたどり着いたんや。」って言われたような記憶がある。いい演奏ができたと有頂天になっていた私はギャフンとやられてしまったが、真実は真実。その後も更に精進を続けているわけである。



2004.10.29.