ドラフト王国プロ野球をドラフトで読む

小関 順二

蒼馬社 1997.11. 7 発行 \980+税


 ドラフトは、それ自体が物語であり、そしてそこから各チームの補強方針や今後、さらにはプロ野球のこれからを予測できるということがよくわかる本です。

 この本で最も納得させられた文章は「プロ野球が好きだからアマチュア野球を見る」という言葉。さすがに模擬ドラフトを開催するほどの人の言葉だなぁと思います。
 アマチュアの選手を実際に見ていれば、マスコミから伝え聞くドラフト指名選手の評価に加えて自分なりに期待を抱くことができるでしょうし、プロ野球を見るときにより奥行きのある見方ができるでしょうね。
 私自身、最近あまりアマチュア野球を見る機会がなく(TVでやっている高校野球でさえ見れないよ・・・)、どうしてもドラフトの時期に特集されるドラフト指名予想選手のランクつけが頼りの状態で、耳の痛いところです。

 常々やっても無駄だろう(^^;)と思っている解説者の順位予想についても、その発想から明確にダメなところを指摘してます。私が順位予想が無駄だと思っているのは、ほとんどの解説者が前年の順位のままの予想をすること。この人たちは、ちゃんとキャンプも見てないのに、なんで今年の戦力を評価できるんだろう?というのが、その主な根拠であるわけですが、さらにこの本にはプロ野球の解説者やマスコミ関係者は「アマチュア野球見てないだろう」というまさに本質をついたことが書かれています。
 プロ野球で活躍する選手は、必ずしもアマチュア時代から有名な選手ばかりではありません。そういう意味では、本当に正確にチーム力を判断するには、新しくチームに加入した選手、何年か前から2軍で鍛えられている選手、これらを含めて今年の戦力はどうなるかを見極めなければいけません。新人選手については、やはりアマ時代のプレーを実際に見たか、見なかったかは大きな違いがあるんではないか、そういうことを考えさせられた1冊でした。

 12球団の「ドラフト通信簿」は、これからの各チームを占う上で非常に参考になりますし、なんと言っても巻末のドラフト候補選手一覧は当時のリトルシニアの選手まで載っていて、これから何年かは資料的に非常に参考にできるかなと思います。


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