星野仙一 闘将日記/完全燃焼

星野仙一

実業之日本社 2003.9.30/11.19 初版第一刷 \1,500/\740(税別)


 今でこそ、監督、選手が自らホームページを立ち上げて、マスコミを介在せずに自分の意見を発信していますが、その元祖と言えば、星野さんですね。ドラゴンズの監督時代からインターネットで自らの言葉を発信し始めたオーソリティーみたいな人です。
 ドラゴンズ時代から、実は星野監督のサイトはずっとチェックしていました。タイガースはマスコミからの間接的な情報から、かなり誤解される部分も多く、歴代監督も、そういう情報から無駄な批判も多くされていました。そういう中で、敵チームの監督とは言え、自らの考えを直接発信している星野監督は、すごく羨ましいなという思いを持っていました。毎試合、試合後に語られる監督自らの言葉、そういうものがあれば、例えば野村監督もあそこまでファンから批判されずに済んだのではないかな。

 その星野監督が、ドラゴンズの監督を辞めてすぐにタイガース監督に就任。その采配手腕はともかく、この自らの考えを発信する形は、タイガースにとって大きな力になるのではないかという予感がありました。
 タイガース就任から「星野仙一のトラトラトラ!」というタイトルで新たに開設されたサイトは、マスコミ情報に踊らされていたファンにとっては、大きな意味を持つものでした。かくいう私も、ドラゴンズ時代以上に(当たり前!)毎日、サイトをのぞく日々でした。

 就任1年目、2002年は開幕7連勝で素晴らしいスタートを切りながらも怪我人続出で残念ながら4位でしたが、翌2003年には見事に優勝。前半から独走での優勝だっただけに、様々な関連商品が夏場から企画され発売されましたが、やはり真打ちは、この星野監督のサイトをまとめた、この「闘将日記」ですね。
 2003年1月のオフシーズンから、キャンプ、オープン戦、そして公式戦からセ・リーグ優勝の9月15日まで、毎日の星野監督のサイトでの言葉が全て再録されています。ほとんどがリアルタイムで、その日に読んでいるのですが、それだけに、振り返って読み直すと、あの興奮の日々が蘇ってくるようです。

 優勝が決まって、当然のように、この本が出版されるのだろうなと思ってはいたのですが、ひとつだけ不満がありました。もちろん、セ・リーグ優勝から間髪いれずに出版することに意味はあるのでしょうが、まだシーズンは終わっていません。日本シリーズもあるわけですし、何か中途半端な感じがしていました。「トラトラトラ!」は引き続き、アップされているわけですし。
 しかし、そこはきっちりフォローしてくれましたね。闘将日記完結編として「完全燃焼」が出版されました。9月16日から日本シリーズ終了までの補完バージョンです。期間が短いだけに「闘将日記」に比べれば、めちゃくちゃ薄い本になっていますが、この期間には例の勇退騒動もありましたので、中身は濃いです。もちろん、あの歴史に残るであろう日本シリーズの激闘についても語られています。何にせよ、この1年の記録としては、他のどの出版物よりも、この2冊は重要な記録になるはずです。
 できうれば、完全補完バージョンとして、2002年版も出して欲しいのですが、これは難しいだろうな・・・。

(2005.3.20記)


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