投手の守備位置交代


【状況】
2000. 5.21 ベイスターズ×タイガース 8回戦(横浜スタジアム)
 1-0タイガースリードで迎えた9回裏のベイスターズの攻撃。タイガースの投手は8回から投げていた遠山に代わって葛西が登板し、遠山が1塁の守備につきました。葛西が谷繁に二塁打を打たれた後に、葛西と遠山の守備位置交代で、遠山が万永の犠打のあと、石井琢も抑えて2死3塁となった時点で、葛西が再度マウンドへ。遠山はベンチに下がって、1塁には広澤が入りました。
 葛西が進藤を抑えてタイガースの勝利となったわけですが、もし進藤を出していたら、遠山を下げてしまったことが後悔されたところ(次の打者は左の鈴木尚)。綱渡りの勝利でした。

次の日の紙面で、遠山がベンチに下がったのはルール上の制約とあったのですが、実は・・・・・。


【調べてみると】
 さて、この日のケースについて、ちょっとまとめてみます。
8回9回
遠山投手一塁−投手−ベンチへ
葛西投手−一塁−投手


 さて、この翌日のスポーツ紙に載っていたのが以下の規則と野村監督の談話・・・。
 まずは公認野球規則3.03の原注が、そのまま載っていました。

 同一イニングでは、投手が1度ある守備位置についたら、再び投手になる以外他の守備位置に移ることはできないし、投手に戻ってから投手以外の守備位置に移ることもできない。

 そして、おなじみ(^^;)の野村語録なんですが、
「ルール上、1回しかできないんや。ヤクルト時代にもやったことがあって、審判にも“1回ですよ”と言われてたんや。草野球ならできるけど。」

 読み流してると、「なるほどなぁ」と思ってしまうんですが、よくよく上の表とルールの文面を見比べてください。何かおかしいと思いませんか?

 この日から1週間を置いて5/30の甲子園でのタイガース×ベイスターズ戦で、二度目の遠山、葛西のW二刀流(私が命名しました)が実現しました。が!そのときのシフトはこのようになっていました。
8回9回
遠山投手一塁−投手−一塁
葛西投手−一塁−投手


 順番も1回目の試合と全く同じなのですが、最後、遠山が一塁に戻っています。
 このことについて、スポーツ紙もニュースでも、全く解説が無かったのですが、2回目だからいいと思っているのか、単に気がつかなかっただけなのか・・・。

 ルール上は、どうやら1回目のときの解釈が間違っていたみたいですね。ルールの文面では「○○できない」という条件になっていますが、逆に投手として何回登板できるかという解釈に読みかえれば、1イニングの中では最大2回は登板できるという意味ですよね。
 話がややこしくなっているのは、2度とも8回に遠山がすでに登板していたという点でしょう。「同一イニング」という条件がなければ、最後の一塁守備はできないことになります。でも、条件がある以上は可能であることに変わりはないですからね。

 まぁ、基本的にこういうケースは稀(とは言ってもタイガースの必勝パターンになっとるぞ!)ですから、みんな、よく考えてなかったというのが本当のところかもしれませんね。明らかな解釈間違いですが、その時点で誰も気付かなかったということで情状酌量の余地ありでしょうか。本当は審判に、こういうケースについても、しっかりと把握しておいて欲しいところなのですが・・・。
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