打者の反則行為


【状況】
1995 スワローズ×ブルーウェーブ 日本シリーズ
この年の日本シリーズの注目は何と言っても、スワローズ投手陣対イチローの対決。
スワローズとすれば、いかにしてイチローを抑えるかが、勝利の鍵です。
日本シリーズ開幕前から、例によって野村ヤクルトは、マスコミを使ったイチロー攻撃。そのなかで興味ある発言はイチローの打席に関する野村監督の談話でした。
いわく「イチローは打つときに打席から足が出ている。違反なんじゃないか?」
確かにVTRを見ると、踏み込んだ足が半分出ている!?

イチローの打席は、本当に違反なのか??


【調べてみると】
 この「打席から足が出ているからアウト」っていうネタは、よく漫画のドカベンなんかでも出てくるネタで、草野球なんかでも、「足が出ちゃいけない」みたいなことを話していた記憶がありました。
 でも、現実問題として、足が出るほど踏み込んで打つことがないので、打席から足が出るってのは、非常に稀な気がします。
 イチローの振り子打法ですが、確かに踏み込みが命みたいなところがあるので、足が出ることもあるんだろうな・・・と思ったら、タイミングよく野村発言があって、ご丁寧にも、その発言を見ていたTVで、イチローの打席を上から映したVTRが・・・。
 おぃおぃ、足出てるぞ。

 とりあえず、調べてみました。該当部分は公認野球規則6.06でした。

 6.06 次の場合、打者は反則行為でアウトになる。
(a) 打者が片足または両足を完全にバッタースボックスの外に置いて打った場合。


 ま、これで一目瞭然、疑問氷解なのですが、結論から言うと、イチローの打席は全く違反ではないということです。ポイントは完全にという一語です。
 イチローの足、確かに打席からははみ出ているんですが、半分だけなんですよね。
 というわけで、全く問題はありませんでした。
 野村監督としても、本当に違反だと思ったわけではなく、イチローに足元を意識させるのが目的だったのでしょう。足が出ていると意識すれば、本来のフォームで打つこともできませんし、集中力も欠けることが予想されます。
 そこまで考えた神経戦だったのでしょう。

 さて、このルール、【原注】があります。
【原注】 本項は、打者が打者席の外に出てバットにボールを当てた(フェアかファウルを問わない)とき、アウトを先刻されることを述べている。球審は、故意四球が企てられているとき、投球を打とうとする打者の足の位置に特に注意を払わなければならない。打者は打者席から跳び出したり、踏み出して投球を打つことは許されない。

 基本的に敬遠の球を(打つつもりで)打とうとする選手はあまりいないと思いますが、一応こういう規定もあるんですね。
 記憶にある中で、敬遠の球を打った選手と言うと柏原、クロマティ、若松くらいでしょうか。首位打者がかかった打席で敬遠された田尾も、振りはしましたけど、あれは打つ気ありませんでしたからね。
 打った選手にしても、それほど大きくはずしたボールを打ったわけではないので、足も出ていなかったんでしょうね。(若松のときの場面はよく覚えていて、タイガース戦だったのですが、中途半端にはずしたボールをきっちりレフト前に運ばれてしまいました。解説の人が、はずすときは、もっときっちりはずさないと・・・と激怒していた記憶があります。)

 ひっかかりそうなケースとしては、スクイズの場面でしょうか。でも、最近ははずしたボールに跳びついてバットに当てるケースもあまり見ていないような・・・。
 これからは注意して見てみるようにしましょうか。(^^;
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