父、安達正樹の場合




「…あぁ、課長、いけません……」
「誘ったのは小夜子君。君の方だろう?一緒に残業をしようって…」
「そんな、あたしは仕事を…。あン」
 人気のないビルの蛍光灯に照らされたオフィスから、熱っぽい男女の声が聞こえて くる。湿っぽい音。
「仕事?これだって仕事のうちさ。OLが上司にサービスをするのは当然さ」
「そ、そんな…」
 姿が見える。中年の、背広を着こなした男と、スーツを着たまだ若い女。女は背後 から犯されていた。デスクに上半身の体重を預け、腰を高く掲げる。タイトスカート 腰までまくられ、下着は初めから履いていなかった。薄くピンクに染まった小桃のよ うな尻。濡れた股間を、男の指が征服する。
「ほら。もうこんなになっている」
 男が、ねっとりと濡れた指を女に見せつけた。開いた指の間を、細く透明な糸が渡っ ている。女は潤んだ瞳でそれを見つめている。
「ちゃんと言いつけ通り、下着を履いてこなかったんだね。どうせ淫乱なお前のこと だ。朝からずっと、グショグショに濡れっぱなしだったんだろう。おかげで頼んであっ た書類整理の方はずいぶんおろそかにされてしまったな」
 女が声もなく仰け反った。男は今しがた尻につけたばかりの歯形の痕を、こってり と舐め回す。
「おかげでこの通りの残業。小夜子君には少しお仕置きをしなければいけないな」
「な、なにを…」
 小夜子と呼ばれた女の声は、他ならぬ彼女自身の叫び声によって中断された。
「あぁ!いやです、許して下さい…!」
 声とは裏腹に、潤みきった秘所は苦もなく男を受け入れた。男は女の背中に覆い被 さるようにして腰を振り、女の白いブラウスに包まれた胸が机との間で潰される。
「あ、入ってくる。課長のオチ○○ンが入ってくる!」
「そうだよ。今僕は小夜子君の中に入ってるんだ。淫乱な君のあそこに包まれている んだ。暖かくて、ぐちょぐちょのあそこに…」
 女はもうその言葉には応えない。喘ぎ声と、挿入音が静寂な夜のオフィスに響く。 女は自ら腰を振って、より高みに上っていこうとする。
「いいかい?君は明日も下着を履かないで出社するんだ。スカートはもっとタイトな 奴がいいな」
「そんな、…あぁン!」
「階段を上るときに後ろを歩いている奴には、小夜子君の黒い陰毛とピンクのあそこ が見えるだろう。他の社の連中も気づくだろうね。君が神聖な職場に、下着も履かず に出社する変態だって。」
 女は弱々しく顔を上げて背中の男に振り返る。それを待っていたかのように、男が 女の唇を奪う。下でお互いの口腔を舐めあう、貪るようなキス。
「そうだ!次はブラも着けないで来るといい。ブラウス越しに見える、君の尖った乳 首はきっと素敵だろうね!」
「は、恥ずかしい…」
「恥ずかしい?」
 男は腰の動きを早めながら、からかうように女に問いかける。
「小夜子君の体はどこだって綺麗さ、誰に見られたって恥ずかしくない。ふしだらな ピンクの乳首も、淫乱で男をくわえてはよがっているあそこも、そして皺だらけの可 愛らしいここも」
 人差し指に唾液をまぶして、一気に女の肛門に突き入れる。
「い、いたいぃ!抜いて、抜いて下さい」
「これはいい。良く締まるよ、小夜子君。最高だ」
 女の二つの穴に、交互に肉棒を出し入れする。女の口の端からは唾液が溢れ、太股 にまで愛液が滴を垂らしていた。
「いい、いい!課長、あたし感じ過ぎちゃうっ…」
「おや、もうイクのかい?いいだろう、イク瞬間の小夜子君の顔を私に良く見せてく れよ」
「課長!イク、イクぅー!!」
 女の体が瘧のように震え、男をぎゅうぎゅうと締め付けた。男はそのまま、女の体 内に中年の精を迸らせる。
 男はまだビクビクと腰を震わせる女の背から、大儀そうに体を起こし、ゆうゆうと 背広を整える。まるで、ようやっと書類整理を終わらせたかの様な顔をして。
「ちゃんと後は綺麗にしとくんだぞ、小夜子君。例の書類は、明日の午前中に私の机 まで持ってきてくれたまえ。それじゃあ」
 男は一方的に言い放つと、タイムカードを押してオフィスを去っていった。後には、 股間から精液を溢れさせて荒い息をついている女が一人、取り残された。

 深夜、ちらほらと駅から吐き出される、帰宅途中のサラリーマンに混じって、その 男は家に帰り着いた。
「やぁ、ただいま」
「あらあら。お帰りなさい、お父さん。食事の用意が整ってますわよ」
「いゃ、今日は書類整理の残業が有ってね…。何か子供達に変わりはなかったかね」
「はい、おビール。…そういえば麻紀が、今朝電車で痴漢に会ったって言ってましたわ」
「ほう、そりゃ朝から大変だったね。何回イかされたんだ?」

 …夫婦の団らんは続く。子供達は今日も元気のようで安心した。
 男の名前は、安達正樹。
 安達家四人家族の主人である。


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