序文

 既に『漢』の大半を手中に収めた皇国は、天下統一の大偉業の最後の仕上げとし て、南方の精鋭国阿南に向かってその兵力の大半を差し向けた。誰もが皇国の揺る ぎのない勝利を確信したその時、皇国の首都西陽で起こったその異変が、歴史の流 れを変えた。

 西陽に残っていた大将軍・獅鑼虞の裏切りにより、大量の北蛮族軍の進入を許し た西陽は一夜にして壊滅。皇帝の生死も分からず、皇都奪観を志した多くの遺臣達 も果たせぬままに蛮族軍の大兵力の前に破れ去った。

 あれから六年。国は乱れ、蛮族達の驕りは止まるところを知らないかのよう。

 だが、それを是としない者達もいた。志を持つ者が、国を憂う者が、野望を持つ 者が、皇国再興を目指す者が立ち上がった。

 時に皇国歴二百六年。春の陽が射し込み、花々の咲き誇る季節のこと。










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