最後の晩餐 レオナルド・ダ・ヴィンチ

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 ミラノのサンタマリア・デレ・グラツィエ教会の食堂にある壁画です。
(この教会、日本語にすると、聖母マリア様に感謝教会・・)
 当時のミラノ候ルドヴィコ・スフォルツァ(イル・モーロ)の依頼で
描かれました。

 今見るとぼろぼろな作品です。理由は、油絵の具で描いたこと、
壁面処理がきちんとなされていなかったこと、描いた場所が
食堂で湿気が多かったこと、などがあげられます。

 質問1 これは、キリストと弟子たちの最後の夕食シーンを
     描いた作品ですが、このとき、キリストは、
     「おまえたちの中に裏切り者がいる。」といい、
     「その人は自分の思っていることをしなさい。」と
     言ったそうです。さて、その人(ユダ)はどこに
     いるでしょうか?

 質問2 この壁画は、一点透視図法で描かれています。
     中心となる点(消失点)はどこにあるのでしょうか?

 この作品は、キリストを自然に目立たせています。
ふつう、「最後の晩餐」を画家が描くとき、キリストは
目立つように後光がさしたり、光らせたりするのですが、
レオナルドはそんなことをせず、透視図法を効果的に用いて
目立たせることに成功しています。じつは、この絵は食堂の、
ある位置に座ることで、食堂の壁と絵の中の壁が一体となり、
キリストたちと一緒にご飯を食べているように見えるような
仕掛けがしてあるのです。
 この絵は、じつは、だまし絵なのです。

 レオナルドが、壁画向きの画材であるテンペラを使わずに
油絵の具でこの作品を描いたことについて、評論家の人たちは
レオナルドの知識について疑問視しています。
 これについては、画家でなくては答えられません。
私が教わった教授(教科書にも載っている「卵」で有名な画家)は
自分の作品について、ある時こういいました。
「私の死んだ後は、作品がどうなったって知ったことではない。」

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