予想以上の国。


●初日 9/4(木曜日)

インドに到着 数時間前に目を覚ます。

乾燥した空気のせいで、目が痛いし、鼻の奥もつんと痛い。
痛いと、思ったら、鼻血がつつ〜〜っと 出てきた。


止まらない。
マイッタナ…

手元の、テッシュを使い切ると 近くのトイレに 駆け込んだ。
血を ポタポタ滴らせながら、鼻を押え止まるのを待つ。
止まったかな? と、手を放し、鏡を見る。
 鏡の 自分に微笑むと 鼻から、
タラっと、鼻血が出てくる。 あまりにも 情けないので 笑けてきた。

 これを 自笑と言うのか… などと感心しつつ、いくら経っても止まらない
 鼻血に、イライラして、こんな事はしないほうが いいのだが、
トイレ設置のテッシュを鼻の奥まで突っ込む、

鼻からテッシュを出して入国拒否されるのも なんだし   
それは、いくらなんでも かっこ悪いし… 
ということで、うまく 隠すように詰め込むと。
澄ました顔で、何事も無かった様に 席に戻る。
もうすぐ、着陸だ。

スキスキの機内で、スチュワーデス達が 何やら スプレーを噴霧し始めた。
ものすごく 嫌な臭いだ。 鼻にテッシュを 詰めていても判るほどの臭い。
八時間乗り続けて、むくんだ足で飛行機を 後にした。



うがぁ…   これが 空港…?
ちょっと、びっくりしてしまった。 何も無い…
PM4:20に インド 首都の デリー 郊外にある、
インデラガンディ国際空港に到着するのだった。



さて、イミグレーション。。。入国審査だが… 参った。 ガイドブックには、ライデングカードは 機内で 配られる と書いて あったのに。。 着陸前に、スチュワーデスのねーちゃんに、痛む喉に 鞭打って 聞いたのだけど。 「すいません、もぉないんですよ…」の 答え。 そりゃ…ないよ…… 空港に 置いてあると 思ったのだけど、そんな 所は有りそうに無い 入国審査の おじさんに 頂戴 と ねだる。 出遅れた。 俺が、入国審査を 通過するころには、日本人は居なくなっていた。 ガイドブックによると、 『一人旅の人は空港から、日本人どうしで、乗合タクシーで行くのが 良いだろう』 と書いてある。 まぁ、しょうがないか… 素直に、空港内の 銀行で、持参のドルを160ドル分、現地通貨 ルピーに両替した。 なにやら、きったない ちょっと、臭うお札 500Rs札を 主に 渡される。 が… ガイドブックによると、銀行でも 両替は 正当には 行われないので、 きちんと 確認する事。レシートを もらう事。などと、書かれていたので。 確認してみる…1Rs 足りない。 だが、なんか、もぉ疲れてたし。 1Rs=3.5円だし、もぉ めんちゃいよ… と言う事で。 せめて、レシートだけでも もらわねば…(渡してくれなかった…) ということで、渋る、行員に レシートを出させる。 ホントに、ここが 空港かいな… という、ガラスのドアを一人でくぐると、 ちょっと、戻りたくなってしまうようなインド人達の人垣が 空港から出てくるわしを待ち受けていた。 突っ切って、プリペードタクシーと言われる、 前払い制の 比較的安全(その分高め)のカウンターを 探す。 ドコダ!! インドは、予想以上 の国だった。 何が、なんだか わかりゃしない。。。 これが そぉ…なんですか?? と思われる、ホッタテ小屋 で、 ガラス窓越しに、乾燥した空気で ガラガラになってしまった、声を出す。 まだ、うまく、喋れない。 鼻に テッシュも詰まってるし。 メインバザール と言われる、有名な 場所を指定し。払う。 が、お釣は、5Rs足りなかった。泣き寝入りする。 近くの、タクシーのウンちゃんが、こっちに来い、と。腕を、引っ張り。 乗り込む。 あんまり、英語を喋れない(ほとんど 喋れない)運転手と、 なんだか、よく判らない 人も 助手席に のっていた。(彼は、途中で降りたが) 彼に、メインバザールに行くように 告げる。 地図によると、10Kmの 筈なのだが、1時間以上もかかる。 メインバザール。。。 インド初めての 俺は、ここが、メインバザール か どうかは 判らない。 だが… ちがうだろ… ここは… 訳の分からない、ごちゃごちゃ した所に タクシーは 止まると。 この、ホテルに、入れ。と、言い出した。 宿は、決めてなかったので、(メインバザールで 探すつもりだった。) とりあいず、ここが、メインバザールなのか? と確認して、ホテルに入る、 ホテルのおっさんに値段を、聞くと、400Rs と言い出した。 200Rs 前後を 考えていたし。 この、おっさんも ここは、 メインバザールだと言うが。 絶対違う! ひとり、何処で、降ろされたのかも、判らず、日も暮れる町に、飛び出した。 ここは ドコダ!! でっかい、リックをしょった、俺は目立つ。 ホテルの、客引きや。 何が、目的なのか 分からない インド人達がよってくる。 が、自分が、何処に居るのか、判らないし。。。 とりあいず。この、荷物を 置きたいし。泊まる所を確保しなくては…

部屋(著者近影)

ホテルの、客引きらしき、男に つれまわされ。
2〜3Km歩く。
なるべく、人の多いほうへ。 
栄えてるほうへ。と。

ホテルの門前で、断り続け 日がもぉ 暮れると言う所で、
ホテルで部屋を 見せてもらう。 せっまい 部屋。  

だが、もぉ、既に、見て回る 体力も 使いたくなかったし、
200Rs ということで チエックインした。


もぉ、メンドクサイし、なにも、考えられなかった。
厚み3cmの ベットマットに 倒れ込む。


厚めの コンクリの壁に、ペンキを塗った部屋。

テレビ と言われる物と、
エアコンだ と、自慢していた、ただの 送風機。

天井には、でかい扇風機が、
くるくる、回っていて、風で疲れてしまいそうだ。


窓は、床から2メートルぐらいの高さにある、
人が入ってこれないぐらいの、ガラスが入っているのか居ないのか、
なんか、よく判らない穴が鉄格子をくわえている。


ベットは ダブルの サイズだが、横になると、足が はみ出る 大きさで、
斜めに 寝て ちょうど良いぐらいだった。

入り口から、入ってスグ 木造 黒塗りが剥げているドアを開けると。
奥に、公衆便所のような 汚い 洋式トイレがあって、手前の、左側の壁には、
シャワーが、出るであろう、ノズル。


トイレ(著者近影)

あと、事前学習によると、これに、
水を、汲んで 水を流しながら、
けつを ふく?と言う 手桶。

そして、プラスチックの大きい白菜を漬けるような バケツ。

これらが、一本の 廊下のような薄暗い部屋に
薄汚く 置かれていた。



しばらく、横になっている と、うるさい、送風機が 止まり。
明かりも 消える。 

停電か…




風が無くなると 馬鹿みたいに 蒸し暑い。 サウナのようだ。
止まった、天井のプロペラは、これでもか! と言う具合に迫ってくる。


しばらくすると、廊下の方から?
(廊下と言うか、階段が螺旋状に抜け、各部屋に繋がっている。。。)

その、上の方から、ブロロロロロ〜〜〜ン と。
馬鹿みたいに、騒がしい エンジン音が 聞こえる。 


部屋の中にバイクを持ち込んだ 阿呆が 居るのかと思ったが、そうではないらしい。
明かりが、戻った。 自家発電らしい。
ほんとに、もぉ、日が暮れる。日が暮れる前に、せめてここはどこか。
それだけでも、確認しなくては。



鼻に、詰めていた テッシュを 抜くと。 流石に、血は 止まっていた。

ドアの上下に 掛けていた、カンヌキをはずし外に出る。
部屋を出ると自前の南京錠で鍵を掛け、暗くなった町に出かけるのであった。
タクシーから、ちらっと見た駅を 記憶、本能を 頼りに。歩く。

もはや、本当に参った。首都で、こうとなると 後が思いやられる。
私は、とんでもない所に 来てしまったようだ……



そこだへんに、ごろごろ 居る牛なんかに驚いている暇はなかった。



3Km ぐらい歩くと。確かに、駅。

何処の駅かは 判らなかった。

(後からわかったが、ニューデリーの駅であった。
泊まった、ホテルは、オールドデリー 側の中級ホテル街 らしい・・・。)



もしここが、ニューデリーの駅なら、
確か二階に… 外国人インフォメーションが…?

なんだか忘れたが、たしか 外国人用の窓口が…


二階に 上がる。


どこだか、判らず、うろうろ。。。。閉まっているのかな。。。うろうろ。。。


そぉ、もぉ 日は暮れ。インド人の 目の 明かりだけが ギラギラと光る 
それを頼りに道を進むしか無くなっているのだ。



途方に暮れ歩いていると。





「どうした、日本人? 俺はここの駅で働いている。 
チケット買えるとこ教えてやる、ついて来い。」




もはや、考える、脳みそを 僕は失っていた。
(後から考えると、どうしてこんな馬鹿なんだろうと、思ってしまう。)

連れられてきた場所は、なにかインフォメーションだった・・・

(事前学習が充分でなかったわしは、
そこが、イカサマ ツーリストのメッカだとは、知らなかったのだ。)



結局、ツーリストオフィスに連れ込まれる。
頭は、働かないし。体は だるいし。

隣の、インド人が 俺の、腕を引っ掻いて、白い肌が赤くなるのを見て。
俺が、やったんだ!と、自慢げに威張っている。
殺して やろうか…


インド人は 俺を逃がさない様にがんばっているのだろうか?
君が、女だったら、結婚申し込むのにとか、なにやら、もぉ判らない。
疲れてなくて、ここが インドでなかったら、殺している。

前提条件が多すぎる。
現実は厳しく、旅券確認するからパスポート出してなどという言葉に踊らされ、
何も、考える事ができない俺は、
パスポートなんかを預けてしまったり。


なんか、


「アーグラーに行く電車のチケットは取れない。
タクシーを、出してやろう。」


とか。



「アーグラーやめて、北のシュリーナガル行け。 綺麗だぞ。」


 
挙げ句の果てには、 ボートハウスの前で、水着で日光浴している、
白人女性の絵葉書見せて、


「ジキジキしたいか?」



ときたもんだ。 彼いわく、ジキジキ=SEX らしいが、
インドで覚えた最初の現地語がこの言葉だとは……。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− |(ちなみに、後で分かったのだが。 |彼の勧めた、シュリーナガルは地球の 歩きかた(98〜99年用) 曰く、 | |「シュリーナガルは紛争中のため、 |外務省から渡航自粛勧告が出ている。 |極めて治安が不安定で、外国人ツーリストが誘拐され人質に取られるなどの |事件が 発生しているので、デリー観光政府局などで、確認をとること。」 | |また | |「観光客が激減している。そのためか、ニューデリー駅や、その周辺で |『○○は今暴動が起こっていて行けないからシュリーナガルへ行くべきだ』 |などと言って法外な料金を取られると言ったトラブルが頻発している。十分 |注意しよう」 | |とある。 ようするに だまされる、寸前だった。) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
俺は、早くこの町を離れたいと 思ってたので、 次の目的地 アーグラ(タージマハルがある)に 行きたい 事を伝え、 電車のチケット を取ってもらうように頼む。 しかし、電話でのやり取りの結果・・・電車の席は取れなかった。 明日 夜8時のしか空いていないという。この電車は、夜中に アーグラに着くから 危ないと、彼等が 止める。 確かに、深夜にこんな、町に放り出されたら嫌だ。 もぉ いや… 俺にも電話で交渉してみろ、と言われしてみたが、ホントに席が無いという。 (だいたい、何処につながっている電話だかわかったもんじゃない… 彼等には好都合だったから、俺に話をさせたのだろうけど。) 彼等、いわくの 「おれたちは、駅とビックコネクションがあるんだ!」は、 あっけなく 砕け散った。 甘すぎる、チャーイを 飲まされながら、コカコーラで ご機嫌を 取られ。 ホントに、頭は停止していた。 パスポートを 見せろ。というので、渡した俺が、馬鹿だったし。 だいたい、なんで、渡したんだ? だいたい、お前は、なんでそのパスポートを 引き出しに隠しているんだ? 12$の電車の チケットは 取れなかったと言う お約束のもと、 というか、彼等の、真の目当てタクシーが出てきた。 「さっきの12$を、含めた 72$で、 ウチのタクシーをアグラーまでだしてやる」と言う。 高すぎる。 が… 断る元気が無い。 結局、まけさせて67$にした。 たいして、安くなってないけど。 彼等の勝ちだ。 俺は、負けた。 俺は、弱ってる、君たちの勝ちだ。 と、もぉ やけくその セリフを言うと。 金を、現金で払う。 君は 弱く見えないよ。 という、店長? と、 俺の隣で、さっきから俺にちょっかいを出している (俺を、逃がさないためのガードマンか?) インド人も、そんな、事を言う。 うるさい、頭が、働かないんだ! 力比べをしたいのか、自分の強さを誇示したいのか、 握手のとき力をとことん入れてくる、 この兄ちゃんの手を容赦無く潰し返すと。 せめて、おいしく 食える所でも 教えてもらおうと、飯屋を 教えてもらう。 隣の 飯屋を 紹介した… ふん。 壁に書かれた、ヒンドゥ語のメニューなんか、読めない。 隣のお兄ちゃんが、 「俺が食ってるのはおいしいぞ」 と、ゼスチャーを するので。 同じ物を くれと、ウエイターに 頼む。 チーズカレーらしい。 辛すぎる。 それだけ。 それ以上、感想はない。 チャパティだけ食って 帰って来た。25Ru 流石に。 もぉ 歩く気も無い。 水を 買うと(12Ru)、 オートリクシャーと呼ばれるインドでは 極めて一般的な乗り物を捕まえて、 (※オートリクシャー: 宅配のピザ屋のようなフェイスで、屋根には皮を貼ってある三輪車。 後ろの座席に、二人ぐらい 乗れるかな?って感じの乗り物。) 35Ruとい うところを、30Ruに負けさせて ホテルまで 送ってもらった (※ホテル名はPASH: 念のためフロントで住所なんかを書かれた、カードをもらっておいたのだ。) が。相場を、見ると30Ruは高すぎだ。 20Ruだけ払って 帰ろうとしたが、止められた。30Ru 払う。 早く寝たい。 509号室の この部屋は、どう考えても、4階だ。 ( イギリス式で、3階と言うのなら まだ、判るが…) 牢獄のような部屋で、ホントに、明日朝の 7時にタクシーが 迎えに来るのだろうか… などと、少し考える… だが、もはや。待つしかない。 シャワーと言う名を 付けられた、その、ノズルは、まるで打たれ湯。 もちろん、水しか出ない。 次回から、もっと、考えて泊まろう。。。 そのためには 休まねば。 お休み。
インドでの 初めての 安心は、駅で 見掛けた 『ヤモリ』が日本と 同じだった事。 停電を、するたびに階上から ディゼルエンジンのような爆音がして目を覚ます。 送風機は、うるさい。 が、止まると、暑い。 ちなみに、止まらなくても 暑いので、30分おきに 目を覚ます。 今は、AM3:30分 目が覚めて しょうがないので、再び ここで落書きしているわけだ。 空港を降りたとき もしくは、町中を歩いてるときに思った事だが、 インド人は 鉛筆を 削った 削りカスのような 臭いがする。 それとも、カレーの スパイスの 匂いなのか? とにかく、明日はもぉちょっと良い所に泊まって、この旅を立て直す 必要がある。 (もぉ少し、落ち着かなくては。) とにかく、明日のタクシーが素直にアグラーに向かってくれる事を祈る。 (辺鄙な所で、車を 止められ、 『料金はここまでだ。追加料金を払え!』 …ということも、あるらしい。)
空港のプリペイドタクシーのカウンターで、 インド人が俺の名前を聞くので、言った記憶がある。 日本人以外に自分の苗字を名乗って聴きとって貰えた事がないので、 案の定といえば案の定なのだが、俺の名前は、 Groves(グローブス)と、なっていた。・・・微妙。 「手袋ども。。。」ですか… 僕は。 せめて、Glovesにして欲しかったな。 まぁ、なんとなく、判るけどさ。グローブスねぇ… まぁ・・・。なんとなく・・・。グローブス・・・ねぇ・・・。
編集注: ちなみに、この日記(?)は 現地でノートに書いたものを日本に帰国後、 ほとんどそのまま打ちこんだものです。 この日記の前半は、HPに公表する事を 前提に 書き始めたものの、 なんか、訳判らない事になっていたので曖昧な記憶を頼りに書き変え、 もしくは、書き足した部分があります。 それにしても一日分なのに長いですね・・・・・・。 更に編集注: 当時の私は文章の途中をやたらと句読点や、スペースで区切るのが好きで、 やったらめったら文章がブちぎれたあげく、 日本語としての主語述語修飾語が前後入り乱れているので、 あまりに読みにくいところはちょっと大人になったKrが修正しました。
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