三人目のインド人


●二日目 9/5(金曜日)
起きていたというか、起きたというか、よく判らないまま朝を迎える。
白黒テレビをつけてみるとNHKビバリーヒルズのようなセットで
ドラマ仕立てでWinows3.1の説明をしていた。

服を全部脱いでシャワー。
ついでにインド式のトイレに挑戦したが難しいっすよ コレは、早くもあきらめる。

約束どうりに、7時にホテル(?)のロビーに降りていくと、
ホテルのおっさんは既に、ちっこいカウンターの中に座っていた。
それと、よく判らないアラビアンなインド人達が椅子でどがぁ〜〜〜っと寝ていた。
この人たちは なんだろうと 思いながら チエックアウトを済ませる。


タクシーは来ていた。よかった、一安心。
運転手と称する人物が二人も居る事が気にはなったが、
昨日空港から ここまで来たタクシーよりは まともだ。
タクシーと言うか、ワゴン車だけど…
ちゃんと、車のメータも生きてるみたいだし。


デリーの郊外に向かうと、意外と駅周辺より 整然としている。
ちゃんと、道は舗装されているし、道は真っ直ぐだし。
車はちゃんと走るし。

州境で その、タクシーとやらは、検問にひっかっかってしまった。
なんか、こっぴどく 警官に怒られているようだ。
もぉ 一人が、俺に
「税金で 怒られてるんだ」
と説明してくれた。。
なにやら、窓ガラスに 電動カッターで、数字を刻み込んでいた。
う〜〜む。。。。

この検問がなかったら俺は死んでたかな。。。?

わからんが。


高速と、彼等が呼ぶその道は、確かに 俺が予想してた物よりも よかった。
たしかに、電車では見られない風景だし、
こうして、ろくすっぽ言葉が通じない 二人のインド人と 
車に一緒に乗っているなんて、誘拐でもされなきゃ、
普通は味わえない心境だろう。


道の 脇には なにやら、黒いぼろ雑きん見たいのが たまに
(よく?) 落ちている事に気が付く。


う〜〜む。

なにか、動物の死体らしい。

ただの、ゴミのような固まりの中、確かに あばら骨らしき ものが確認できる。
はねられたのだろうか?
道路を 脇を ひょうひょうと、牛を追う人。 ヤギを従える人。
中には、車が減速をせざるを 得ないような 状況の場所で、クマに芸をさせている人。
そのクマに、引っ張られて 歩く人。
サルを引っ張って歩く人。
もぉ、何でもありだ。


時々、崩れそうな 建物の壁に デッサンの崩れた 手書きの 看板を 見る。
幾つか、自分の知っている ものも、あった。
(看板なのに向こう側が透けて見える、布に書いているのだろうか…?)

韓国の三星電気(サムソン)  昭和シエル   バイクとしてのHONDA。
そぉ、言えば、空港からの道には びっしりと、
Konica とか、コダック とかの カメラ関係が目立った。

これは、広告じゃないけど、車では、MITUBISHIと書かれた、
白い軽が結構走っていた。MALUTIとも 併記されていたので、
合弁会社なのかもしんない。



「朝食 どうする?」

と聞かれたので、
「任せるよ。」
と言うと。
2〜3時間走った所で、道端で営業しているインドの ドライブイン??に入った 
…と、言っても、舗装された道の脇の地べたに 
ホッタテ小屋とテーブル、椅子をならべただけだけど。。。
トラックのあんちゃんとかも、一休みしている。

ここでは、辛くない物を と彼等に言うと、彼等は、


「カードはどうだ? 」
と言う。
何の事か判らんが、食えるもんがでてくりゃいいさ、ということでカードを頼んだ。
トランプが出てこないことを祈るのみだ。


Curd と いわれる その食べ物は、
その他のカレー同様、チャパチィ(ナーンの低級品)をつけて食べる物で。
要するに、ヨーグルトだ、これに 好みで 胡椒なんかを掛けたりするらしい。


にしても、ハエが多いな…
ここでは、チャパティ、ナーンの 代わりに 「プラタ」と言う物を 食べる。
これは、その、チャパティに中に、玉ねぎ、ジャガイモ 
などの適当な野菜を入れて、おそらく 油で火を通した物だと思う。

うむ。これなら、おいしく 食べられます。

がしかし、そんなに ガツガツと 食べれないのであった。
ゆっくり、食事をとってると、あたりが騒がしくなった。



ケンカだ。



ガイドブックには、
『インド人はとても穏やかで殴り合いのケンカなどはしない』
と 書いてあったが…


どうみても、殴り合いだ。
もぉ、野次馬だらけ。


おれが、想像するにケンカの、原因。
彼等は多分 店の 右側と 左側で それぞれさっきまで たばこ?を 
売っていた奴等に違いない。
さっきまで、インドのポピュラーソングをガンガンと、まるで、

「こっちの、方がいいべ!」

「なにおぉ〜〜!!  おれは、こっちの方が いいべ!!」

と、スピーカ合戦をしていたのが 
ついに 肉弾戦になったものと、考えられる。





が、二人とも ヘッポコだった。




う〜〜ん。インド人…  ターバン巻いてる奴等じゃなけりゃ、
なんとか なるな。。。。などと、思うのであった。


(ちにみに、インド人の大半は ターバンを巻かない。
 ターバンを巻く民族はアーリア人の血が濃い特別な民族、
いかつい体格をしていて、用心棒などとして海外に進出してきたので、
インド人と言うとターバンと言うイメージがあるが、大抵はそんなことはない。)


ドライブインを後にして、しばらく走ると油田が あった。
まぁ、どうでもいい事だけど。なんか、緑の林の奥に 
空高く伸びる 煙突。
その先に、炎を爛々と 従えていた。
周りには、耐久年数を大幅に越え今にも壊れそうな、
もしくは 既に壊れているタンクローリが沢山持ち構えている。


この 道が 以外と綺麗なのは この油田があるからかな? 
などと考えてみたりもする。
所々、工事中のため道が一車線に ぐわぁ〜となっていてる。
「ホーン プリーズ」と書かれた、トラックのけつを眺めながら、
クラクションを プップーっと鳴らしながら、トラックに道を 譲ってもらう。

馬車を追い越そうと対向車線に入ったトラックを、
クラクション一つで、事故も起こさずに二重追い越しを 
かましてしまう インド人に 脱帽さ。
こっちの、クラクションはウインカー替わりに、
そして、ハンドルよりも良く使用される。






もぉ、アーグラーだよと言う。
車は雑踏の中で一人の男を 拾った。
運転手が 俺の親友だと言う。


とうとう、インド人は3人に増殖を開始した。

部屋からの風景(著者撮影)


そんな、こんなで、
もぉ どうにでもするがいいさ状態の俺を
タクシーは 「GYPSY 」ホテルに
チエックインさせる。。。時間は12時前後。
シングル300Ru
昼メシは ホテルで、
30Ruの カレー味のチャーハン…






……ふぅ
今日の出足はよかったんだ。
だが、後半がまずい。
車は約束どうり来てくれたし、乗り心地も 良かった。
いろんな、ものもみれたし。
ただ、彼等が、TAX(税金)だか、TAXI(タクシー)だかの、
話をしだした所で 話が ややこしくなってきた。


三人目のインド人。


これの 登場が なかなか…
罠に 落ちていく俺。

彼の名前は「カーン」KAHN  
彼いわく、ボンベイ生まれ。
自分は、ウソもつかないし。酒も飲まないらしい。と言っていた。
この人なかなか、教養のある人だ。英語がちゃんと話せる。
言葉が通じるようになったので、ある程度うれしい。

なんでも、政府の観光局のオフィサーで親父がアグラーの警察のボスらしい。
彼は、各地の研修で、いろんな所を 転々としているようだ。
また、彼自身警官の証明証やら 政府のなんとか かんとかやら、
見せてくれたが、、、、、

なんと、いったものか…
矛盾だらけだな…  だが、指摘はしない。。。指摘はできない。。。
おいらの、現在の状況が 不利だから。。。

ホテルは地球の歩き方政府観光局お勧めのコーナァのところ。


流石 政府の犬。


部屋を見て綺麗だから、チエックインしてしまった。
確かに、彼はここのお偉いさんらしい。
よく判らんが。

白亜の御殿タージマハル(著者撮影)
カーンのお奨め撮影位置より


もぉ、任せてしまえ状態。

いまさら、どうしょうもないし。
タージマハルにいった。
二人はタクシー係として。
一人はガイドとして。




ガイドのカーンいわく、ここにダイアナが来たらしい。
というか、知ってるよ。うんな、ことに俺は驚かん…
彼女が死んだ事が悲しいんだそうだ。
というか、彼が言うのには、




「自分がダイアナの観光プランを立てて、タージマハルを案内した」
と言うのだ!!!!


腹の底では、大爆笑して、ふざけんなオイ! と、胸座掴んで、


「何処のベンチに座ったかまで 俺は知ってる。おまえも 知ってるんだろ?」



と、言ってやりたかったが… 上っ面だけ、驚いてみせる。

-------------------------------------------------------------
| 追記:当時ダイアナ皇太子妃がフランスで亡くなり、
| テレビでは連日ダイアナ特集を組み、
| その中で、インドに来訪された時の映像がよく使われていた。
-------------------------------------------------------------

なんでも、特別にタージマハルの内部を カメラ撮らせてやる と言う事で、
カメラ持ち込みライセンス300Ru取られた…



折角なのでタージマハル撮影会(解像度は低いです。)

タージマハルを前に疲れてる若造(カーン撮影)

タージマハルはインド人も観光にやってくる(著者撮影)

カーンのお奨め撮影位置はこんなところです(著者撮影)

たぶんお金持ちのご子息達と(カーン撮影)
馬鹿か。。俺は。。。。。。 そんな日記をホテルの部屋で 書いていると カーンが入ってくる。 電車のチケットを買ってやるからという、名目のデスカッション。 電車のチケットを買うために、荷物をまとめろと言う。 安全のためとか、何とか言いながら、 奴は俺の荷物を 全部調べていきやがたった。残金まで… しかも、時計交換していくし… これって、ヤバイ…? というか、彼が言うには 俺は自分の お金の事を 心配しなさいと言う。 おそらく、ガイド料で ふんだくろうと 思っていたが 思った以上に 俺が 極貧で、カードも 持っていない 男だと 気づいて ビビったようだ。 が…一番 ビビったのは 俺だった。。。 お金が もぉない… そぉ、それも ぼられすぎたせいだ。 金銭感覚が、日本のまま 抜け出せていない上に。 サイクルリクシャーで 10Ru、20Ruぼられているうちはいいが 単位が「$」となってくると、話が違う。。。 タージマハルに俺を 連れていた カーンは この建物を 作った 人たちの 子孫が 働いている その作業現場を 見たいか? と言う。 確かに、作品の 創作の現場は 見てみたい。 しかし。 俺が、期待していた物はなかった。。。 インドに 似つかわしくないほど、クーラァが ガンガンに 効いた ショーケースの並ぶ 部屋に 連れ込まれるのであった。 「ヤスイ ヤスイ チープ チープ」 の世界。 やたらと、ハイクオリティを 連発する。 何処が。。。? 宝石を多く見せるが、 一時期「何でも鑑定団」で鍛えた この目利きは 厳しい。 それに、元々、そんな 物には興味が なかったのだが。 なんか、買わなきゃ 出してくれなそう。 (まだ、ここらの 心境が インド二日目) 一番安い奴を 10$に値切って、腕輪を買う。粗悪品だ。。。 その中で一番 まともなのを、選んだのだが テイネイナ日本人はそれでも NOと 言えないのであった。 絵なんか、裏から見ると赤の下書きの線がありありと 見える。 確かに 手書きだけどさ…フン どんな 物を 見せられても透かしてみたりして、 おもてを見ない俺をなんか店員は嫌がってた。 その店には 俺よりも 先客で俺が 帰るときも まだ居た 「金髪にしてます」系のジャパニーズが居たが… 彼は、なにを悩んでいたのだろう… おいらは、新宿の夜店で買う程度の気持ちで 10$出してきてん。 が……… それで、終わったわけでは なかった。 宝石の次は… 石細工。。。。 さらわれていく…… ここは、政府公認の所だから… とか、何とか言ってたが 政府の犬めっ! 税金 掛からないよ とか 抜かしていたが、 流石に 石なんか 持って歩けるか! ってことで、直ぐに出てきた。 石細工のオッチャンが 「空手や 柔道を知ってるか?」 と聞くので知ってるよと言うと。 「自分はグリーンベルトだ!」 と、威張り散らす… そぉ言えば。昔、香港の子も 同じ事言ってたな… なんだよ、緑帯って… どちらにしろ、知るか!うんなもん。かかってこいや! と言う事で、押しのけて 出てきた。 さぁ、もぉ 帰ろう。 と… 思ったら…… 次は、カーペットやと来たもんだ。 興味がなかったし、カーペット買って どうするんじゃ! と言う事で、聞き流す。 でも、つくる工程のデモンストレーションだけは、 マジマジ見させてもらった。 先客で居た 白人は何かしら 大きな カーペットを買わされていたが、 俺はそんなに 金を 持っていないと 判断されたのか、 最初から 小さなカーペットから始まった。 しかし、それを説明する カーペットデジャイナー27歳が しつっこい。 (彼の発音をそのまま使わさせてもらう『デジャイナ〜』だそぉだ。) で、話題を逸らすために、もっと、小さいの。 もっと、小さいのとか言うと。 最終的には、手ぬぐいサイズまで小さくなった。 ここまで、やらせておいて。 「カーぺト要らない」 「サリーが見たい」 と、わがままを 言い始めて、無いなら 帰ろう。。。 と 思っていたのだけど。 あるみたいだ。。。 案内してもらう。 クルタ パジャマを 着てないと 次の目的地 バナラシでは、 二倍の料金を請求される とか、何とかで。 結局。サリー。クルタ、パジャマ。それに、スカーフのおまけつけて。. 50$をトラベラーズ チエックで 払った。。。 高い買い物だ… そぉ 言えば 昼飯の お代を わざわざ 部屋まで 取に来た ホテルのボーイの少年は 30Ruのチャーハンと 10Ruのコーラ の 代金として 60Ruを請求してきた。 それにくわえて、4Ru言われるがまま チップを払った 俺は馬鹿だ… ハン… タージマハルでも、花を撒け 言われて、撒くと 子供たちのために、 と言う事で 110Ruも 寄付させられた… もぉ、俺は 馬鹿なんだな。 ウガァ。 タージマハルで、「こんにちは!」と 声を掛けた 日本人の 二人娘は インド人3人に囲まれている俺を みて何と思ったのだろう… 市内のプライベートタクシー料として、 いままで運転してもらった二人組みに… 500Ru 払う… そして、チップを よこせと言ってくるんだ。 どうやら 「Are You Happy?」 としつこく 聞いてくるのは それが 目的だったらしい。 10Ruづつ、払ったら 少ないと いわれた。 チップで 少ないと 言われるのは 初めてだ… ポケットに入っていた、お金を全部くれてやった。 二人で150Ruぐらい あげたかな。。。。 片方の 三ヶ月前に 子供が生まれたと言う奴は 要らないと言って、 最後まで受け取りを 拒否していた。 まぁ、結局もっていったけど。 これくらい、謙虚だと好感が持てるな。 だども、二人とも 「君が ハッピーじゃなければいいよ」 と、遠慮してたのだけど、カーンが俺が 金を勝手にしまうと、 「君は サリーを 買ったから HAPPYだ!」と ぬかしよって。。。 そぉだ! 俺はHAPPYだ! と言う事で、快く受け取ってもらった。 はたして、カーンは 一体どれほど ふんだくるつもりなのだろうか… 気になってしょうがない。。。 二日目にして、こんな感じか。 はたして、二週間持つだろうか… 全財産 1000$のうち。。。。 すでに、400$近くが消失している。。。。 ねーちゃんから、餞別として もらった、「蒸しパン」は つぶれて、ちぎれまくって、ホテルのごみ箱に 消えていった。 まだ、二日目、寝ぼけるなよ! ところで、三重県でパスポートを 取得した 中@ 敏@ 様 あなたのインド人の彼が 待ち焦がれております。 まぁ おかげで手厚くもてなされましたが・・・
△ TOP □ MENU