COLUMNS MENU |
023 | 道路の値段 | 2001/11/10 | |||
|
高速道路は完成から30年後には無料になる。
高速道路という建造物自体の利用が有料なのは世界の中では異例のことだ。
自分の記憶では日本以外には香港とあと2ヶ国ぐらいだと聞いたことがある。 高速道路であると言うことがサービスであるので自分としては戸惑いはないのだが、 問題とすべきは有料で料金を徴収するサービスを国の税金で建造しているということ。 昨今、第二東名・名神高速道路の建設の是非というのが話題になっている。 建設するべきか、しないべきか。という議論ではなく、 建設を続行すべきか、即時中止すべきかという議論である。 日本はほとんどが山岳地帯であるために、要所要所で迂回路を確保しなくてはならない。 山のどてっぱらに穴をあけて車が通れるようにするには一体どれほどのコストがかかるのだろうか。 道路公団の発表によると第二東名・名神高速道路の建設予定費は9兆4800億円になるという、 国の租税収入が50兆もないこの国で、 経済を発展化させるために、今更道路にこれほど巨額の資金をつぎこむのはいかがなものか。 問題はなにも建設中の高速道路だけではない。 日本中に道路をつくり、それを保持していくには意外なほどコストがかかる。 総延長100万キロ以上ある一般道路を、ひび割れがないように年末になると ほじくり返して平らにするのに一体幾等掛かるのだろうか。 これら公共事業は民間の景気を底支えする為いままで巨額の資金を投入してきた。 トラクターしか通らない寒村部にボーリングが出来そうな道路が出来るのも 今までは非常に重要な意味があった。 さて、ここまで来て日本はジリ貧に陥っている。 時代の流れが変わり、景気対策の為に行われてきた公共事業というものが、 通常の財源を脅かし居るのだ。 高速道路を創れば、民間も有意義に利用を行えるし、財源も確保することができる。 みんなで笑顔ニコニコだ。 そんな時代は終わった。 あまりに甘い汁を吸いすぎた一部の人たちは、 チーズは既にそこには無いのに、無くなったチーズは何処に消えた?と、 いつまでも座りつづけたまま、単純に高速道路利用料金の値上げを行い、 道路をつくらなければ景気にが冷え込むと、 既に冷えた景気の前で大義名分を掲げようとする。 民間に負担をかければ一時的に日本道路公団は儲かるかもしれないが、 確実に物流は冷え込む。 物流は物価にハネ返り、日本国内の工場で生産するよりも、 海外で、例えば中国でフリースでもつくり、船で運んできた方が安い。 なんて事態になる。 道路で千キロ移動するより、道路を使わないで一万キロ移動する方が安いのだ。 かくして日本国内の製造業は衰退の一途を辿り、 全ては人件費が安い海外の所為にしようとする。 問題の根源は物流だ。 定期的に崩壊していく道路を維持するためにはお金は流出しつづける。 甘い汁を知っている人はその利権を命に代えても手放そうとはしないだろう。 一体いつの時代まで我々の移動手段はコロコロ転がる車輪に頼らなければならないのだろう? ライト兄弟が飛んでそろそろ100年が経とうとしている。 コンピュータはどのように進化するだろうか。 シーマという車は東名間であれば、ほとんど人間の操作ナシに辿り付くという程の仕様を発表した。 現実的な問題として。 人類が滅びない程度に環境を維持し、繁栄していくには。 人口増加の問題もあろるが… 生産性を2倍にして、効率を2倍にしなくてはならない。 要するにムダを1/4に減らせということだ。 そぉすると、明日も見えない途上国にまで生活に余裕ができる。 全体として日本やアメリカでは生活は質素なものになるかもしれないが、 地表をアスファルトで覆う為に地球の資源を僅かな期間で食いつぶして いいのだろうか? 未来が今より豊かになっているという前提で、 自分の未来に借金するのは流石にもぉ限界なんじゃないかな。 人間はもぉ終わりか? |
||||
□ MENU □ |