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030 お隣の中華人民共和国@ 2002/03/17

中国がスゴイ。

2001年の国内総生産(GDP)は9兆6450億元(約145兆円)に達し、成長率は7.4%になるとの見通しを明らかにした。昨年の成長率8.0%を下回るが、曽主任は「世界、特に米国の経済成長が減速するなかで容易でない成果を上げた」と評価し、積極的な内需拡大策などが功を奏したとの見方を示した。引用:朝日新聞

あなたは中国の現状についでご存知だろうか? 日本が不景気だっ!と自ら認識するに至って10年が過ぎた。 その間に日本の現状はどれぐらい変化が起きただろうか?
・インターネットがつかえるようになり便利になった。
・携帯電話が普及して写メールの次はムービーまで送れちゃうご時世になった。
・自動改札なんか、触れるだけで通過できるよ。
・洗濯機が静かになった。
・コンビニがなんかいろいろ便利。
・衛星つかってカーナビさ。

うんぬんかんぬん。うん。ずいぶん変った。便利になった。
さてここで問題です。 ではこの中で、中国では実現できないものはどれでしょう? ・・・。資本さえあれば実現できそうなものばかりですね。 というか、規模はともかく既にあったりします。というか中国でつくられてます。 日本に中国にたいするアドバンテイジは・・・資金と技術力だけです。 さて、今、中国はどーなっていますかな。 5年前中国を北京から上海まで旅した私の感想。

上海は東京より都会だ・・・。

例えば東京を歩いてもらえば判ると思うが、日本の都市には計画性の欠片もない。 新宿の高層ビル群なんかは向きがバラバラだが、 大地震が起た後を想定して道がひけるようになっているという話まであるぐらいなんの脈絡もない。 例えば成田に出るのに2時間かかったり、車で20km進むのに1時間かかったり。 駅のホームは人でごったがえしてるし、街中にはペンシルビルがひょりょひょろ立っている。 空を見上げれば淀んだ空気。ヒートアイランド現象は年々深刻で、 郊外との気温差は10度にまで上がってきた。 ようするに便利かもしれないが都心は住み難いんですわ。 郊外は郊外で、国内の道路舗装率は90%を越すが、じつは下水道の普及率は50〜60%!? 公共事業ってなんだったんでしょう・・・。

新宿から電車で35分ぐらい離れたところに立川って町があるんだけど、 ここ、わずか数年でガラっと変った。驚くぐらい変った。 近代的な街並みになって、まだ店舗とか面白いお店とか少ないんだけど、 新宿よりは近代的だ。少なくとも将来性を感じる。(駅周辺から一歩外れると偉い田舎だが…。)

上海はそんな感じなのだ。 近代につくられた街なら、その全貌が近代的なのはあたりまえ。 最近は重機も進歩して一年もあれば立派なビルが建ってしまう。 土地さえあればね。でも日本にはその土地がない。 だから道は入り組んでいるし、ビルは細長い。 緑地を確保することもできないし、 区画整理と称して住民を追い出さなくちゃならん。

まぁ、そんな日本が経済大国世界第二位までになったのは、 その勤勉さとか、技術力が高いからだとか言われますよね。 資金も流失しつつある現状、 日本人には技術力がすべてという部分があります。

だけど、最近そんな技術という面で強敵が出現してきています。 中国でごじゃります。近年の経済誌で度々取り上げられる中国脅威論ですな。 日本の企業が行って、技術支援をしているんだから、中国の技術があがるのは当たり前です。 人の技術力があがるのは相手が勉強しようとしている限り止めようのないことですが、 日本はこれが見えていない。中国はいつまでも中国だと思っている。 いや、中国だけでなく、東南アジアがどれだけ勉強して技術力をあげているか気が付いていない。 いつまでも人民帽を被って自転車に乗っている・・・そんなイメージなんですな。

だけど、技術供与が比較的簡単な農業や畜産ではっきりと影響が現れだした。 まだ青果は難しいけど、冷凍食品だったら中国で作れる。 工業製品だってそうだ。 国内の工場で作るよりも数千キロ離れた中国から海を越えて、 えっちら運んできた方が遥かに安い。ユニクロの服を見ればよくわかる。

なんで安くつくれるか。なんで日本で作ると高くなるか。 それは人件費の一言につきる。
社会人二年目の俺はボーナス含んだ総支給額で300万ぐらい。薄給だ。 なかなか若い者にしてはデキる俺だけど、それでもまだまだひよっ子だ。給料は安い。 そんな俺と、中国を代表する4大国営銀行の幹部。どっちを雇う? って聞かれたらどぉする? どっちを雇っても350万ぐらいでいいよ。って言われたらどぉする?
そりゃ幹部を雇うでしょ。(場合によるだろうけど。) 銀行の幹部ですら、年収は3600〜4350$なわけですよ。 普通の人の賃金は日本の2〜30分の1。内陸部だともっと低い。 そんな人間が日本の十倍いるわけです。

例えば私はコンピュータのプログラミングとかを仕事としているが、この仕事。 そのまま中国に持っていって1万円でやって貰えるとしたらどおしますか? 俺はその人を管理するだけでいい。 俺の月給のうち10万円を投資するだけで10人も雇えちゃう。 自分の生活費も確保される。これは一体何を意味するのでしょうか。

2002年1月。中国のGDP(国内総生産)は世界第6位になった。
日本は第2位。日本円の実質価値160〜170円で考えると、日本は第7位まで落ちるといわれています。 逆に人民通貨『元』は・・・、切り上げを行っていません。一体何が起ころうとしているんですかね。

もっと色々書きたい事が山ほどあるのだけど。 今回はここまで。続きはまた今度。



最近読んだり買ったりした中国関連の本。
・本当は中国で何が起きているのか
・やがて中国の崩壊がはじまる
・中国へ出るか座して淘汰を待つか
・中国古典「一日一話」
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