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036 日本経済瓦解 2003/03/20

只でさえこの不景気で疲弊している世の中に対して、改めて暗い話をするのはどうかとも思う。 しかし、現状を知り危機感をもって貰いたい。 ひいては安易な希望を抱かず、絶望して貰いたい。 そして問題と向き合う覚悟をしてもらいたい。
一個人が喚いてもどうしょうも無いけど、喚かずには居られないというところ。
時は株価が8000円を割り込み、 世界情勢の不安で円高になり116円台に突入した時代に警鐘を込めてこれを記そう。 杞憂であらんことを。

日本という程生ぬるい国はない。
私はこれが好きだ。時として煩わしくもあるが、市民として生きていて、 自分が所属する国や組織をこれほどまでに認識する必要がない国は世界に類をみない。

さて、この国が危機に陥っていることは、うすうす皆さん感じていることだと思う。
かれこれ、ずーーーーっと危機なので、なれっこになってしまった感があるが、 ぽかーんとしている間に既に抜き差しならぬ事になっているのには改めて気が付かなければならない。

この時期に危機というと、北朝鮮、イラク、アメリカと言った物理的で暴力的で野蛮的で うんこったれな戦争などという問題外の行為を思い浮かべるが…、 これは対外的な危機という事で今回は隔てて考えたいと思う。

日本が直面しているのは誰かの所為にできるような危機ではなく、 ばかどもが裏で好き勝手やってきたツケが連帯保証人である国民のあなたに降り注ぐというものだ。


日本の紙幣が紙切れ同然になると真剣に考えている人たちがいる。


紙幣というものは日本という国が補償するからそこに信用と価値がうまれる。
では、日本が発行する紙幣に信用がなくなったらどうなるだろう?
かような国の紙幣はパンを一枚買うに札束を積まなくてはならないような状態になる。
ハイパーインフレーションである。

日本紙幣がダメになると考える人達はなぜそのように考えるのだろうか?
(※バックナンバーに日本が発行する国債について触れた記事があるので読んでね。)

わかりやすく今の日本の状態を言うと、
中年サラリーマンがリストラされて年収300万になったのに、 毎年600万を浪費はやめられなくって、ついに借金が1000万に膨れ上がっちゃいました。
どうしましょ?変わりに借金返済しといてくれない?

というような状態なのです。
国なのでスケールは百万倍の兆単位ですが…。
百万軒の家庭の収支がそんな状態に陥ってると考えると判りやすいかも。

ぇ。俺の生活そんな苦しくないよ?
それは借金の上に成り立ってるガケップチの生活なのだ。
さらに話は続く。
日本に借金がある?日本銀行が紙幣を発行するんでしょ?
だったらそんな借金、お金を印刷して払っちゃえばいいじゃない。
どうせ紙切れなんだから…。

こーして、デフレの時代は幕を告げ物価が急上昇するインフレに突入する。
事実、日本政府はかさんだ借金をなんとかしようと、 目標値をきめてインフレにしようと画策をおこなっている。

支払えないのだから、じゃー…なかった事にしてくれませんか?
という訳だ。日本の自己破産だ。
歴史を振り返ると混乱の始まりに必ず徳政令ちゅうようなものがある。
当然、公務員の給料もでなくなりゃー、企業もばったばった死に絶える。

平均株価が8000円を割り込んだ。
10000円を割り込んだときはあれほど騒いでいたのに、 8000円までくるとさすがにみんな黙り込んでしまう。
これが7000円を割り込むと、銀行が自己資本率の維持ができなくなり…(以下略
まぁ、これは祈るばかりだ。
これに対して、日本政府は日銀に日銀の資金で株を買えと強く圧力を掛けている。 日銀がお金を発行するところであるのだから、そりゃ、いくらでも買える。
株式会社?官営企業に逆戻りじゃねぇの。

余談だが、うちのおとーちゃんはこの時期に株を買って社会貢献しているらしい…。
幾ら損したの?と聞いたら、俺の年収分ぐらいが消えたとホザイテオッタヨ。
俺の一年って…。
ま、そろそろ腹を括らなけりゃいけないお年頃になってきましたねみなさん。

さて、世界には格付け会社なるものがあり、 企業の財務などをチェックして投資家にその評価を教えることを生業としているところがある。

当然、日本財政の放蕩さは呆れられ、 日本政府が発行する国債には発展途上国並みもしくはそれ以下の評価になっている。

この評価に対して、財務省は
外国格付け会社宛意見書要旨において
 貴社による日本国債の格付けについては、
 当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、
 更なる格下げは根拠を欠くと考えている


…。と言う意見書を出したらしいのだが、
日本の民間企業がもつ経済力と日本財政を混同しちゃぁいませんか?

ま、そんな格付けはどこの空、個人投資家向け国債は売れに売れています。
じーちゃんが昔話をよく語るんです。
戦争前毎日国債を買いに出かけてたらただの紙切れになっちゃったよ。と。


日本は世界一の個人資産を溜め込んでいる国。
町工場が持つ技術力が世界に通用する力がある国。

日本の紙幣は紙切れ同然になどならないと真剣に考えている人たちがいる。

居心地のいい国だと思う。
この雰囲気はセカセカした合理YesNo主義に打ち崩されたくないと思う。

…。
既に日本の財政は追い貸し状態で、 借金の利子の返済の為に借金を行う、雪だるま状態であるのは誰も否定できまい。 節約でどうにかなる時期はもぉ過ぎた。

サラリーマンの税の全体の41%は、国民のうち5.5%%しかいない 年収1000万以上の人たちが納税したものだ。(2000年 民間給与統計調査)
この層が日本と言う国を捨てるという選択肢を選んだとき、ピリオドがうたれる。

ただし、ただしである。
日本人は変わった人種だ。
給料を貰って仕事をしている筈なのに給料外の仕事が多かったり、
損する事を判って私財を投資したり、
満員電車に並んでまで乗ったり、
利子だけで食っていける国が他にいくらでもあるのに、 馬鹿みたいに税金の高いところに居続けたり。

この「意味ありげ」が今後も守られるかどうかは判らない。
どう転ぶかもわからない。
混乱はあるだろうがこの国はアルゼンチンのような状態にはならないという希望は持っている。

私が本当に怖いのは、経済の瓦解などではなく、 知らないから考えようともしない人々の無関心だ。

経済がハチャメチャになるか、ならないかは判らない。
ただ少なくとも昨年よりはより深刻にその可能性が増してきていると感じる。

ま、こんな時は各自の思惑を持って動く事が重要になる。
そうすれば全滅は避けられる。
ちなみに俺は3ヶ国の通貨で外貨預金をはじめた。小銭だけど。

そぉ言えば、日本政府は日本の外貨準備高は世界一(50兆円を超える)で、 債務不履行などありえないとも説明している。 ふむ、これはけっこぉな額ですね。 今度こそハイエナさん達に奪われないようにしなくちゃね。

俺にはさしたる資産は無い。
故に喩え会社が潰れようともこの身ひとつで生き抜いてみせる。
で、あなたの覚悟はよいですかい?


生きてりゃなんとかならーーさ。
…だから戦争なんてやめておけって!


参考
外 貨 準 備 等 の 状 況(平成15年1月末現在)財務省
日本の外貨準備高、世界一続く 経済低迷が膨張促す
財務省 外国格付け会社宛意見書要旨
ムーディーズ ジャパン株式会社
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