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富山橋の富山流域のブナ林

◇石動山(せきどうざん 564m) 能登半島付け根の山

名水「聖水」、ポリタンクに汲んで行く人も多い

2003年12月7日
石川県内に有って富山流域に在るのはこの一角だけ、何故この一角が石川県に属す様にな
ったかいわくが有りそうで調べたかったのですが、残念ながら季節外れのためか資料館な
どが開いておらず、聞く事は出来ませんでした。

石動山は歴史有る霊山と云う事で、頂上に伊須流岐(いするぎ)比古神社の祠が有ります。
鳥居前の駐車場に車を止め「伊須流岐比古神社」の標柱から取り付きますが、右手に名水
の「聖水」が有るので、ここで給水して行くのが良いでしょう。

階段を登って鳥居をくぐると鬱蒼とした杉林で、本殿まで続き、その左から階段を登ると
次第にブナが見えて来ます。これを見ると、この辺りは元はブナ原生林に有り、先程の聖
水は本来なら、このブナ林にはぐぐまれた「ブナの雫」だった事が伺えます。

道は幾つかの分岐が有り、今回は本殿−梅宮跡−頂上−火の宮跡−行者堂と周遊しました。
ブナ林は梅宮跡から頂上、その下の行者堂辺りに有ります。
大木は梅宮跡と行者堂辺りでしょうか、道から見えたもので最大は、幹周2m越えと云う
ところでしょう。大木は見当たりませんでしたが、頂上下の火の宮跡辺りはミズナラが少
し混じっているものの純林と云っても良く、比較的綺麗な細ブナが林立していました。
そこにはブナ林の薀蓄を書いた案内板が有りましたが、「多くの生物が生活する貴重な石
動山のブナ林、これからも守り育てる事が必要」まさにその通り、実行して欲しいもので
す。

能登最大規模のブナ林と云う事で、10−20haも有るとか、確かに宝達山よりは広い
ブナ林で開発もされていないので、宝達山よりは見応えが有りました。

古木が少なく感じたのは、以前修験者が薪や炭にするため、ブナ林を順次利用していたた
めではなかろうかと思ったのですが、如何でしょう。従って、私としては原生林では無く、
人と共に生きて来た自然林としておきます。
古木が少なくても、この様に人間との共生の歴史が有ればブナ林の品格も充分ではないで
しょうか。
これからもこのブナ林が人と共に共生して行く事を期待します。

後書き
始めて神社が建立されたのは、今から1000年以上も前との事で、この山に対する信仰
が有ったのは、それ以前からだとか。
一時期は全国的にも有名になり繁盛したらしいのですが、明治の廃仏毀釈で退転し衰退し
た様です。
その後、地元などの保護意識の高まりで国の史跡となり、最近では新しい施設も作られ、
保護運動も少しづつ盛り上がっている様です。
何時の日か、かつての様に宗徒やにわか宗徒が修行に励む行きかう姿が日常的に見る事が
出来る様になる事を願いたいものです。
北陸に有って標高500m程度のブナ林としてはこれほどの規模を持つ所は無いでしょう、
出来れば数百年後は、杉植林から原生のブナ林に戻す努力をしても良いのではと思うので
すが・・・・
人手により何処にでも有る、杉の森に変えられ、それが最も相応しい様に見られていると
すれば残念ですが、少なくても、これ以上は杉林を増やす事の無い様努力して欲しいもの
です。

梅宮跡より少し上の2m越えブナ 行者堂上のブナ林



全体時間:駐車場−0:30頂上−0:20駐車場
ブナ時間:0:15
山行適期:通年
登山道 :有り
交通  :マイカーで氷見阿尾から荒山峠越え


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