例1:ブナの会ではこれを基本にし、その他の寸法も併記している。
1988年環境庁が、全国の巨樹・巨木林調査を行うにあたり統一した基準を定めました。これが今では一般的になっているものです。
<巨木の定義>
地上約130センチの位置での幹周りが300センチ以上の木。
地上130センチの位置において幹が複数に分かれている場合には、それぞれの幹周りの合計が300センチ以上あり、主幹の幹周りが200センチ以上のもの。
(太くならない樹種(ツバキやツツジなど)は別扱いで、300センチに達していなくても巨木としているが、詳細は省略)
<巨木の測定法>
(平地):地上から130センチの位置での幹周りを測定する。
(斜面):斜面に生育している場合には、山側の地上から130センチの位置で測定する。
(株立ち):地上から130センチの位置において、幹が複数に分かれている場合には、個々の幹の幹周りを測定し、それらを合計する。
(根上がり):根の上部から130センチの位置での幹周りを測定する。
例2:(参考)
国土交通省「土木工事共通仕様書」の場合
第9節 植栽維持工
8−9−1 一般事項
本節は、植栽維持工として樹木・芝生管理工その他これらに類する工種について定めるものとする。
8−9−2 材 料
(中略)
4.樹木類の形状寸法は、主として樹高、枝張り幅、幹周とする。
樹高は、樹木の樹冠の頂端から根鉢の上端までの垂直高とし、一部の突き出した枝は含まないものとする。なお、ヤシ類等の特種樹にあって「幹高」と特記する場合は幹部の垂直高とする。
幹周は、樹木の幹の周長とし、根幹の上端より1.2m上がりの位置を測定するものとし、この部分に枝が分岐しているときは、その上部を測定するものとする。また、幹が2本以上の樹木の場合においては、各々の幹周の総和の70%をもって幹周とする。
(後略)
環境省の測定法で計算すると
左の単木の幹周計算
D=1.4mとすると
幹周=1.4×π
=4.4m
右の3本立ちの幹周計算
A=0.6m B=0.9m C=0.4mとすると
幹周=0.6π+0.9π+0.4π(0.9π=2.83mで2m以上)
=6.0m
実際には、ブナ樹形は様々な形をしていて、上図に当てはまらないものが多く有ります。1.3m高で5mだが1.8m高で途切れ、多数の細木が立った様な樹形(上がり子)、隣接した複数本が癒着した様な木、根曲がりで水平に伸びた木、枝か幹か判別の出来ない木など、単純には測定出来ない事が多いものです。
上図ではD1=5mです。環境省の基準では、この様に複数本立ちの方が相当に太くなってしまい、実感とかけ離れた数値になってしまいます。例2の様に補正する方法も有るでしょうが、単純に幹周だけで表示せずに、樹形を表示する様に出来ないかと思っています。
2001年10月に発表された全国の巨樹・巨木には株立状況を調査する事になっていますが、発表されて無い上、複数立ちでも主幹寸法の表示が無いものが多い様です。
ちなみに、日本一も二位のブナもですが、立派な巨木ではありますが、上図右の様な多数本立ちで、D1は6mは有りませんし、D2も7m台でした。
ブナの会方式の計測法
・A、B、C、D、D1、D2、D3全てを計測しますが、凸凹に沿う事はしません。
・D又はD1が4.5m前後以上の巨木は、BUNAさんに報告し確認の上、ブナ巨木リストに記載されます。
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