痕ツアー(2)


 第2部 加賀屋潜入ツアー


 手取湖から一路加賀屋を目指した我々ですが、その前にゲームでは「隣の駅」として登場する

「和倉温泉駅」に寄りました。



 駅前は先ほどの鶴来駅よりは賑やかでしたが、それでも人はそれほど多くなく、地方の

観光駅という雰囲気が良く出ていました。

 ここには電車で移動する観光客向けでしょうか、多くの旅館の送迎バスが停車していました。

 (もちろん加賀屋のバスもありました)


 水門、隣の駅と探索で気合を入れた(?)私たちは、いよいよ本ツアーの最大の

目的である「鶴来屋」、もとい「加賀屋」に突撃を敢行することになりました。

 気分的には「吶喊します!」(さぁ読めるでしょうか?)と叫びながらだったんですが、

いきなりチキンの本領発揮、というか、入り口の雰囲気で撤退してしまいました・・・

 ・・・だって、入り口からいきなりスーツ姿で大勢待機しているんですから。



 当日、15時少し前に旅館の前まで行ったのですが、あまりの雰囲気に「戦略的転進」

を称して、近くの??島(?)へ向かう橋の脇にある公園へと移動します。

 「逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ逃げちゃだめだ・・・」と言い聞かせ、落ち着くまでに10分。

 改めてアタックをかけることにしました。

 「加賀屋よ! 私は帰ってきた!」←さっき来たばっかりじゃないか

 そこで、旅館の前にあるここが駐車場かな?、と思われるところに車を停めた途端にスーツ姿の

スミス・エージェント・・・じゃなくて旅館の従業員がすこし不審そうに近づいてきました。

 まぁ、30そこそこの若造3人が加賀屋に泊まりに来るというのもそれほど無いのでしょうか、

「いらっしゃいませ」と営業スマイルで言いながらも「単なる冷やかしなんじゃないか?」とでも

言いたそうな空気が感じられました。

 私のほうもそのあたりは予測していた、というか、加賀屋については、インターネットから予約

申し込みをした数日後には旅館や近隣マップなどのパンフレットをまとめて郵便で送られてきたなかに

予約のカードみたいなのがあったので、予めいつでも出せるように用意していました。

 ぱっと見て宿泊客かただの怪しい人かどちらに判断されるか不安だったので(このあたりですでに

チキンさが判るというものですが・・・)さっそく印籠のごとくカードを出すとそこはなれたもので

にこやかな営業スマイルとともに「いらっしゃいませ」と返ってきました。

 あとで知ったのですが、宿泊客は直接玄関前まで乗り付ければ、あとは車の移動とかはしてもらえる

みたいだったのですが、このときは気がつかないで旅館と道路を挟んで向かい側の駐車場に停めて

しまいました。

 翌日、チェックアウト時に宿泊客の車が玄関前にきれいに並んでいるのを見たので、もしかしたら

洗車サービスがあったのかも知れませんが・・・

 さて、カードを渡して案内されるままに玄関をくぐると、すでに20人くらいの和服姿の仲居さんが

ずらっと並んで待ち構えていました。



 「いらっしゃいませ」と言いながらも好奇の視線を浴びてるような気がするのは私の気のせいでしょうか?

 受付を済ませ、並んでいる仲居さんのなかから出てきた方に案内されて建物の奥へと進みます。

 ・・・が、「ここは一体どこなんだ?」とポカーンとおのぼりさん状態に。

 まず、リニューアル版ででてくるロビーでは、コーヒーとか軽食ができるのですが、そこは加賀屋、

「琴の生演奏」がBGMになってます。(もちろん和服で)

 

 聞いたところによると、ゲームではここで千鶴さんが弁当を食べているようなシーンがあるとの

ことですが、一般客がそんな事できる雰囲気では無かったです。

 さらに、その奥へと続く途中には土産物屋があるのですが・・・




 ・・・すいません、ここは本当に旅館ですか?(汗

 お菓子、お酒、ガラス細工、輪島塗・・・とそれぞれが1件単位で店を構えています。

 しかもすべて和風の家で、前には川が流れていたりとほとんどそのまま時代劇のセットにでも使えそうな

雰囲気だったりします。

 食べ物はともかく、それ以外の土産物はけっこうな値段がしているような気がするのですが、普通にここに

泊まる客にはたいした金額ではないのかもしれないです・・・

 ・・・土産物一個で普通の旅館の宿泊費分に相当するものなどそうは買えないと思うのですが。

 さらに奥へ進むと、今度はバーが現れますが、これもこんな感じで・・・



 え〜と、メニューでは確かカクテル一杯が¥1500だったと思います。

 別に居酒屋のメニューにあるビールのピッチャーとかミニ樽サイズとかではありません。

 ごく普通のグラスに注がれたカクテルなのですが・・・

 普段「養○の瀧」とか「○民」とかで飲んでいる身としてはただ驚くだけです。

 この時はまだ開店前でした。

 ・・・千鶴さんと向かい合って呑みたいと思うのは私だけではないはずです(^^;

 そのバーを通り過ぎると今度は飲み屋とかカラオケの出来る店が、って、なんで旅館に

 2件も3件も店があったりするのでしょうか?

 そして、ようやくエレベーターまで辿り着きました。

 エレベーターの正面はガラス張りで、目の前には大きな反物が広がってました。



 案内してくれている仲居さん曰く、「これは本物の西陣織(確か)で、30mほどあります」と、

ようはこのエレベータのてっぺんからずっと1階までこの反物が貼ってあったりします。

 ちなみに、エレベータは3基ならんでいますから、面積にすると・・・何平米あるのやら。

 ただひたすら圧倒されまくってピヨっているうちに部屋に到着。

 今回泊まったのは8階なのですが、部屋から海が思いっきり見えるめちゃめちゃ景色としては

申し分の無い場所でした。

 

 部屋に到着すると、普通の旅館と同じようにお茶とお菓子が出されるのですが、そこは加賀屋、

一味違っていました。

 お茶はお茶でも抹茶でした。濃い緑色の。



 こういうのって「苦い」としか思えなかったのでためらっていたのですが、仲居さんから

「そんなに苦くは無いですよ」とにっこりと言われてしまったので、おそるおそる飲んで見たら

ホントにあっさりと飲めてしまいました。

 このあとしばらく窓から見える景色を堪能したあとで、夜の酒宴に備えるべく一度近所の

酒屋で物資を仕入れてから、温泉へと向かいました。

 ・・・さすがに温泉にカメラ持っていくのはマズイので、風呂場の写真は無いです。(汗

 私達が行った時は、ちょうど男湯が改装工事の真っ最中で入ることが出来なかったので、

普段女湯として使っているところに入ったのですが、温泉自体は普通の旅館とそれほど

差異があるようには感じられませんでした。

 ただ、海を見ながらの露天風呂が楽しめるので、そのあたりは十分満足できました。

 さらに、常に旅館の従業員がいて、片づけをされていたので、脱衣場も非常に綺麗でした。

 風呂あがりでさっぱりしたところで、いよいよ夕食となるわけですが・・・

 やっぱり料理もかなりのものでした。

  

 量自体はそこそこ(といっても私がおなかいっぱいに感じるくらいですから多いのかな?)

なのですが、何しろ味音痴の私が「うまいっ!」と感じる程のものでしたから。

 間違いなく言えるのは、「ここで1週間泊まったらもう戻れない」という事でしょうか(謎

 食事の後は、いつも通り同行者と酒飲みながらゲーム談義をしているうちに夜も更けていきました。

 あ、それと食事以上かもしれないくらいに良かったのが「布団」です(笑)。

 めちゃめちゃふかふかしていて寝心地のよさは天下一品です。

 できれば買って帰りたいくらいだったのですが、私の生活環境だと1年もしないうちに煎餅布団に

なってしまいそうなので泣く泣くあきらめました。(その前に売ってくれるとは思えませんが)

 朝、ふかふかの布団で目を覚ますと、そこには千鶴さんの姿が・・・あるはずも無く、でも久々に

熟睡できたのでとても気持ちのよい朝を迎えました。

 しかし旅館の中で朝市までやるとは・・・当然朝ご飯も美味しかったですが。

 

 当然ながら、私の頭の中では「終わりそして始まり」が流れてます。(笑

 その清清しさ感じながら朝風呂に入り、おいしい朝ご飯を思いっきり食べた後での私にとっての

「それは・・・現実」は、清算だったりします。

 結局、男3人で入湯税や食事時のアルコール代などを含めて税込み金額は・・・

 13万4325円でした(一人頭4万5千円弱)

 さすがにちょくちょく泊まりに来るには今の年収の倍くらいは必要になるので難しいですが、

年に1回くらいなら来ても良いかな、と思いました。

 いつかは、会長室があるはずの(無い無い)最上階にも行ってみたいものです。


 注:今回宿泊したのは「雪月花」コースなので基本料金が4万円前後(人数により変化)ですが、

「能登客殿」コースであれば2万円後半で泊まれるので今度はそちらに泊まってみようかとも

思ってます。

 注2:本当は最上階に行ってみたかったんですが、最上階(20階)か付近はまた別のコースなので

一般客では普通に行くことは出来ないみたいです。

 確か18〜20階はさらに値段が跳ね上がるコースなので(金額が1桁変わります)、こちらに行ける日は

おそらく一生こないんじゃないカナという気がしますが・・・



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