静岡・長野県境ツアー


 道路特定財源を使いきる為かどうかは知りませんが、毎年毎年道路は整備され、さらに新しい道も作り続けられています。 
 このご時世でも、かなり地方のほうまでいくとまだまだかなりアレ感じの道路が残っていたりするものです。
 そんな中、県境に山地を多く抱える静岡県と長野県の県境には、中央高速と並行するように国道152号線が走っているのですが、
この152号線は完全には現在も繋がっていなかったりします。

 しかも、その繋がっていない箇所はかなりの難所ということもあり、多くの酷道マニアの方が行かれていることから、私も
この酷道の道(?)へ足を踏み入れたからにはまずは先人たちの軌跡を辿って見る事にしました。

 11月の上旬、仕事を何とか20時で切り上げて埼玉から出発しました。
 本来は国道152号の始点から終点である長野県上田市〜静岡県浜松市を完走するべきなのかもしれませんが、時間が無いのと
渋滞が間違いない浜松あたりを走ってもストレスが溜まるだけになりそうだったんで美味しい所だけ(?)をチョイスしました。

 と言うことで、前日は静岡県の新富士駅のすぐ近くにあるビジネスホテルで一泊しました。

 位置的には磐田インターで降りて天竜川沿いの一般道に入り、途中で152号に合流するプランだったので、本来であれば
もっと先まで進んだほうが良いのですが、これは、以前「奇石ツアー」の際にも一度来たことがあるので
地理的にある程度は把握しているのでそれほど迷うことが無いだろうという理由だったりします。
 カーナビは古いものを持ってはいるのですが、できれば疲れ切った状態で深夜の知らない町を走るのは避けたいところなので。

 と言うことで、無事に日付が変わるちょっと前に予約してあったビジネスホテルに到着、明日に備えて早めに就寝。
 ・・・というか、どこかしらで夜食を取ろうと思ってたらビジネスホテルのまわりでは全く見つからず、仕方なくコンビニの
弁当を買って部屋で食べることになりました。

 翌朝、朝の通勤ラッシュに巻き込まれるのが嫌だったので、7時にはチェックアウトして一旦東名高速を利用。
 通勤割引が適用できる距離である100kmを超える手前の磐田インターで降り、しばらくは天竜川沿いに北上を開始。

 やがて天竜区(いつのまにか区とかになってたんですね)に入り、ようやく152号に合流するポイントである天竜二俣鉄道の
駅や天竜区役所のあるあたりはさすがにそこそこ混んでいたのですが、そこを過ぎると一気に交通量と民家が減っていき、いわゆる
地方の奥地といった雰囲気を出してきます。

 しばらくそのまま道になりに行くと、最初のポイントとしていた道の駅「天竜相津花桃の里(長い名前だ)」に到着しました。

 本当はここで朝食を、と思っていたのですが、到着したのが午前9時過ぎということでまだ開店前。
 しかも平日(金曜日)と言うこともあって開店準備をしている店員以外に客の雰囲気は全く無いです。

 

 ちなみに、道の駅の周りはこんな景色です。
 道の駅は152号沿いにあるのですが、時々地元の車が通る程度で非情にのどかな雰囲気です。

   

 この道の駅はちょうど天竜川を利用したダムになっているところにあって、そのダムの上に「夢のかけ橋」というのがあり、
そこがたまたま事前調査に利用した資料に載っていました。
 結構長い橋だったのと、とりあえずこの先に行っても何もなさそうだったんでとりあえず橋の真ん中で一枚写真を取るだけに
してその先を目指します。

 これからこんどは青崩峠までひたすら走ります。
 ただこれがかなり長いです。時間にすると2時間以上になるでしょうか。
 確かに信号とかも殆ど無いので快適に運転できるんですが、さすがにこれだけ長いと多少疲れます。

 ようやく青崩峠の手前まで来た時には既に昼になっていました。

 現在は手前に草木トンネルというのができていて、そこを使って迂回することになります。
 この草木トンネルは将来的には三遠南信自動車道となると言うことなのですが、この部分だけ完成しており無料で通れます。
というかコレを通らないと152号を引き続き利用して長野県側に入るのが不可能です(汗
 ・・・しかも、今まで数時間走行してきた部分については高速道路の建設風景なんぞは全く無かったことからいつ完成するやら。
 さらにちょっとWikipediaとかその他いろいろ調べると、どうもこのトンネルの完成後にこの先の地盤が弱いことから建設計画が
変更になって、ここままで行くとこのトンネルを使用しないルートになる可能性が高いという話です。(笑
 何がなにやら。

 とりあえずはそのトンネルの手前で分岐点に入り、青崩峠まで行くことに。

 坂道がかなりきつくなり、道路も普通のアスファルトから違うものに変わってくると妙に嬉しくなってきます。
 さらに進むと道がかなり崩壊している風景が・・・

   

 ちなみに、脇は崖になっていますんで落ちたらかなり大変なことになります。

 しばらく進むと限界点なのか多くの車が停車している広場みたいな場所にたどり着きます。
 その脇には「青崩峠」とかかれた記念碑(?)みたいなものも立っています。

 車の中に人はまったく見えなかったので、おそらくここで車を置いてハイキングに向かった方々かと思われる。
 (というか広場の写真を取り忘れてました。しかも記念碑もピンボケだし・・・)

   

 また、草木トンネルへ引き返した時に気が付いたのですが、道路脇の目立たないところにこんなものが。
 ・・・おそらく、登山の方とかが道脇にどけたのでしょうが、裏側になっていたので気が付きませんでした(汗

 

 その後今度は草木トンネルを通過し、いよいよ県境となるわけですが、ここは兵越峠(ヒョー越とも)と呼ばれる峠に
なっていて、一年に1回、あるイベントで物凄い盛り上がりを見せることで有名だったりします。

   

 それが毎年10月の最後の日曜日に開催されているこの峠での「国盗り綱引き合戦」だったりします。
 毎年静岡県と長野県の健在回を接する両方の町が代表を決めて綱引きを行い、勝った方が1mずつ国境をずらすといった
時々ニュースでも流れるイベントです。

 私もそのイベントの存在自体は知っていたのですが、実際に開催されている期間に行った事は無いです。
 今回私が訪れたのは、そのイベントの一週間後くらいだったので、会場はその名残がかなり残っていました。

   

 当然ですが、この国境というのは単にイベント用であって、実際の県境とはなんの関係も無いです(念の為)

 その後、ほんとうであれば今度は長野県側の152号の端まで行ってきたかったんですが、今までの所要時間を考えると
その移動をやった場合、今日の旅館のチェックインまでに間に合うかギリギリだったんで断念しました。

 ・・・というか、ようやく長野県側に入ったと言ってもまだあと3時間近く走り続けないといけなかったので。

 途中、客がだれもいないにもかかわらずやっていた蕎麦屋でちょこっと昼食を取ってまたひたすら北上します。

 するともうひとつの国道152号の不通区間が見えてきます。
 こちらも先ほどの青崩峠と同じように地蔵峠という迂回路があります。

   

 さすがに平日の山奥の道路ということで、あまり出会う車の数も少なく、すこし終わり気味ですが紅葉をじっくり堪能できます。
 途中道路脇が崩れかけている場所もあったりしますが、紅葉のレッド(オレンジか?)カーペットの上を走る感覚で非情に
気持ちよかったです。

   

 道路が年々拡張・開発されていってもこういう風景は本当に残して欲しいものだとつくづく思いました。
 ただ、この峠越えからさらに2時間近く走ってようやくその日の宿を予約してあった諏訪に到着しました。
 朝7時から16時まで、途中トイレ数分+昼食30分以外は殆ど運転してました。

 そのあと夕食までちょっと時間があったので、運転はやめて徒歩で諏訪市内を散策してました。
市内にある高島城を通りかかったのですが、なんでこんな街中に城跡がと思って後で調べたら、もともとは諏訪湖に
せり出すように立っていたがその後の埋め立てや何やらで結局こんな位置になってしまったとの事で納得しました。
 やっぱり城の脇にはNHKの大河ドラマ関連ののぼりが立っていましたが、まったく人の気配が無かったので果たしてここを
見学に訪れるのはどれほどいるのかとちょっと疑問に思ったりもしましたが。

   



<戻る>