今回、久しぶりに長距離ミッションを実施してみました。
「酷道」は日本に点在していますが、その中で「日本3大酷道」といわれているものがあり、そのうちの
2つは418号線と425号線でして、これらは過去に走破していたりします。
ただ、残りひとつの酷道が439でして、これが四国にあったりするんでなかなか機会が得られずに時間だけがすぎていました。
問題としては、埼玉からの距離が当然ですがかなりある事と、交通費がかなりかかるという実にわかりやすい事かと。
ただし、そのうちの1つの問題である交通費(高速代)が解消されることになりました。
それが「高速道路上限1000円」というものでしたが、2011年2月頃の時点では6月頃から平日も上限2000円になるらしい
という、実に旅行好きの身にとっては嬉しい情報があったのですが・・・・・
それが2011年3月11日のあの震災によって、財政的な問題もあり逆にまもなく廃止という状況に変わってしまいました。
(財政とか政策についてはいろいろと言いたい事はありますが省略します)
あの日、私は埼玉の工場にいたのですが、あの時の恐怖というのは人生でいまだ経験のないものでした。
衝撃で散乱する資材、完全に電気が失われた市内、そして情報網の途絶といういかにいつも当たり前に使っているものが
どれだけ有難いかというものを実感することになりました。
その後の食糧不足やガソリン不足も、被災地の方々に比べれば些細なものでしょうが。
それはさておき。
ということで、高速道路が安いうちに出かけてしまいたいということもあり、2011年のGWを使ってついに四国遠征を実施しました。
ただし、出発の4月28日は平日の上、会議で東京の本社へ出張&その夜の懇親会まで出席がほとんど強制状態なので、ウーロン茶で
やり過ごし、何とか帰宅できなのが21時30分。荷造りは当然すべて終わらせてあったのでメールチェックだけして22時には出発しました。
・・・私としては、本来大型連休とかで世間一般も休みの時には絶対に遠出はしない主義なのですが、今回だけはそうも行かず
予想通り中央道は混雑気味。それでも給油以外休息もとらずに大垣と関ヶ原の間にある養老SAに達したのが午前4時。
さすがにそこで30分ほど仮眠を取ってまた出発したのですが、案の定大阪と神戸で渋滞にはまってタイムロス。
ようやく四国徳島の地に降り立ったのは4月29日の午前10時となり、実に12時間のロングドライブとなりました。
当然睡眠時間30分。こんな状態で酷道走りはしたくなかったのですが、どうしてもスケジュールの都合で、このまま
酷道439号に向かいました。
といっても全部を走行するのは残念ながら不可能であった為、結局は一部区間のみの走行となってしまいました。
ただ、やはり酷道ということだけのことはあり、とにかく狭いです。
しかも厄介なことに、GWなのでツーリングライダーや4WDオフローダーが結構対向から走ってきます。
当然離合(すれ違い)が可能な部分はかなり限られるのと、正面衝突の危険があるのでかなり慎重な走りになります。
結局、全体の数分の一の距離しか走行できずに当日の宿のある阿南駅前に撤退する羽目になりました。
阿南駅前のホテルに夕刻にチェックインして街中を散策。街中で妙にLEDを見かけるのではて?、と考えたんですが
ダイオードで有名な日亜化学の本社がこの阿南市にあったんですね。
さすがにこの日は前日の睡眠不足もあって早々に就寝しました。
4月30日。
いよいよ本番。
酷道439・・・ではなくて、こっちです。
剣山スーパー林道は、全長が90km近くもある(87.7km-Wikipediaより-)日本最長の林道で、埼玉の三国峠や群馬の栗原川林道などで
ある程度慣れてきたという気持ちもあったので、いよいよここにチャレンジする時が来た、という所です。
しかも今年は舗装化工事もあって、開通しているのがGW期間のみというまさに貴重な走行可能期間です。
結構強引に突入を試みる方でもいるのでしょうか、念の入った注意書きもありました。
(例年4月中旬〜11月頃まで、しかも頻繁に落石だの路肩崩壊だの通行止めがあるので走れる期間は少ないです)
もともと四国へ来たのも439はおまけでこっちを完全走破することが目的でした。
午前8時。到着して写真撮影をしていると次から次へ2輪の方々がやってきます。
軽く挨拶をしていると、「けっこうバイクが突っ込んでくると思いますよ〜」とコメント頂きました。
何回か走破されている方も「落石とか結構あるけどパジェロJrならたぶんok」とも頂きました。
そんな中、チャレンジを開始しました。
しっかし、ちょっとこの林道を甘く見ていたことを思い知らされました。
結構あちこちに落石はありますし、ガードレールも何も無い、踏み外したら数百メートルまっさかさまの崖まであるので
ジェットコースターの緊張感とは比べ物になりません。
しかも途中には車一台分の幅しかないような橋みたいなものもいくつかあります。
少なくとも暗くなってからここを走ろうとするのは正気の沙汰では無いでしょう。
さらに前から後ろから2輪のオフローダーが来ますので、こちらはビギナーですのでやり過ごし&安全運転ですすみます。
ただ、標高があがってきてからみえる景色本当にすばらしいです。
ゆっくりと景色を楽しむのも楽しみ方のひとつです。
来てよかったな、とお思ってちょっと気が緩んだのがいけなかったんでしょうか。
下りにさしかかっていた事に気が付くのが送れ、60km/hまで一気に加速してしまい、前方に急カーブが。
あわててブレーキをかけたらそのままコントロールを失ってそのままドカーンと運転席側の面が山肌に衝突。
車内の荷物が全部前のほうにポポポポーンと飛んできたことからもかなりの衝撃があったのが判りました。
やった瞬間、「あ、これって自走不可?」と血の気が引いたのですが、おそるおそる降りて確認すると奇跡的に無事。
本体もタイヤも異常なし。さすがにアルミホイールにかなりの傷が入りましたが、これですんだのがホントに奇跡でした。
岩肌の前に側溝があって、そこにきれいにはまる様に落っこちたのと、植物がクッション代わりになったのが幸いでした。
まず反対側の崖に飛び出していたら間違いなくお星様になっていたでしょうし、側溝も無い岩肌に激突していたら
車本体にダメージ受けた挙句走行不能に陥っていたかと思われます。
今回の一件でいかに自分がまだ未熟であったかということを思い知らされました。
さすがにこの後はかなり安全運転になったのと、タイヤのパンクが心配だったので時折停車して実際に確認しながらの走行と
なったので、最終的に87.7km走破するのに4時間かかってしまいました。
この日はスーパー林道起点すぐ近くにある温泉旅館に一泊しました。
しかも一人旅には贅沢すぎる木製の風呂付き部屋を予約してあったりします。
浴室から眼下にはキャンプ場が見えたりします。目の前の鯉幟も風に揺られて気持ちよさそうです。
当日は夜は雲が出てきてしまい生憎星を見ながらの風呂とはなりませんでしたが、独りでのんびりと入る風呂は格別です。
翌朝、5月1日。
時間的な都合もあって、午前8時には旅館を出発、四国を後に。
来たときとは違い、途中であるところに寄り道をします。
6時間かけてようやく次の目的地、余呉湖に到着。
余呉湖は琵琶湖の北にある小さな湖で、知名度としてはかなり低いのではないかと思います。
何でここに来たかと言いますと・・・
2010年にプレイしたゲームの中で、一番はまったのが「黄昏のシンセミア」というものだったりしますが、これは羽衣伝説を
ベースにしたシナリオで、ゲーム中の舞台は「近畿地方のどこか」という設定になっています。
オフィシャルでコメントがあるのですが、余呉湖ではない架空の舞台を設定しているとあり、実際に駅前などはまったく違ってます。
ゲームだと駅前に「ジャコス」(笑)という大きなスーパーがあるんですが、余呉駅の前にはそんなスーパーはおろか3階建ての
建物すら見当たりません。
プレイ前はこのメーカーの前回作「コンチェルトノート」がそこそこ面白かったので、今回はあまり下調べをせずに予約購入したのですが
試しにちょっとはじめたらそのままはまってしまって気が付いたらフルコンプしてました。
伝奇もの、というと「痕」や「久遠の絆」をプレイしてきた身としては結構厳し目に見てしまうのですが、期待以上のできでした。
しかも、ゲームの最後のほうで「Long for ・・・」という曲が流れるのですが、そのシーンでは思わず久しぶりに泣けてしまいました。
面白いというタイトルでは、ここ数年で挙げるのなら「恋色空模様」や「遥かに仰ぎ、麗しの」といったタイトルがあるのですが、
「泣ける」という点ではここしばらく無かったような気がします。
それだけ印象が残ったので、羽衣伝説の舞台とはどんなものかと興味があったので帰り道で寄ってみました。
実際には、キャンピングカーや釣りをしに来てきる人が散見される非常に静かな場所でした。
当日は、すこし小雨の降る生憎の天気というのもあったのかもしれませんが・・・
このあと、長浜駅前のホテルにチェックインして、長浜城や黒壁スクエアも行って見たのですが、あまりの観光客の多さに
ろくに見学もせず退散したので写真が無かったりします。
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