鼻行類

presented by NIHON UNIV. college of low a society for the study of ANIMATION 1996

この作品は平成8年11月2〜4日に日本大学法学部第17回法桜祭内で上映されたものです

『鼻行類』 ストーリー

西暦1950年代、太平洋上仏領ハウアイアイ群島にて、核実験が行われていた。
その結果、群島は海に没し、同時に群島の固有種である
『鼻行類』もまた滅びの道をたどった。

それから40余年  絶滅したと思われた『鼻行類』
とある無人島で、僅かな数が奇跡的に生きながらえていた。
だが、ハウアイアイ島を失った後のささやかな楽園であったこの島にもついに、
容赦のない人間の侵攻の訪れが……

ハウアイアイ群島の悲劇は、再度繰り返されるのか……


「鼻行類(びこうるい)」とは?

 第2次世界大戦直後、非常に特異な哺乳類の一目が南太平洋上のハウアイアイ群島 Heieieiにおいて発見された。学名を「鼻行目Rhinogradentia」と呼ばれるこの動物の特徴は、 @発達した鼻で歩行する、A主食の昆虫も鼻で捕食する、B一方四肢には退化の兆しが認められる、 Cこの目の中には飛翔能力を持つ一族が存在する、D一般にそれほど繁殖力が強くない…… 等が挙げられる。

 左図は、ハラルト・シュテュンプケ著『鼻行類』より、鼻行類の一種ナゾベーム。 本作に登場する鼻行類の元となったもののひとつ。
 鼻行類についての資料として、上記のハラルト・シュテュンプケ著『鼻行類』の他、 荒俣宏著『怪物の友』にも記述がある。


『鼻行類』 登場キャラクター

ナゾベーム  上図のナゾベームが原型となっているが、かなり簡素化している。 しかし、監督や原画担当からは不評の嵐。 ある人物からは宇宙人といわれた。
 このナゾベームの鼻には骨格はなく、海綿体と空気圧によって体を支えるとされる。 体長は30cmほどである。
トビハナアルキ  ネズミのようなシルエットの鼻行類。 本作に登場するもう一体の鼻行類で、長く発達した鼻で飛び跳ねる。
 アニメでは前向きにジャンプしているが、実際は重心が後ろにあるため、後ろ向きにジャンプする。 体長はネズミほどだが、その十数倍跳躍することができるとされる。

『鼻行類』 完成までの道のり

 原案提出される(96年5月17日)  この日、原案者によって「鼻行類アニメ」(仮)の企画が出された。 鼻で歩行し、鼻水で虫を捕らえるという鼻行類、その神秘性もさることながら、 核実験で絶滅してしまったという悲劇の物語も加わって、 スタッフの心は強くひかれていったのだった。

 技術の伝承(96年6月)  とはいうものの、当時のアニ研では数年間技術伝承が行われておらず、 8ミリカメラ「ZC1000」は古代文明の忘れられた遺物のようになっていた。 それをみかねたOBの方々の働きかけもあり、ここに技術が現代に蘇ったのである。

 正式決定(96年7月13日)  本年度学祭用アニメが『鼻行類』に正式決定した。 このあと絵コンテが描かれ、一発でGOサインがでる。 これ以降、アニメ制作が本格化した。順風満帆の船出であった。ところが……

 原画完成・撮影開始(96年10月)  夏期休業中に完成するはずだった原画が10月になってすべて集まり、ようやく撮影開始。 しかし撮影は困難を極めるのだった。 長きにわたり眠っていた「ZC1000」はどうも具合がいまひとつ。 そして撮影用のランプからは容赦なく暑い光が降り注ぐ。撮影隊の苦悩はこれだけではなかった。 脳天直撃マシンによる誘惑、某声優の啓発CDによる精神攻撃など、 発狂者まで出してしまうという惨事に見舞われたりもした。 かくしてやっとの思いで撮影が完了したのである。

 予期せぬ出来事(96年10月25日)  この日、絵コンテ担当者から驚くべき発表があった。 なんとひとりで170枚以上の動画を描きあげていたというのである。 当時一世を風靡したゲーム「サクラ大戦」のOPパロディのこの作品は、 スタッフを大いに喜ばせ、『さくら』のタイトルで同時に上映されることになったのである。

 音入れ終了、鼻行類完成(96年10月31日)  アニ研としては数年ぶりとなるストーリーアニメがここに誕生した。 スタッフたちは涙を流して喜び、それぞれの苦労をたたえあったのである。


『鼻行類』 制作スタッフ

監督・制作進行・音響監督 A.K
 今回、正直な話、私はこの作品をいろいろな意味で習作のつもりで作ろうとしました。 だが実際、完成してみて、私の想像を上回るよい作品になりました。 これも全てこの作品に関わった方々、皆のおかげだと思います。 できれば今回の経験を生かし、これからもよい作品を作っていってもらいたいです。
撮影監督・制作総責任 T.I
 この作品を制作するにあたり、会員の一人一人がそれぞれ目標を持っていたことと思います。 私の目標は撮影監督として新しい技術の導入、 透過光や二重露出などのカメラワークを実践してみることにありました。 また今回は現像したものがカメラの視野より左寄りになっており、撮影をやり直しました。 この失敗談が今後の役に立ってくれればと思わずにはいられません。
企画・原案 M.I/K.S
文芸 T.S
絵コンテ・キャラクターデザイン N.H
制作 日本大学法学部アニメーション研究会

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