こけた茶屋料理集 その12
チープなギャルゲーについて考える2001.2.22

 最近、無性に「くだらないゲームがしたい!」という衝動に駆られてます。私の場合、こういった衝動が2年に1回くらいおこり、そのたびに変なゲームを買い、ちょっとやってみて「おー、くだらない!」と、ある意味満足してそのままクリアもせずにほったらかすのです。根本的にゲームの楽しみ方が間違っているだけでなく、まったくもって「無駄遣い」なのであります。
 今回はそういった反省をふまえ、プレステの「1500円ゲーム」に目を付けたのだ。これなら、もともと期待もしていない(ほぼ「くだらないゲーム」に等しい)うえ、銭を失った気もしない。もし仮に面白かったら「もうけもの」なのである。

 ということで、私がやってみた「チープなギャルゲー」について、いかなるものかレビューしたいと思います。

SuperLite1500シリーズ『あのこどこのこ エンドレス・シーズン』(SUCSESS・99年発売)

 たぶん、「1500円ゲーム」としては最初に出たギャルゲーらしきもの(だと思う)。店頭で初めて見たときは、思わず笑ってしまいました。これまで「1500円ゲーム」といえば、「将棋」「麻雀」といったテーブルゲームが主流で、ときおりパズルゲームやシミュレーションが顔を出していた程度だったと思います。そんな中で発売された「ギャルゲー」だったので、「とうとうギャルゲーも普通の(?)ゲームと同等に扱われるようになったか」と、思ってしまったのです。
 さて、このゲームについてであるが、まず思うことは、「何じゃそのタイトル?」ということだな。「エンドレス・シーズン」というのは、「女の子と楽しいひとときが過ごせるぜぃ!」というイメージなのは分かるのだが、まあ、ありきたり。しかし、「あのこどこのこ」では釣り合いがとれないような気がする。つなげると更に恥ずかしさが倍増し、この恥ずかしさは初めて『トゥルーラブストーリー』というタイトルを見たときに通ずるものがあるのではないか(笑)。
 言い忘れたが、このゲームは「恋愛ボードゲーム」である。ジャンルもなんか恥ずかしいものとなっているが、きっと、今までの「1500円ゲーム」の性格を急に変えないための作戦だったのでしょう。結果として、4人で楽しめる「バトルロイヤルギャルゲー」という、あまり類を見ないものが完成したというわけだ。なお、1人で楽しめるストーリーモードもあります。
 ということで、楽しんでみました。……うーん。
 個人的には、システムとして「会話パネル」というのが今ひとつ気に入りません。「本の話題」「勉強の話題」などいくつかの話題にそれぞれ1〜3までのレベルがあるものを、女の子とエンカウントしたときに選ばなくてはならぬのだが、これがきわめてゲーム性があり、イヤなのです。そりゃあね、ゲームなんだから、ただおざなりにプレイしてうまくいくようなゲームではつまらないのかもしれんけど、個人的にはその方がいい(笑)。私は、ギャルゲーはストーリーで楽しむ人間なので、話を進まなくさせるこういったゲーム性は極力なくしてほしいのだ。さらに、パネルは持てる数が限られており、「この子にはこの話題がしたいのにぃ」というときに肝心のパネルがなかったりするので、更に話が進まない。まあ、純粋にゲームとして楽しむにはそれでもいいとは思うんですがね。
 出てくる女の子については……ヒロインらしき女の子はぶつかって出会うというお決まりのパターンで、とりあえず他に幼なじみの女の子はいるらしく、ガイジンさんや双子もいるようです。ある程度話が進む(恋愛ポイントが増える?)と、イベントも起こるようなのですが、先に述べた会話パネルにジャマされていつも途中で挫折するので、面白いところが分かりません。あと、声については、わりと知られている声優もいれば、そうでないのもいて、まあ、パッケージ裏面に書いてあるから、ファンでなければどっちでもいいってカンジ。
 ということで、レビューとしては、「1500円でこういうのを出した根性は買いましょう」程度かな。

SIMPLE1500シリーズvol.36『THE恋愛シミュレーション〜夏色セレブレーション〜』(D3パブリッシャー・00年発売)

 現在「1500円ゲーム」を出している会社は数社あるようですが、特に意欲的にいろいろ出しているのが、先のSUCSESSと、これを出しているD3パブリッシャーです。とはいっても、これはもともとはHuneXが出したパソコン用のゲームですが。
 さて、このゲームは『エンドレス〜』に比べると、かなり本格的な「ギャルゲー」となっています。要するに、女の子とさまざまなイベントを通して(余計なサブゲームなしに)仲良くなる、という感じですな。
 大まかなストーリーは「高校生活最後の夏休み、夏期講習やアルバイトでステキな女の子と出会った主人公。ある日、父親から『実家に帰省しろ』と電話を受け、出会った女の子と一緒に小旅行のつもりで帰省するが、実家では父親が勝手に決めた許嫁との見合いが待っていた。さて、どうする主人公!?」といったところでしょうか。つまりは、前半はさまざまな場所で出会った女の子たちと最後の夏休みライフをエンジョイ(笑)し、その中から1人を一緒に帰る「彼女」として選ぶところまで、後半はその子と許嫁どっちを選ぶか、ということになりましょう。
 システムとしては、良くも悪くも非常にさっぱりとしていて、2〜3時間もあればひととおり話を終わらせることができます。その割には2回目・3回目のプレイではイベントの起こる場所や会話が微妙に変化し、何度やっても新鮮……と、取説には書いてあります。基本的には「おざなりプレイ」が可能ですが、後半は一つ一つの行動がクリア条件に大きく関わったりするので、前半の調子でやっていると悲しい目に遭います。
 ということで、楽しんでみました。……うむ!
 イベントがスムーズに発生する(ストーリーが進む)ので、割と取っつきやすい。挫折しないで最後までやってみようという気になりました。割とストーリーも感動的(これは人によりけりだと思いますが)。
 それよりも特筆すべきなのは、「強烈な」女の子たち。適当なゲームだからって、そこまで「変な」ヤツばっかり集めなくっても、というカンジ。@:とりあえずのヒロイン。主人公にやたらと世話を焼きたがり、ケンカばっかりしている、料理がヘタ、というのはまあよくありがちだが、コイツと実家に帰ると、実はコイツが許嫁だったという、心理描写が楽しみになる展開へ。A:@と仲のよい女の子。医者の娘でおとなしめ、実は二重人格でその別人格は遊び人(らしい)。B:バイト先のおネエさん。つき合ってた彼と別れ、意気消沈なところを主人公が、というのが基本線だが、実はコスプレネエちゃん。C:フリーカメラマン。プールでおぼれて人工呼吸というイベントもあるが、ある意味コイツが一番普通。D:近所の小学5年生。いつもララットというヌイグルミを連れている。コイツを実家に連れて帰ったらどう考えてもヤバイだろう(笑)が、それはおいといてE:人気絶頂のアイドル17歳。なぞめいている部分が多くマネージャーも素性を知らない。妙に子供っぽい、ということで実はDの変身後の姿(らしい)。もちろんララットはとおいホシからやってきた宇宙人。F:許嫁。まだコイツでイベントが起きていないのでワカラン。G:主人公が住んでいる寮の管理人のおばちゃん。未亡人で犬を飼っている、いつもエプロンをつけホウキを持っている、趣味でテニススクールに通っている、ただし設定のみ。ね、2回3回とやりたくなる気がしませんか?
 レビュー。「そこらに5000円台で出ているギャルゲーよりおもしろい」。あえて欠点を挙げるとすれば、PS2で読み込むと、時々止まることくらいだ。

SuperLite1500シリーズ『メモリーズオフ』(SUCSESS・00年発売)

 「あれ?『メモリーズオフ』って『1500円ゲーム』だったっけ?」と思った人、いるかどうか分かりませんが、いたとして、正解です。これ、もともとはキッドから99年に発売されたゲームなのです。キッドといえば、GB初の本格的ギャルゲー『ポケットラブ』でおなじみ……って、知らない人の方が多そう(笑)。とにかく、意欲的にギャルゲーを作る会社、としてゲーム業界に名をはせているのですよ(たぶん)。それはおいといて、要は「プレイステーション・ザ・ベストになるほどでないベスト版」みたいなカンジですかね。とすると、ベスト版じゃなくてベター版か?まあいいや。
 ゲームシステムとしては、ビジュアルノベルタイプのアドベンチャーゲーム。途中の選択次第でエンディングが変わるというヤツだ。いつでもセーブが可能(選択肢の時も)なのがうれしい。メモリーカードは2ブロックも使うがなんと80カ所もセーブできるというのもうれしい。出てくる女の子は6人。しかしヒロインとおぼしきヤツ(幼なじみ)は今は近くにいない(らしい)。他に甘えん坊タイプの幼なじみが1人と、あとは後輩やら大学生やら転校生やら、まあ、ありがちなキャラかな。で、前半でこれらの女の子たちと関係を深め、特に深められた女の子とは後半ストーリーが大きく展開するというパターン、と書くと、『夏色〜』と同じじゃん、となってしまうが、若干違うと思ってくれ。
 とにかく、とりあえず楽しんでみました。……うむ?
 長い。とにかく長い。まあ、キッドのゲームは青臭いので有名なので(?)、楽しい展開があるものとは思うが、今のところ挫折中。主人公がかなりいい加減なヤツなのがちょっと気に入らないが、現役高校教師(非常勤)のあに氏談では「授業中に寝るな!こっちだっていろいろ工夫してやってんだから!」だそうで、そんなことはストーリーに大きく関わってこないからいい加減なんだと思うのだが、そうもいかないらしい(笑)。
 まだ途中の段階なのでレビュー書くのもおかしなものだが、とりあえず。「こないだ発売された『夢のつばさ』(※)の方がおもしろい」。

『夢のつばさ』(キッド・00年発売)

 これは「1500円ゲーム」ではありません。6800円もします。某ソフマップで買ったら、設定資料集とポスターとクリアファイルとテレホンカードをおまけにくれました。っていうか、そんなにくれるんだったらもっと安く売ってほしいところだ。
 『メモリーズオフ』と同じく、ビジュアルノベルタイプのアドベンチャー。システムなどはほぼ同じ。ストーリーが違う程度です。単純にいうと、「飛行機パイロットを目指している主人公がいて、その前に突然現れた女の子(気絶中→なぜか同居することに)と、幼なじみのいとこの世話焼きの女の子をめぐるお話」。少し変えると『やるドラ第2弾季節を抱きしめて』みたいだが、まあご愛敬。
 本題とそれるので多くは語りませんが、レビュー書くと「せつなさ大爆発!!」。個人的には『トゥルーラブストーリー』シリーズに匹敵。とにかくよい。

 ということで、「チープなギャルゲー」は「ほんとにチープなのもあるが、まあ、楽しもうと思えば楽しめる」というところですな。

おまけ『明日は恋して』(PC用・アンバランス・00年発売)

 パソコン用だとチープなギャルゲーは膨大な数あるので話にならないのですが、これは3980円、まあまあなのかな?
 というか、個人的には初めて買ったPC用ギャルゲー。買った動機は、くだらないゲームをしたいというのもあったのですが、あに氏の後輩(?)がテーマ曲を歌っていた、それだけかも(笑)。
 ということで、感想を書いてみます。
 システムは女の子と会話をするところが『エンドレス〜』に近いので、ちょっとイヤです。出てくる女の子は、ヘンです。まず母親が若すぎ。いとこはしゃべり方が脳天直撃。何かしらんが許嫁がいいカンジで主人公を嫌っている(もちろんそれは裏返し(笑))。などなど。主人公が昔住んでいた町に戻ってきたという話なので、ノスタルジックな回想が多く、その辺は少し気に入っていますが、それだけのことです。
 レビュー。「パソコンのギャルゲーなのでエロゲーと紙一重(むしろそう言いきれないのが奇跡的?)」。

 あーあ、ギャルゲーでこんなに長い文書くなんて、こっちのほうがくだらないな。


こけた茶屋1Fに戻る