こけた茶屋料理集 その13
『神奈川強襲ツアー』珍道中記2001.2.22



これはうぶさわブラザーズによる、よくワカラン企画の顛末記である……
協力:アニ研15期神奈川県人会(あるのか?)

登場人物
うぶさわブラザーズ(おとうと):今回の企画の張本人。
うぶさわブラザーズ(あに):おとうとをそそのかした人。運転手。
ハセヌマ氏:板橋セミナーハウス所長。
フジマル氏:作画監督。厚木基地近くを転々と移住。現在綾瀬市民。
ミヤムラ氏:15期会長。今回の企画は氏に会うために企画された。

1.単なる思いつき
 この企画をはじめに伝えたのは確かミヤムラ氏に学祭前に送ったメールだった。そのときは「やりたいなあ」というだけで、ホントに思いつきで書いたことだった。しかし、学祭などでミヤムラ氏がなかなか顔を出せなかったこともあり、フジマル氏・ハセヌマ氏と「ぜひ会いたいものだ」という話にななった。そこで2人にもこの企画を話した。「いいねえ」。
 そう、基本的にはミヤムラ氏に会いに行く企画として打ち出されたものなのだ。
 とはいえ、企画者のうぶさわ(おとうと)が一番乗り気・一番ヒマ人なのにもかかわらず、一番不精者であったがゆえ、話が一向に進展しないまま年末を迎えるのであった。
 そして12月、アニ研OB忘年会でふたたびフジマル氏・ハセヌマ氏と会合したうぶさわは、早速ハセヌマ氏邸で企画の話を進め……ることもなく、やっぱり「進行中」という状況だけを伝えるにとどまった。
 しかし、そのことを知ったうぶさわ(あに)は激怒。「おまえはやる気があるのか?」
 その後もあにからの圧力は増すばかり。あに自身その企画のおこぼれにあずかりたいが、「アニ研のことだから」と、企画は全部おとうと任せ。おとうとはそんな不条理を感じながらも、いつ頃、どのへんに宿泊するか、いろいろ調べはじめることになった。

2.予約を取るよ
 ミヤムラ氏の話を聞くに、どうやら年末年始でなければ休みがまとまってとれないらしいので、他3人の都合も考え、1月のはじめにねらいを定めた。そして宿泊地。さすがにミヤムラ氏の家に泊まるわけにもいかんので、神奈川の名湯「はこね」に目を付ける。インターネットでいろいろ調べるも、とにかく高い。特に年始は特別営業で通常の20%くらい高い。でも早くしないと予約が取れなくなる、うーん。
 困ったうぶさわブラザーズは、親に相談。「どこか神奈川でいい宿泊地ないかねえ」。返事「そんなのは神奈川の人に頼んでもらえばいいだんべ」。しかし、うぶさわがが勝手に押し進めている感の強いこの企画、さらなる迷惑はかけられんのだと説明すると、「大山の業者に聞いてやらあ」。こんにゃく粉の卸をしているうぶさわ商店の取引先が大山にある。でもおとうとははあまりコネは好きじゃない。そのあともつながりが大変だからだ。でも背に腹は代えられない。とにかく聞いてみることに。
 「鶴巻温泉がいいよ」
 近場にいい温泉があるんじゃん。インターネット調査。しかし高い。そんな中、大山参りの宿坊をいくつか見つける。なんだ大山にも泊まるところがあるんじゃん。でも大山の業者が鶴巻を薦めるって?ちょっと不安になったので、いくつか宿の様子をふたたび大山の業者に聞いてみる。そんなに悪い旅館じゃなさそう(でも悪い旅館ってどんなの?)。
 ということで、電話をかける。でもおとうとはデンワが苦手なんだよなあ、などといっているとあにが「おまえはホントにやる気があるのか」。またおこられた。不条理を感じつつもデンワをかけることに。
 まず「宿坊かげゆ」にコール。「すいませんいっぱいなんですよー」。2件目のたけだ旅館にコール「大丈夫ですよ」。決定。しかし宿代を聞くのを忘れる。やむなくもう一度デンワ。「ウルワシさん(大山の業者)の知り合いなら安くしてあげますよ」。おお、コネも捨てたモンじゃないね。

3.いざ、出発
 宿泊地も決まったところで、旅行には欠かせない「しおり」の作成。適当に作ったが8ページになった。まずハセヌマ氏に「いつも泊めてもらっているお礼の下仁田ネギ」といっしょに送付。フジマル氏にはハセヌマ氏に渡してもらうことに。ミヤムラ氏には……あとで郵送しよう。
 かくして2000年ミレニアムイヤーも終わりを迎えようとしていた。が、おとうとはなぜか風邪をひく。12月23日、点滴打っても熱が下がらない。果たして出かけられるかどうか不安になってきた。25日、おお、下がった。しかし昼頃にふたたび発熱、何年ぶりか分からない39度台に突入、こりゃあまずいなあ。28日、ようやく解熱。その後大掃除などをして、除夜の鐘。……ミヤムラ氏にしおり送るの忘れた。まあいいや。
 1月4日AM7:20。おとうとの愛車「すぱしお」で出発。まずおとうとが運転。上信越道から関越道へ入る。すると目の前にふしぎなものが(写真中央)。虹?こんな晴れているのに虹とはめずらしい。幸先のよいスタートとなった、イヤ、何か不吉な前兆かも。
 途中、高坂SAで『オードリー』をみる。長嶋ジュニアはなかなかがんばっている。

4.早いって
 車は順調に流れ、三芳PAへ。ここで運転をあにに交替。少し休んで出発。所沢ICで降り、国道254号線へ。
 ……おかしい。いくら年始ったって、順調に流れすぎだ。9:30池袋通過。ハセヌマ氏邸到着予定時刻は10:30。早すぎる。困った。とりあえずデンワ。「今池袋です」「えーっ」さすがに驚く。そりゃあそうだ。その10分後、ハセヌマ邸到着。ハセヌマ邸のご主人登場。「今お風呂に入ってるんで、ちょっと待っててください」。しばらくして、ハセヌマ氏登場。2人して「いやあ申し訳ないです」と言い合って、すぱしおに乗り込む。
 ここからはしばらく都内を走ることもあって、混雑イライラ解消用に持参したアニソンMDを聞きながらゆったりと旅を進める。いちおうハセヌマ氏がフジマル氏にデンワ「えっ、もう?まだ寝てたのに」。前日アキバ巡りをしたフジマル氏、寝たのはその日の5時近くだったそうな。かわいそうなのでもうしばらく寝かせてあげることに。
 さて一行。おとうとがナビをしながらあにが運転。「新青梅街道からカンパチに入るんだよな」「あれ、通り過ぎてらあ」……ぐーるぐる。ようやくカンパチへ。「カンパチから大山街道(国道246号)に入るのはこの辺かい」「ショートカットがあるよ」「じゃあ曲がるよ」「あっ違った」……ぐーるぐる。やっとの思いで大山街道へ。流れは相変わらず順調。車は大和へ。「そのまま走ればいいよ」「あれ、左折レーンに入っちゃった」……ぐーるぐる。あきれ顔のハセヌマ氏。怒りが頂点に達したあに。「このヘタクソが!!」。うぶさわブラザーズの場合、道間違いや事故(起こしたことないけど)は全てナビの責任になる。またまた不条理を感じるおとうとであった。
 厚木基地を車窓より見学。そしてフジマル氏邸の近くに来た。12:30。昼ごはんは食べなかったので予定より2時間も早くなってしまった。しかし具体的な場所が分からない。……ぐーるぐる。ハセヌマ氏が電話を入れる。「スリーエフのところに止めとけばいいよ」。しばらくしてフジマル氏登場。「早いって」。

5.恐るべしミヤムラ邸
 フジマル氏を乗せた車は一路厚木へ。車内はゲームやアニメの話で盛り上がる。そのうちに厚木市内を通過。フジマル氏がミヤムラ氏に電話を入れる。「あれ、もう?」「予定が1時間ずつ早くなってるから」「じゃあ愛甲石田駅で待ってるよ」「いや、ミヤムラ氏の家におじゃまするのが今回の目的だから」。とまどうミヤムラ氏であったが、だれもフジマル氏には逆らえない。デンワでナビをさせながら、ついにミヤムラ氏邸に到着。ここで思うことはただ一つ。「メシだ、メシ」。ということで近くのガストで食事を済ます。
 早速ミヤムラ氏邸へ上がり込む。ミヤムラ氏邸のおかみさん登場。「ようこそ遠いところいらっしゃいました」。お茶が出される「足柄のお茶なんですよ」。お雑煮が出される「三浦ダイコンのおろしが入っているんですよ」。いろいろいただきました。いろいろな世間話もしました。すごくおもしろいおかみさんで、ミヤムラ氏もなかなかいい環境で育ちましたなあ、とつくづく感じた4人であった。
 そしておかみさんいわくの「びっくり部屋」(要するにミヤムラ氏の部屋)を拝見。きれいなものです。なんでも「いそいで片づけたんだよ」とのことだったが、机のまわり・本棚もきれいに整頓されて、もともと散らかっていた部屋とは思えない。
 とりあえず本棚をのぞく。少年誌系から少女誌系までさまざま。それをみたハセヌマ氏いわく「さすが、押さえるところは押さえてますね」。続いて電子ピアノ発見。ミヤムラ氏は「クラシックピアノ」の名手とのウワサ。さっそく「リゲインBB」のCM曲と「即興幻想曲」を弾いてもらう。すげえ。写真に撮りたかったが、曲が終わってしまった。残念。

6.旅館到着
 PM4:30すぎにミヤムラ氏邸を出発。ここでうぶさわ家に電話を入れる。「みんな回収したよ」「そうかー。そうそう、旅館からデンワがあったぞ」。ということで、旅館に電話を入れる「今伊勢原に入りましたのでもうすぐ着きます」「そうですかー。いや、本当に来るか不安になったんでね、デンワを差し上げたんですよ」。その言葉になんだか妙な感じをおぼえつつ、PM5:00すぎ、旅館に到着。さっそくお風呂にはいることに。まあ、温泉ではないにしても、なかなかいい感じの風呂づくり。とぷん。熱い。めちゃくちゃ熱い。水でうめながら入る。どうやら循環湯が熱いらしい。吸い込み口に座り流れを止める。おっ、いい温度。いやあ極楽極楽。
 食事。鍋がある。あける。お肉がのっている。噂に聞く「ししなべ」か?「ぶたにくです。予約がないと普通のぶたにくなんですよ」。ああ、予約しておくんだった。……いやあ、おいしかった。さて部屋にもどるかね……「あれ、ごはんが出ますのに」。普通そうだよな。大学のセミナーハウスはごはんがいっしょに出てくるので、ついないものかと。あまりそういった常識のない5人なのであった。
 食事を終えて部屋にもどる。部屋が広がっている!続き間のふすまが取り払われていた。「こんな広い部屋はじめてだよー」。さて、かねてから企画していた「アニメ制作」をはじめる。内容は……フジマル氏が以前話していた「ラジオ体操」はどうか。うぶさわはビデオを用意していた。「これは自分で作りたいだけなんだけど」とフジマル氏。とりあえず見るが、むずかしそうだ。そんな中、うぶさわブラザーズの携帯ストラップに目がいく。「これでいいよ」。ということで、アニ研版「やんちゃるモンちゃ」(「おかあさんといっしょ」内アニメ)に決定。
 徹夜の作業……と思いきや、適当なところで寝る。みんなもう歳だ。しかしフジマル氏は黙々と作業を進める。さすがだ。情熱をもってアニメを作っているんだなあ。アマチュアにしておくのはもったいない、と思う4人であった。

7.旅館出発
 あさごはん。ごはん・みそ汁・焼き魚・ベーコンエッグとオーソドックスながらも舌鼓。そんな中、実は「やんちゃるモンちゃ」をブラザーズ以外は見たことがないというので、食事部屋のテレビで「おかあさんといっしょ」を見ることに。「やんちゃるモンちゃ」が始まる。「見たらかけなくなっちゃったなあ」。うーん、それは困るんだけど。流れで「デ・ポン」「だんご3兄弟あっという間劇場」も見る。なぜか大爆笑。追い打ちをかけるように歌「♪ふり向けばミトコンドリア〜」。笑いすぎて食べ物がのど通らないっス。
 部屋に戻ると、布団がたたまれていた。セミナーハウスだとこうはいかない。しかし、旅館の女将さんに「1人寝てなかったでしょ。そのままだったよ」。しまった、見抜かれていたか。
 そうこうしているうちにチェックアウト。「あっ、記念写真とるの忘れた、まあいいや」。いい加減な5人。ということでこの写真はパンフレットの写真です。
 さて、大山参りに行きますか。ここまで来て何もしない、という訳にもいかないのでね。第1駐車場へ向かう。すでに満車。やむなく少し下の第2駐車場へ引き返す。最初の目的地は「大山ウルワシ本舗」。旅館を予約するときにお世話になった業者さんである。うぶさわ家から持ってきたおみやげを持ち、参道をのぼる。意外と急な坂道。つかれる。みんなもう歳だ。汗だくになってようやくウルワシ本舗に到着。
 「よくきましたねえ」お茶を一杯もらう。ふう。一息ついていざ、大山参りへ!

8.大山参り
 ケーブルカーに乗って大山阿夫利神社下社へ。「火事とか起こらないよね」ほら、オーストリアであったでしょ。「前にトンネルあるよ」。うーん。まあ、そんなこと気にしていても仕方ない。ごごごごご。ゆっくりとのぼっていきます。
 到着。ここからは徒歩で神社へ。すぐ着いた。写真。うぶさわあに・フジマル氏・ハセヌマ氏が写っています。さあ、どこでしょう。それはおいといて、お参り。……おや、厄払い?みなさん24歳の厄をすっかり忘れていた様子。「まあいいや」。やっぱりいい加減な5人であった。さて、おとうとは教員採用試験合格祈願。お守りを買い、また護摩炊きもしてきました。
 ちなみに、どうやら上社というのもあるらしい。しかしそんな体力は残っておらず、そのまま帰ることに。やっぱりみんなもう歳だ。
 帰りにもう一度「ウルワシ本舗」に寄る。社長さんがいた「いやあどうも」。こんにゃくの話で盛り上がる。うぶさわ以外は興味のない話だったかも。ごめんね。さて、田楽が出てくる。おいしい。「柿しぐれ」というお菓子(ウルワシ名物)もいただく。大評判。さらにカレーまでいただく。昼ごはん代がういてしまった。せっかくなので、みんな「柿しぐれ」を買って帰る。あには「大山コマ」も買ってきた。
 ちなみに帰りの駐車場までの道は車でいっぱいだった。早めに来てよかったね。

9.ずさんな計画
 じつはブラザーズははこのあとの計画を立てていなかった。どうしよう……全くずさんな計画に、フジマル氏・ハセヌマ氏・ミヤムラ氏は「なにやってんだか」と思った(に違いない)。
 迷ったあげく、「海を見に行こう」ということになり、湘南の海に向かう。途中「生沢(いくさわ)」というバス停を見つける。思わず喜ぶ「うぶさわ」ブラザーズ。ちなみに3人はつかれて一眠り。
 車は西湘バイパスへ。海がみえてきた。「おおおおお」。海がこんなにキレイだとは!!感動する5人。PAで一休み。ハセヌマ氏は車の中でもう一眠りするというので、4人で海の方へ。海からの風はきもちいい、というより寒い。冬なので当たり前。ふと下を見ると、砂浜に点々と残るネコの足跡。ネコをさがすフジマル氏。さすがである(何が?)。ブラザーズはその後の予定を立てる。「とりあえず、小田原方面に行くかねえ」「箱根は混んでるみたいだから」。
 更に車を走らせること30分。小田原に到着。「小田原といったら蒲鉾でしょう!!」「いや小田原城だよやっぱり」。ってなわけで、駐車場に車を止め、小田原城へ。

10.デジャヴ?
 小田原城址公園。まずは動物園へ。「旅行とかでよく来たよねー」懐かしむフジマル氏とミヤムラ氏……あれ?何かが引っかかるブラザーズ。「前来たことあるよねえ」。封印された記憶が今、よみがえる。なんと16年ぶり2度目の来園だったのだ。確かに写真も残ってました。さて、ゾウのハナコ。家の中にいた。「久しぶりにでかい動物を間近で見ましたよ」感動するハセヌマ氏。ニホンザル。子ザルをだっこしている母ザルの姿におもわず涙のおとうと。
 さて、お城の中へ。でかい。中は資料館になっている。思わず見とれるフジマル氏とミヤムラ氏。刀がたくさん。「これでたくさんの人が切られたんだろうなあ」とか思うと、なんだかなあ、という感じ。
 最上階は展望台になっている。見晴らしがよい。殿様はさぞご満悦だっただろうなあ。
 そして一行は帰路へ。小田原市内。……ぐーるぐる。やっぱり迷っているうぶさわブラザーズでありました。小田原厚木道路を通って、厚木西ICへ。「ここはよく事故が起こるんだよ。うちが引っ越してきてからもう何十回かなあ」とミヤムラ氏。たしかに怖いICでした。

11.目がぎんぎん
 ミヤムラ氏邸に到着。ミヤムラ氏とサヨナラして、一行は綾瀬へ向かう。「デジキャラットのぷちこの声は現役の高校生」などといった話題で盛り上がる。
 綾瀬市。フジマル氏邸に到着。ふと駐車場を見ると「相模500・Y・……」というナンバーの車が。そんなナンバーがあったのか!「米軍関係者が住んでるからねー。少しでも不審なことしたら殺されるよ」あっさり言ってのけるフジマル氏であった。
 さらに一行は板橋へ。今度は迷わず着きました。「おつかれさまでした」。一行は最終目的地、下仁田へ。
 所沢ICの前で給油。なんか中途半端な量入れたな、と思ったら、「3000円になります」。ぴったりになるように調節したのか!?なかなかのやり手ではないか。感動しつつ関越道へ。三芳PAで夕食を食べ、ここから運転手をあにからおとうとへチェンジ。夜の高速は怖い。かえってしばらく目がぎんぎんして眠れないおとうとであった。

 先日、フジマル氏からアニ研版「やんちゃるモンちゃ」の原画を手渡される。しかし言い出しっぺは全然原画描きが進んでいないのであった。いつ完成するのやら……


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