いつになったら見せられるのさ
■黒日記■
※一週間分だけ残る仕組み。
積み上がっていきます。
2002.3.31
「ほ、骨…」ある職業マンガ描きの最期の言葉

 いやまあ…今日は調子が悪いってことなんだろうと…。

 でもなあ、根本の描き方が全く違うのでなかなか…見た目はそんなにかけ離れてない…けど、今日のボクには因果地平の彼方くらいまで全く違う理屈で描かれてるように感じられるのでさて困った。
 見た目を似せるだけなら出来ますよ?でも自分の絵柄を近づけるのがちょっと大変(違いがお分かりいただけるだろうか)。
 昨日までの調子はどこへ行ったのか…いや、「秘密仕事」はまあ順調なんですよ。つまり、「秘密仕事」は自分の絵柄、「秘密企画」は違う絵柄、その切り替えが大変ということで。どっちか片方だけならねえ、こんな苦労もしなくていいんですが。
 もちろん、2つの仕事を同時にやるメリットもあるのだけれど、今日はデメリットの方が強く感じられる日ということで。

 あー…「ギャラクシーエンジェル」が終わってしまった…来週から日曜はなにを楽しみにすればいいのか。 
2002.3.30
「それは快感です!快感なんです!!」

 …いや別に怪しい事をしているわけではなくて。
 昨日出来なかったことが、次の日起きてみるとアッサリ出来たりして。寝てる間に脳の最適化が終わりました、みたいな。時々こう、ひょっこり「階段」を上ることがあるのよね。
 今回は突然「右手の回路が繋がりました」というカンジなのでなおさら快感度が高いです。

 昨日書いた方式も今のところ上手くいっている。この調子でやっていけば、とりあえず「秘密仕事」は大丈夫だろう。

 問題は「秘密企画」の方で。まだ出来上がりがイメージ出来ない。さて困った。
 単に経験不足のせいなんだろうけど、出来上がりのイメージが出来ない→トーン処理等仕上げの仕方がわからない→どう描いていけばいいのやらわからん。そう、今までと同じ。
 個々の技術は特別下手ってほどではないのに、なんで完成原稿はこうなっちゃうの、みたいな。
 どうしたものか。いっそのこと鉛筆描きではダメか。ダメだよな。ああ困った。
2002.3.29
彼は悟った。「『合間』なんて永久に来ないんだ!!」

 今までもいろいろ仕事の仕方を模索してきたけれど、今回ばかりはちょっとマジメに考えないとヤバげ。片方の仕事の「合間」にもう片方をやればいいや…なんて考えてやってると、どうやらダメらしい。「合間」なんてないんだもん。
 で、完全に時間で区切ることにした。大雑把に言えば、昼と夜で違う仕事をやる。昼の仕事は夜には絶対やらない。逆も同じ。二つの仕事を「平行」ではなく「交互」にやることにしたわけ。
 基本的なタイムスケジュールは勤め人をしてた頃に準ずることにする。「辞めてからも時間に縛られるのはヤダな〜」などとフヌケたことを考えていたが、「〆切」という絶対時間が存在する以上、結局はこの仕事も時間に縛られていることに代わりはない。ならばその「縛り」を少しでも緩くしなくてはならない。そのために10年(!)経験したリズムを使わない手はあるまい…というわけで結局元に戻っただけだったという話。

 もう一つ、描き方(考え方)を変えてみた。芸術家気取りで描くのは止めようと。求められるのは職人気質だろうと。ある意味「やっつけ」ではあるのだけれど、やることは決まってるんだから、変に悩むのもバカらしいなと。(まあこのことは前から考えてはいたのだけれど、やっと実践できるようになったということです)

 そしたら、異様に早く描けた。いや、今までと変わりない、「普通の」速度のハズなんだけど。時間で区切ったおかげでその速度を持続できたというのと、描き方(考え方)を変えたおかげで効率が良くなったというので、結果的に早くなったわけだ。
 まあ簡単に言えば「マジメに」やっただけなんだけど。「マジメに」やるための方法が見つかったということだな。なんか情けない気もするが。

 人間は、やはりなにか「縛り」が無いと、「マジメに」やることすらできないものなのだな、と。
2002.3.28
「祐介は本気になった!」今さら。

 いやー、「秘密企画」担当の企画会社の偉い人にメールでお伺いを立てたら、「〆切は4月一杯」というお達しがあり。
 で、昨日も書いたとおり「秘密仕事」もなんか急かされてるので、モロにいわゆるバッティングってヤツでして。

 どっちかだけなら、ちんたらやっても平気!なわけですが、何度も書いてるようにワタクシ「シングル・タスク」な人で、一度に一つの事しかできないものですから、単純に仕事×2というわけにはいかなくて、大変なわけですよ。

 で、「黒日記」も「全部を30分でやる!」という自分内決まりでやってたのですが、最近それも崩れて1時間なり2時間なりかかるようになっちゃって。
 最初は「単なるウサ晴らし」だったのが、だんだん「ウケ狙い+実験場」の意味合いが強くなっちゃって。まあ後者も結局は「ウサ晴らし」ではあるんですが、その元の意味から考えると1時間というのはあまりにもかかりすぎ。それくらいの時間があれば当然絵の1枚も描けるわけで、言ってみれば…ここから先のグチグチは今までも何度も書いてきたことだから省略。

 まあ「仕事を圧迫しない限りは続ける」ということも前から書いてきたことなので。

 目処が立てば元に戻る…かも。

 富野由悠季著「映像の原則」が届いた。先日も書いた「楽天ブックス」に注文してたヤツ。取り寄せ扱いだったので遅れたわけだ。
 まだ3分の1しか読んでないけど、コレが結構おもしろい。「映像」業界で働く方から見たらどう見えるのかわからないけど、少なくともボクには「非常に、懇切丁寧に」書かれていると見えた。砕けた調子で冗談なんだかなんなんだかわかんないような記述もあったりして。
 実は富野御大って、本質的にはスゲー優しい人なんじゃねえかとか思ってしまったり。
 表紙から「本書を何度読んでもわからないという方は、やはり映像業界に就くことはお勧めできません」とか書いてあるし。映像業界だけでなく、他のいわゆる「表現」に携わってる人間には、刺激になる部分も多いと思われる。もちろん、マンガ描きにも。

 なんか最近は「富野作品」じゃなくて、「富野本人」に萌えてますよ。「天才」ではないんじゃないのか実は?と思っちゃうわけで、いや天才なんだろうけど、どこか現実世界を突き放せない、そのジレンマに苦しみ続けている人なんじゃないかと。ゴッドMのように「わかんねーヤツはわかんなくていいよ、バカ」というのとは違う気がするのよね。その人間臭さがなんか萌えますよ。
 実際に富野御大が解脱を達成されて、本人の作家性そのままに作品を作ったら…きっと誰も全く理解出来ないわけで、きっと本人もそれをすごくよくわかってて、だからわからせようとクネクネしちゃってたらこんなんなっちゃいましたー感がね、あるですよ。

 この見方、間違ってるかもしれないけど、ボクの中の御大像はこんなカンジーってことで。

 なんか結局長くなってしまった。
2002.3.27
 実際はもっとひどい歯並びなんですけどね

 そんなわけで、いつも同じところがやられるわけですよ。歯並びが悪いと、良いことがありません。おまけに噛み合わせも悪いしな。最悪ですな。前から言ってますが、お金持ちになったら治したいところですな。

 ネームの直しは気抜けするほどさらっと通り。実際の作画に入ることに…とうとうこの時が来てしまいました!今までと違って、技術的な事は一切考えないでネームを切ったので、さて実際に描けるのか?という心配が…。
 本当は「こんな絵描けなーい」なんて言いながらネームを切ってはいけないんでしょうが(だから、画力が上がるとネームを描くときにも幅が広がると言ってるわけですよ)。時間的な不安もあるけど、どちらかというと技術的な不安の方が大きい。

 さらに、ここには書けない他の仕事もだいぶ遅らせちゃってるので、そっちもやらないと。イカン、イカンですよ。スケジュールだけ見てるとホントに売れっ子のようです。でもビンボー。謎だ。

 まあしばらくは頭を使わないでいいというか、「体力勝負」ってカンジなので…とりあえず口内炎は治ってほしい…。

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