病院の院長に手紙を書いて懲らしめてやるなんていう考えは愚かです。
多くの医療裁判が難しいと言われる由縁は、カルテの改ざんにあります。
多くの人は、医師に不満を持ち、家族が不慮の医療ミスにあったり亡くなったりした時、病院・院長あてに手紙を書き、恨み辛みを書いて送り付けています。
実は私も、書きました。ただ、それは出しませんでした。
内部だけでうやむやにされても馬鹿らしいもっと、大々的に公言して大問題に発展させてやろうと考えたので、ポスト投函手前で送り付けるのをやめたのです。
送らないで正解でした。
母のカルテは半年間の入院で3枚。ちょっと内容がおかしいので、カルテの改ざんの可能性大です。しかし、看護記録が母の状態を克明に刻んでいます。
とにかく、怒りをぶつけないのが鉄則です。
そして、素早く弁護士を探し、病院名と主治医の名前を言い「証拠保全をして下さい」と言いましょう。
弁護士さんとお話をするだけで、1時間に1万円です。「証拠保全」という言葉とどういうものかを知っているだけで、随分、話合いの時間が省け話がスムーズに行きます。
「医療の裁判は難しい」と言われても、弁護士さんなら一応誰でも証拠保全はできます。
「とにかく、証拠保全はしてください」と言いましょうこの時、事件(病院の場所)の場所で弁護士さん探しをしましょう。
その方が経費削減になります。その時、無駄を省くため、何があってどうして訴えたいのかを、箇条書きにして、コピーをとって、弁護士さんに渡すと、話が早いと思います。弁護士さんは事情を全く知らない所から、話を聞き、陳述書を作成します。私の場合、陳述書が非常に甘い文章だったので、私自身の文章に書き直させて戴きました。
とにかく、最低でも、いつから入院して、いつ頃、何があって医師にどういう説明を受けたのかを箇条書きにして用意しておきましょう。裁判所へ陳述書を出し「証拠保全」手続きが完了したら、執行の日程が決まります。
裁判官と弁護士が病院に出向き、カルテをすべてコピーします。
そして、裁判官が一旦裁判所に持ち帰りそこで保管、依頼者の手元に来るのは、コピーのコピーです。
とりあえず、カルテという証拠を押さえたら安心、真実は一つです。
ここから、今の弁護士さんでいいのかを見極めましょう。その間、これから裁判をする事の意味、お金の問題。さまざまなリスクについて考え直さなければなりません。
最初にも書きましたが皆がみんな賛成して応援してくれるわけではあり
ません。
頭に置いて置いたほうがいいのが、「裁判は水ものです」裁判は時の運みたいな所があるという事です。
いくら自分の主張が正しくとも、すべて裁判官に判断を委ねなければなりません。とにかく、高いお金がかかります。証拠保全は誰でもできますが裁判をやっていく上で弁護士さんとの相性も問題になって行きます。自分が、この人と思える弁護士さんを探し出して、今後の方針を決めましょう。