第4章 8月10日 〜本番!よさこい祭り!〜
8時に待ち合わせ場所に集合。それぞれのチームの先頭には地方車(「じかたしゃ」と読む。ずっと「ちほうしゃ」だと思っていた)がつくのだが、その車がチームの音楽を流す。バンドが乗って生演奏のチームと、普通にCD等から流すチームと色々。うちは生演奏なのでバンドメンバーが乗り、でっかいステレオを積んでいる。そして外側は派手に飾り付けられる。ワタシ達のチームはメンバー80人おり、バス5台と地方車、救護車、給水車に分乗する。
一チームの最大人数は150人と決められていて、80人というのはそれほど大きなチームではない。そのチームが今年は50周年記念ということもあってか、171チーム、なんと2万人も参加するんである!2万人が踊るんですよ!みんな踊りたいんだね。見る人いるのかなと思ってしまう。
まずは地元で一回踊ったあと、カルポートという場所へ向かう。文化会館みたいな建物なのかな。ここは中のステージで踊るようになっている。既に3組くらい先に待っている。まだかなあと思っていたら、ここは踊るのは子供達だけにしますという連絡あり。良くいえば臨機応変、悪くいえばちょっといい加減に物事が進んでいるようである。
次はもうお昼。洞ヶ島公園にてお弁当が配られる。ワタシ達のチームは参加費6000円で、衣装と鳴子が支給され(終ったら返すんだけど)、昼と夜のお弁当、バス代なども込みである。ちなみにチームとしてのよさこい祭りの参加費用は5万円くらいらしい。
昼食:おにぎり2つ。唐揚。
なんだか午前中はだらだらと過ぎてしまったが、ここからが本番である。一番始めは愛宕競演場というところ。普通の商店街なのだが、聞けばここが一番の難所らしい。というのも距離が長いのである。大体、一曲は3〜5分くらいなのだが、その道の長さに応じて何度も何度も曲を繰り返し、踊り続けるわけだ。そして愛宕では10回近く繰り返すらしい。休み無く踊り続けること30分ですよ。
どうなることかと心配しながら踊り始める。最初のうちは道の両側に鈴なりのお客さんが気になってちょっと恥ずかしかったけれど、でも何せ踊りがうろ覚えなので間違えないように踊ることに集中しているうちに気にならなくなった。4回目くらいの繰り返しから暑さやら何やらでぼーっとしてくる。さすがにこれだけ繰り返していると、体が踊りを覚えてくれる。そしてもう限界〜と思う頃ようやく音楽が終る。踊り終わったところにはマラソンの給水所みたいなコーナーが設けられていて、冷たいお水を貰う。美味しい〜。
汗をダラダラとかきながら、ちょっとの満足感と、最初からこんなに疲れて一日中踊れるのかしらという不安がないまぜになりながらバスに戻る。ちなみにバスは普通の観光バスなんであるが、座席にビニール袋がかぶせてある。皆むちゃくちゃ汗をかくからの対策なのね。面白いわ。
そこから次はイオンの前へ。ここはお店の前に雛壇のように観客席が出来ていて、お客さんもそこに固まっているので踊り場は短く3回踊っただけで終了。楽勝だ。そのあと旭、上町とまわっていく。15箇所踊る場所(演舞場)があるのだが、「よさこいナビ」というシステムが導入されてから効率良くまわれるようになったらしい。それぞれの地方車にGPSを積ませて、各チームの居る場所を本部(?)が把握し、空いている場所へチームを誘導しているのだそうだ。またお客さんも見たいチームが今どこにいるかを携帯でチェック出来るんですって。便利なシステムではあるが、お祭りの為にこんなシステムを構築させちゃうなんてすごいなあ。しかしこのおかげで、各演舞場での待ち時間が減り、迷子も減ったそうである。うちのチームですらバス5台+地方車etcという構成なので、人数が多いチームは車の台数ももっと多いわけで、以前は地方車だけはぐれてしまったり…なんてアクシデントがよくあったらしい。道を行き交う車も、踊り子さんを乗せたバスか地方車ばっかりだし、わやわやとしているうちに迷子になってしまうのは想像がつく。
升形は混んでいるのでよらずに、城西公園で夕飯のお弁当。踊りまくったせいでむっちゃお腹空いている。こんなにお腹が空いたのも久しぶりならば、空きっ腹に食べるご飯は美味しいんだなというのもまた久々に実感。普段いかに不健康に過ごしているかの証のようなもんである。
夕飯:海老フライ。白菜とゴマのお浸し。里芋の煮物。ご飯。漬物など。
(踊りの)先生たちは列の先頭でカッコよく踊っているわけであるが、彼女達が「なんかまだ盛り上がらないわねえ」と言っていた。なんとなく判る気がする。楽しいことは楽しいのだけれど、淡々とこなしている感も否めない。しかし、よさこいは夜が本番!なんだそうである。これからどんどん盛りあがっていくんだって。大いに期待。
というわけで、夜の部第一段は追手筋南。ここはメインストリートとも言える。テレビ撮影がある場所らしい。と言っても、撮影されるのは追手筋北の方。ここは道が太いので、立派なヤシの木が植えられた中央分離帯を境に南と北に分かれているのだ。追手筋北は明日踊ることになっていて(つまり撮影も明日)、今日は南側で踊る。しかし北も南も同時進行で踊っていくのでウルサイことこの上ない。しかもやはりテレビ撮影のためなのか、北で踊っているチームの音が大きいせいで、自分たちのチームの音楽が全然聞こえないのには参った。先頭の方の人達は聞こえているようなので、それを見ながら頭の中でカウントを数えて踊る。隣(北側)のチームが踊り始めるときは鳴子を振って応援するのだが、自分たちも踊り出してしまえば「隣で踊ってるチームに負けるな!」みたいな対抗心もあって、今までにはない盛り上がり。
そのまま徒歩で今度は帯屋町へ移動。高知の町の中心部な上に、ここも距離が長いんだそうで、お客さんの数はこの演舞場が一番多いのかもしれない。追手筋からのそのままのテンションで踊り始める。確かに長いなあ。割とまっすぐなアーケードなので先が見渡せるのだが、終りが見えないぞ。でも慣れてきたのと、日が暮れて直射日光を浴びないで済むのでだいぶ楽。踊りの中で何回かしゃがんでポーズを取るところがあるのだが、そのたびに観ている人が団扇で扇いでくれたりするのもまた嬉しい<別に柵があるわけではないし、どちらかというと道幅も狭いので、お客さんまでの距離1mくらいになってしまうことがよくある。踊りつづけているうちに段々ナチュラルハイみたいになってきて、すごく楽しい気分。さすがにこの頃には踊りも完璧に覚えているので何も考えずにひたすら踊る。結局40分くらい踊っていたのかな。いやあ楽しかった!
でも、さすがに消耗して、給水所を探すも無い。しょうがない、自販機で飲み物を…と思ったら「踊り子の皆さん申し訳無いけど、このまま踊るよ」との案内。とっさに相方さんが買ったスポーツドリンクを一口もらって、定位置でスタンバイ。しかしこの京町演舞場は一回だけだったので何とかこなせた。ふ〜。そして今日の最後は中央公園。昨日の前夜祭でカッコイイ人達が踊っていたステージである。しかしそこは最後ということで他のチームも相当待っており、一時間ほど待ち時間がある様子。体力回復に努める。
さて実は踊りながらも気になっていたのが、メダルの存在。あちこちの演舞場で踊り終わった後、ふとチームの人を見るとメダルを首から下げている人が何人かいるのだ。特に先生たちは何個か下げている。どういうものなのかと周りの人に聞いてみると、各演舞場に審査員がいて、そのチームの中で良く踊れている人、何人かにそのメダルは渡されるらしい。100人前後の団体で、しかも踊りながら、どんどん前進しているのに、どうやって対象者を見つけて、どうやって渡しているのかは判らなかったけれど、羨ましい。ワタシも欲しい。しかし漸く踊りを覚えられたくらいだし、どうも今年はメダルを渡す基準が厳しいみたいという話もあり、望み薄ではある。メダル貰うために来年も来るかと相方さんと話していたのだけど、一応最後にもう一回ステージがあるので、そこで頑張ってみようということになった。
そして中央公園の舞台である。今までは四列になって前へ前へと進んでいく踊り方だったのだが、ここはステージなので、横に広がって、あまり前への移動もしないようにして踊る。お客さんはステージ前に一杯いるようなのだが、目が悪いのと自分の位置が結構後ろの方だったのもあって、お客さんのことは全く考えずただ踊りに集中していた。しかも最初は「メダル!」とか考えていたのだけれど、途中からもう踊ること自体が楽しくて楽しくて、無心で踊っていたんだと思う。そうしたら何と一曲目が終ったところでおじさんが走ってきて、メダルを掛けてくれたのである!うっわ!うれしー!!なるほど、こういう風に渡してたのかと頭の片隅で冷静に考えつつも、とにかく嬉しくて嬉しくて、二回目は更にハッピーそうな顔をしていたに違いない。エンディングの決めも通常パターンとはちょっと違ったのだけれど、皆一糸乱れぬ決まりっぷりで気持ちイイ!
最高に満足してステージを走り下り、よさこい祭り一日目及びワタシのよさこい祭りは終了したのである。
バスに戻る道すがら皆に自慢。明日東京へ帰るのにいいお土産出来て良かったねーと言ってもらう。そして相方さんにも見せたら、相方さんはすごく悔しがっていた。相方さんの方が踊りを覚えるのも早かったし上手だったのでやんぬるかなである。多分ワタシは途中から楽しくて楽しくてたまらないと思えたのが良かったんだろうな。しかしこのメダルの明暗が分かれたおかげで夫婦仲に溝が出来てしまった(笑)。
これが夫婦間に溝を作ったメダルだ!→
帰りのバスではさすがにぐったり疲れて爆睡かと思いきや、頭の中で音楽がぐるぐるまわってしまって眠れない。バスを降りてホテルまで歩いて帰り、シャワーを浴びてベッドへ。やっぱり音楽がぐるぐるしたまま眠りにつく。楽しい一日だったなー。
第5章 8月11日 〜まとめ〜
朝起きると予想通り筋肉痛が始まっている。しかし今日は帰らねばならない。しかも午前中の飛行機で帰って午後からは仕事である。ふひーん。空港で朝ご飯でも食べようということで少し早めにホテルを出る。またも後免奈半利線に乗り、野市からタクシーで空港へ。お土産屋さんをぷらぷら見て、鳴子を買うかどうか散々二人で検討したものの、東京で使い道があるわけでもなし断念する。ちょっと高かったせいもある。
朝食兼昼食:(空港にて)じゃこ。鰹の佃煮。鰹のふりかけ。出汁巻き卵。ご飯。お吸い物。
そして予定通り飛行機に乗り、帰京。相方さんとは羽田で別れ、そのまま会社へ向かう。筋肉痛で腕が肩より上に上がらないし、やっぱり相当疲れてるし、きっと仕事にはならないだろうけど。しかしチームのメンバーは今日も踊ってるんだよねー。偉すぎ。
それにしても相当楽しい旅行であった。国内旅行もいいねー!やはり国内は言葉の問題が無いのがラクチンだわね。宿とかレンタカーとか交通手段とかに多大なる神経を使う必要が無いし、生活習慣とかも海外ほどには違わないし。
美味しいものも食べれたし(讃岐うどん!)、よさこい祭りもとってもとっても楽しかった。お祭りで踊る側に参加するのって伝手が無いとなかなか難しいかもしれないけれど、「踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損損」を身を持って感じた体験であった。お祭りのパワーもすごくて、ずいぶんとストレス解消にもなった。台風もどうなることかと思ったけれど、結果的には日程には全く支障は無く済んだし、逆に普段見ることの出来ない自然の猛威を経験できたのは良かったと思う。総じて大満足な旅行だったよ。
おしまい。
一日目 第0章 そもそもは / 第1章 8月7日 〜魅惑のさぬきうどん〜
二日目 第2章 8月8日 〜台風に翻弄される〜
三日目 第3章 8月9日 〜高知はええとこ〜
四日目 第4章 8月10日 〜本番!よさこい祭り!〜 / 第5章 8月11日 〜まとめ〜
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