ひざを柔らかく 1
「ひざを柔らかく使え」と良く聞きます。ひざを柔らかく使うってどうすればいいのか。ひざを深く曲げること?曲げる回数を増やすこと?曲げる速度を上げること?いろいろあるでしょうが、私の考える「ひざを柔らかく」とは、「縮み込みの抜重」と「延び上がりの抜重」を自在に使うこと。特に「縮み込みの抜重」「ひざの抜き」をうまく使うことがキーポイント。これができれば、あなたも藤田になれる。?・・・・・。
「抜重」という言葉を聞きなれないかもしれませんが、スキーをやる人は良く聞く言葉だと思います。ちなみに話はそれますが、藤田先生を始め、不思議に武道センターには、スキーの指導員、準指、1級の資格保持者がごろごろしています。スキーと空手のひざの使い方に共通点があるみたいです。
話をもとに戻しましょう。足を動かして体を移動させようとしたら、動かそうとする足裏にかかっている体重を抜かないと足を動かすことはできません。足裏にかかっている体重を抜く方法は3つあります。
@動かさないもう一方の片足に重心を移動して、力の掛からなくなった足を動かす。
Aジャンプして(ひざを延び上がらせて)足裏を床から離れた瞬間に移動する。
B足の力をすばやく抜いて(足を縮み込ませて)、体が落ちて体重が足裏にかかる前に足を動かす。
@は、普通に歩くとき動作、Aはジャンプする動作で、これが「延び上がりの抜重」です。Bがここで一番説明したい「縮み込みの抜重」です。Bは、立っている状態から一気に足(膝)の力を抜いて、慣性で胴体が空中に残っていてる状態(時間)で、足裏に体重がかからなくなった瞬間に足の位置を変える動作です。
@ 両足を平行(普通に立つ)にしてひざをほんの少しだけ曲げて立ちます。
A 次に足の力を一気に抜いて(自然とひざは屈曲します)胴体を下に落とします。
(慣性の法則で体はすぐには落ちません)
B 転んでしまうので、ひざを曲げた状態のまま、曲げた足に力を入れてドンッ!と踏ん張ります。
C @〜Bをもう一度やってみます。今度は、Bで左足を前に右足を後ろにほんの少しずらして踏ん張ります。
スキーのモーグルの選手が上体をピクリとも動かさずにコブを次々に乗り越えてゆく、あのコブの頂点に入るときの感覚です。
この「ひざの抜き」が使って、前ひざの抜きで「高速の突き」、後ろ足のひざの抜きで「高速の引き込み突き」が可能になるのです。この「ひざの抜き」は実はそんな高度な技でなく、普通の歩行でも基本の移動でも自然の動きとして知らず知らずに使っているのです。ただ、これを意識して使うことで、さらに技の幅が広くなるのです。 To be continue・・・・・・