2.17難病・慢性疾患対策を考える集い

2003217日(月)12:3015:30

衆議院議員会館第1会議室

昨年1118日に開催した
「難病対策・小児慢性特定疾患対策の将来像を考える集い」に引き続き
平成15年度予算政府案や厚生労働省のその後の見直しの動き
をふまえて
現時点での国、政党の考えを聞き
患者・家族の願いを訴える機会とするため
この集会が開催された。
主催は日本患者・家族団体協議会(JPC
全国難病団体連絡協議会
その他の患者団体で構成されている。

【各政党からの提言】趣旨

 坂井隆憲氏 自民党衆議院議員 党難病議員連盟幹事長

超党派でいろんな集会に呼ばれているが、どうして難病の会がないのかと思っていた。こういう会には国会議員がきて、マスコミも関心を持つことが大切だ。地元の当事者の声や難病患者の声を聞いて何とかしなくてはいけない、政治が立ち上がらねばと思った。予算には厚労省や当事者を含めた外部からの応援団が必要だ。今少しずつ変わってきたが、今後大きな制度的補助金としていかなければならない。小慢については8月末の概算要求までいろんな案を作って法案化の考えをもって来年概算要求していきたい。八代英太先生が障害者基本法に関わっているが、なんとか難病も加えられないか努力されている。

 谷 博之氏 民主党参議院議員 党難病対策作業部会担当

制度的補助金でも裁量的経費と見なされた分は削減の対象となる。当初、立法案では「難病の定義」としたが「難病の範囲」とすることで対象を広くした。障害者福祉、介護保険、児童福祉、精神保健など既存の制度との連携をはかりその谷間を埋める理念法的法律案を考えている。同時にガンや糖尿病などの慢性疾患やアレルギー性皮膚疾患などへの施策充実安定化が必要。また小慢もエイジフリーの立場で考えていくべきだ。WTOのICF(国際生活機能分類)を導入できるよう国際社会と同等の障害認定基準の見直しにも取り組みたい。(立法案は谷博之氏のホームページ参照)

 阿部知子氏 社会民主党衆議院議員

25年間小児科医をやってきた。民主党の谷先生の法律案には敬意を表したい。この理念法には国の責務と地方の責務を明確にしなければならない。小慢はあれこれ言わず拡充しかない。予算が減ったときに軽症患者から切り捨てが起きる。しかし結局軽症者が悪化して医療費がかかることになる。予防医療が大切だといいながら軽い患者が医療にかかりにくくしている。医療自体も地盤沈下していることがますます患者を重症化させている現実を多く経験している。

 福島 豊氏 公明党衆議院議員 党厚生労働部会長

皆様方の熱意を受けて制度の安定化ということで「制度的補助金」として予算増額を勝ち取ることができた。また自己負担のあり方についても10月までに皆様方の意見などを聞いたうえで厚労省と話し合いをしていきたい。事業評価制度についてもどのように定まっていくのか厚労省と話し合っていきたい。福祉施策については難病相談支援センターが始まるがとても大切な事業であると考えている。就労支援については今国会提出の法律案によって都道府県が職業紹介をできるということになる。在宅福祉は市町村が主体となっているが県との連携が必要になってくる。小慢については新しい総合的な制度を作ったらどうかと思っている。世界に誇る難病対策をよりよいものとして構想していく必要がある。

 小池 晃氏 日本共産党参議院議員

小慢は2億円増、特定疾患30億円増、難病対策全体で71億円増。これは3年ぶりのこと。これは皆様の運動のたまものだ。低所得者は負担減になるが、外来治療は負担増のケースが多くなる。家族からの費用徴収ということになれば難病患者の自立に逆行することになる。もっとも問題になるのは軽快した場合一般医療に移行するというがその基準を決められるのか、悪くなった場合に再認定がスムーズに行われるのかということだ。まして軽快期は医療費がかからないものだ。要は公共事業依存型政治から社会保障を中心に据えた政治に転換する必要がある。

 武山百合子氏 自由党衆議院議員 党厚生労働部会長

難病対策がなかなか前に進まないのが現状だ。政治が決断しないのが原因だ。医療は地域が主体にならなければならないが3割自治で7割が国からの補助金頼みだ。これを変えていくためにも市町村や県に陳情していただきたい。医師会にも訴えてほしい。私も障害者だが、精一ぱい声を上げても進まないのが現状だ。皆様のこの運動を国民全体の声にして改革を進めていきたい。

【患者団体から基調的報告と要望】

 伊藤たてお氏 日本患者・家族団体協議会(JPC)代表幹事

●軽症の一般医療化について

軽症の基準をどのようにするのか。軽症でなくなった場合の時間的制約はどのようになるのか、大きな問題だ。事業評価制度についても患者・家族の負担増加や不利にならないようにしてほしい。

●受給者証の有効期限について

10月1日から9月30日までになるのは、冬期間の患者移動の困難さを考えると歓迎できる。

●居宅生活支援事業について

給付品目は拡大されたことは高く評価されるが、この事業を各市町村に周知徹底させることが大切だ。しかも介護保険との関連を重視し、ケアマネジメントに取り入れるよう関係機関と連絡調整を急いでほしい。

●事業評価の導入と1年更新について

3年ごとの継続認定が1年ごとになることについて、その書式の簡素化や、患者負担増につながらないよう配慮してほしい。

●低所得者への配慮について

住民税非課税者が負担減になるのは評価できるが、低所得者への配慮が世帯の全所得という「世帯単位」とするのであれば家族内での患者の立場をますます悪化させるおそれがある。

●難病相談支援センターについて

画期的な提案として評価している。規模は小さくとも地域における患者・家族にとって大きな光となるよう、われわれ患者会も研究し、充実したセンターとなることを願っている。

●重点施策実施5カ年計画について

平成141224日、障害者施策推進本部決定による計画の冒頭部分の「障害の原因となる疾病の予防及び治療・医学的リハビリテーション」の第1項に「難治性疾患に関し、病因・病態の解明、治療法の開発及び生活の質につながる研究開発を推進する」と掲げられたことを歓迎し、今後、難病対策、小慢事業、慢性疾患対策がより大きな輪の中で検討され推進されていくことを心から願っている。

 【厚生労働省からの説明】

名越 究氏

厚労省健康局疾病対策課

 
難病対策について

宮本哲也氏

厚労省雇用均等児童家庭局母子保健課

小慢事業の見直しに ついて

 

【患者の訴え】

各団体から切実な患者の訴えが発表されました。(写真下は各団体の発表者)

1.全国パーキンソン病友の会

2.全国膠原病友の会

3.全国多発性硬化症友の会

4.全国心臓病の子どもを守る会

5.全国筋無力症友の会

6.全国IBDネットワーク

7.全国IDDMネットワーク

8.スチーブンスンジョンソン症候群の患者を守る会

 

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