対 県 要 望 会

2006年9月6日 県民文化会館

平成18年度 対県要望に対する県回答


県側担当出席者(30名)

患者会側出席者(50名)

県側出席者:健康対策黒田課長ほか各副課長以下30名

患者会側:10疾病団体50名

T[共通事項]

1.県難病・子ども保健相談支援センターについて下記の点に ついてお願いします。(事務局・スマイル・新宮東牟婁難病連)
@運営主体はどこですか。
@運営主体は、和歌山県です。

A現在開設中の54.5%が患者会が運営主体となっています(JPA調査H18.5)が、NPO法人難病患者障害者相談支援センターNSCとの共同運営または運営協議会等お考えでしょうか。
A治療、介護等の療養生活や、教育、就労等の日常生活などにおいて、様々な不安や困難を抱える難病患者や家族の支援に対し意見や助言をいただくために、医療機関、患者団体、教育・就労等の関係機関からなる運営協議会を設置する方向で検討をしています。

B支援体制は保健師、福祉職員を配置するとなっていますが、当事者の採用はお考えですか。
Bセンターは、保健師及び福祉職員の5名で支援を行うこととしています。なお患者会等におきましても、ピアカウンセリング等においてセンターを側面からご協力いただきますようお願いします。

C就労支援については、障害者手帳をもたない難病患者が門前払いされるケースが多々あります。特にご配慮下さい。
C就労支援につきましては、ハローワーク等の関係機関と連携して相談会を開催するとともに、難病患者の就業上の面で事業主に理解を得るための研修を実施するなどの支援を中心に行ってまいります。

D国と県指定の難病以外について、当事者及び家族のフォローはどのようになりますか。
D(一部省略)センターにおいても国指定等の難病患者・家族を中心として、疾病により長期に療養されている方の相談に応じ、必要な支援を行うこととしております。

Eセンターには相談室も設置されていますが、新宮地方の患者が利用するのは現実的ではありません。和歌山県の地域特性を考慮し、新宮市にもセンターを設置して下さい。
E現在のところ新宮地方に独立したセンターを設置することは、県の財政上の問題もあり非常に困難であると考えています。しかしながらセンターとしても紀南地方において相談会を実施するなど難病患者の療養支援を行っていくとともに、電話相談も実施しておりますのでご活用願います。(後略)
2.障害者自立支援法に関して以下のことをお願いするととも に、国に対して意見書を上げて下さい。(事務局・フラット)
 @利用者負担が「応益負担」になったため、現状では障害や病気の重い人ほど給付に対する負担が増えています。
 A対象者を身体・知的・精神の3障害にこだわらず、施策の谷間に置かれる内部障害者や難病患者、長期慢性疾患患者を含めた総合的な福祉法にして下さい。
 B「自立支援」と言いながら世帯収入を所得と考える費用徴収には矛盾があります。「本人所得」を基準として下さい。
 C更生医療や授産施設利用においても県独自の補助を付けるなどして現在のサービス水準を維持して下さい。
 D障害者自立支援法のもとで新事業に円滑に移行できるように支援して下さい。また、その際に作業所利用者が、応益負担のために利用を断念することのないよう配慮して下さい。(フラット)

回答:県としましては、昨年の6月15日に「低所得者に対する更なる配慮措置」「難病患者や発達障害及び高次脳機能障害者等への対象拡大等」について、国に対して意見書を提出してきたところであります。また。自立支援法附則第3条に規定されている「障害者等の範囲の検討を含め」必要な措置を講ずる旨の規定、それを受けて衆議院厚生労働委員会において、付帯決議として「難病や発達障害などを含め、サービスを必要とするすべての障害者が適切な利用ができる普遍的な仕組みにするよう検討すること」が盛り込まれています。こうしたことの早期実現に向け、近畿の障害保健福祉関係者会議を通じて、国に要望書を提出しているところであります。
 なお、利用者負担については、税制及び医療保険において親、子、兄弟の被扶養義務者でない場合には、障害者本人及び配偶者の所得を基準にすることが可能であること、社会福祉法人等が行う通所授産・障害児入所施設等を低所得者が利用した場合には、定率負担を半額程度に減免することができる措置がなされているところであります。
 小規模作業所等の新事業体系への移行につきましては、経営・労務管理の専門家派遣などを通して支援してまいります。また利用者の利用促進を図る意味からも、授産施設等で支給される工賃の状況の改善など、魅力ある施設づくりを支援してまいります。


3.難病患者と介助者の通院交通費助成をお願いします。
                           (事務局)
難病患者の多くは、年金もなく、働きたくても働けない状況におかれていますが、お金がなくても通院をやめるわけにはいきません。遠くの専門病院に通院したり、歩行障害や体力がないためタクシーを利用しての通院が必要です。この交通費は命の経費です。安心して通院できるよう難病患者と介助者の交通費助成をお願いします。

回答:難病対策については、重症患者対策に重点を置いた施策の再編成、および個々の重症患者の療養実態に合わせたきめ細かな支援策の充実といった方向で進められているところであります。
 県としましては、第一に在宅難病患者に対する居宅生活支援事業など現行施策をより一層積極的に進めてまいりたいと考えています。
 なお、ご要望の件につきましては、公費負担対象外の特定疾患や他の難治性疾患並びに他の福祉・保健・医療施策との均衡の観点から実施は困難であると考えております。


4.特定疾患治療研究事業の運営について以下の点を要望しま す。(事務局・スマイル)
@更新手続きは毎年3千円〜5千円の診断書料がかかります。難病である限り診断書は3〜5年毎でも差し支えはなく、1年ごとに提出する理由がないと思います。診断書料を無料にするとともに診断を簡便にして下さい。
回答:(健康対策課)
 特定疾患の更新手続きにつきましては、従来から1年ごとに行っております。臨床調査個人票(診断書)の提出につきましては、平成15年10月の制度改正にから3年に1回の提出が、毎年提出していただくことになりました。この特定疾患の医療費の助成制度は、治療経過等の基礎データを国において集積し、治療研究に役立てていくために設けられた制度であります。このことから従来どおり診断書料をご負担いただくとともに、診断の簡素化につきましてもご理解願います。
(子ども未来課)
 小児慢性特定疾患につきましても、診断書の無料化につきましては困難ですが、受給者が受給資格の継続申請をする際、同一疾患で複数の医療機関を受診している場合は、主たる医療機関からのみの医療意見書(診断書)の提出となっており、また今年度4月からの制度改正を機に医療意見書を保険適用(診断情報提供料A)とするなど、患者家族の方々の申請時の手続きの簡略化と医療費負担の軽減を図っています。


A低所得者を除いて、ほとんどの患者が医療費負担増になります。 一部自己負担限度額の引き上げを行わないよう国に強く要望して 下さい。
回答:平成15年10月の制度改正により、多の難治性疾患や障害者医療との公平性の観点も踏まえ、事業内容が見直されました。それまでの一律定額自己負担を見直し、所得と治療状況に応じた段階的な患者一部負担制度へ変更するとともに、低所得者につきましては全額公費負担とするなど配慮されています。なお国への要望につきましては、今後必要性を吟味し、検討して参りたいと思います。

B一般医療に移行した「軽快者」について、治療の中断などによる 症状の悪化が心配されます。従来どおりの医療費助成をお願いし ます。
回答:平成15年10月の制度改正により「軽快者」の基準が設けられ、治療の結果、症状が改善し、著しい制限を受けることなく就労等を含む日常生活を営むことができると判断された方は「軽快者」として「特定疾患登録者証」が交付されます。
 軽快者の方は、医療費助成の対象とはなりませんが、引き続きホームヘルプサービスや日常生活用具給付等の福祉サービスを受けることができます。また登録者証をお持ちの方が症状の悪化により1ヶ月以内に医療受給者証の申請を行う場合には、症状の悪化を医師が確認した日まで遡って認定し、医療受給者証が交付されますので、ご理解をお願いします。


C費用算定に基準となる所得について本人の所得を採用して下さい。
回答:障害者施策等の他の施策との公平性の観点から、ご理解をお願いします。

5.県下市町村において福祉制度の地域間格差をなくしてくだ さい。(事務局・リウマチ)
自治体ごとの福祉制度はさまざまです。当事者の立場に立った積極的な制度に学ぶとともに、消極的な市町村のレベルアップを図るよう指導してください。
回答:自治体における各種福祉制度の実施については、市町村の事務権限に属しますのでご理解願います。なお、機会を捉え要望の主旨について各自治体に伝えてまいります。

6.医師の質の向上に努めてください。(事務局・リウマチ)
かかりつけ医や専門医とのコミュニケーションがうまくいかず、他に行くこともできずとまどいながら治療を受けている患者が少なくありません。本人が積極的に治療に参加していくためには、医師との信頼関係が重要です。県としても医師の質の向上に努めてください。(不安を訴え、ある質問をしたところ「そんなことを知ってお前は医者になるんか?」と言われ、診察を中止させられた。)
回答:治療をすすめる上で、患者・家族と医師・医療機関との信頼関係の構築が必要であると考えているところであり、、医療の安全と信頼を高めるとともに、患者サービスの向上及び医療の質の向上を図るため、医務課及び各県立保健所に医療安全相談窓口を設置し、医療に関する苦情や相談に迅速に対応しております。

U[医療について]

7.県単の特定疾患の対象疾患を拡大するとともに、通院治療 も公費負担の対象として下さい。(事務局)
県単事業の特定疾患について県は「国の難病対策の方針に従う」としていますが、難病患者はますます窮地に追い込まれています。橋本病などの場合、専門医のいる遠くの病院に通院するための交通費と薬代に一回数万円の費用を支払っているのが現状です。対象疾患を拡大するとともに、通院治療も公費負担の対象として下さい。

回答:特定疾患の県単独の対象疾患を拡大すること及び、入院のみならず通院治療についても公費負担の対象とすることにつきましては、難病対策全体としての整合性や他の難治性疾患との公平正等の観点から問題があり、また、県財政がきびしい中におきましては、非常に難しいと考えていますので、ご理解をお願いします。

8.シェーグレン症候群の疾患を県単の特定疾患の対象として 下さい。(スマイル)
シェーグレン症候群は、SLEや強皮症と同じ自己免疫疾患の病気で、3分の一の患者は合併症を伴っています。専門医のいない和歌山では不必要な薬による悪化があります。専門医のいる病院で検査を受けられるようまた、富山県のように悪化し入院したときの医療費を負担していただけるよう、県単の公費負担をお願いします。

回答:特定疾患の県単独の対象疾患を拡大すること及び入院のみならず通院治療についても公費負担の対象とすることにつきましては、難病対策全体としての整合性や他の難治性疾患との公平正等の観点から問題があり、また、県財政がきびしい中におきましては、非常に難しいと考えていますので、ご理解をお願いします。(他県の負担状況については別途回答)

9.小児慢性特定疾患治療研究事業において、成育医療システ ムの体制を確立して下さい。
治療法などの進歩により、年齢による疾病対策の分離に不合理も生じています。小児から大人へ、つきぬけの成育医療システムの体制を確立して下さい。(事務局・つぼみの会)

回答:小児慢性特定疾患は、その治療が長期間にわたり、医療費の負担も高額となることから、これを放置することは児童の健全育成を阻害することになるため、その医療の確立と普及を図り併せて患者家族の医療費の負担軽減にも資することを目的として、「小児慢性特定疾患治療研究事業」を実施しています。
 国においては、この事業の安定的な制度として残すため児童福祉法のなかに位置づけ、法整備を含めた制度の改善・重点化を図ったところです。
 20歳を超えた患者について、特定疾患として医療費助成を行うことは、小児慢性特定疾患治療研究事業の制度の目的・趣旨を異にしているため困難ですが、現行の制度の充実に向けて政府要望等により国に対する働きかけは今後とも引き続き行ってまいります。


10.パーキンソン病や後従靱帯骨化症に対して行われている  症状の程度による枠を撤廃して下さい。
パーキンソン病、ヤール判定T・U度の患者は特定疾患事業の対象にされていません。この人たちも徐々に病気が進行することは避けられず、医療費などの面ではヤールV・W・X度の人たちと同じような負担を強いられています。ぜひ、枠を撤廃し、医療費公費負担の対象として下さい。そしてT・U度の患者にも身体障害者手帳を交付して下さい。(パーキンソン・握手の会)

回答:難病対策については、限られた財政資金の効率的活用の観点からも、重症患者対策に重点を置いた施策、個々の重症患者等の療養実態に合わせたきめ細かな支援策の充実といった方向で進められているところであり、ご要望のことは難しいものと申し上げざるを得ません。
 いずれにしても、国の制度である特定疾患治療研究事業については、県としては国の方針に従い、適切に運用してまいりたいと考えています。
(障害福祉課)
要望の主旨につきましては、難病特有の障害に着目した身体障害認定基準を設けるよう国に対して、近畿府県障害保険部局で要望しているところです。なお、自立支援法の福祉サービスの対象にという点について自立支援法の附則、あるいは衆議院労働委員会での付帯決議にもその旨がうたわれているところでありますので、早期に実現するよう要望してまいりたいと考えております。

11.すべての公共医療機関に神経内科を標榜していただくと共 に、各保健所に1名の神経内科医を配置して下さい。 
パーキンソン病の薬物治療が日々進歩していますが。患者数は現在でも増加傾向にあります。治療ガイドラインも定められましたが県内の神経内科医の人数は現在23名で、全国平均を下回っています。すべての患者が正確な診断やガイドラインに沿った信頼できる治療等を受けられるよう、すべての公共医療機関には神経内科を標榜していただくと共に、各保健所に1名の神経内科医を配置していただきますようお願いします。
(パーキンソン)

回答:診療内容や診療科目につきましては、地域のニーズに応じて病院が定めているところであり、各医療機関とよく話し合っていただきたいと思います。
また、県立保健所につきましては、公衆衛生医師1名体制にあり、職員定数削減がすすめられている中で、新たに職員を設置することは困難な状況です。
なお、厚生労働省が実施した「医師・歯科医師・薬剤師調査」によれば、平成14年12月31日現在、主として神経内科に従事する医師は県内で23名であり、人口10万人あたり2.2人で全国返金の2.7人を若干下回っている状況にあります。


12.パルスオキシメーターを必要としている患児に支給して下  さい。(心臓病)
パルスオキシメーターを必要としている心臓病児者に支給して下さい。

回答:介護保険法や身体障害者福祉法の施策の対象とならない難病患者に対し、日常生活の便宜を図り福祉の増進に資することを目的として、市町村の実施する日常生活用具給付事業(給付用具17品目の給付)に対し補助を行っているところです。
 今回のパルスオキシメーターにつきましては、人工呼吸器の装着が必要な方を対象に給付を行っているところですが、給付の対象となる条件や用具の給付実施にかかる詳細な点等については、実施市町村(県内36市町村)にお問い合わせ下さるようお願いします。
 なお。身体障害者手帳を所持する方(心臓病)および小児慢性特定疾患児の方については、日常生活用具(パルスオキシメーター)の給付品目とはなっておりませんのでご理解願います。
(子ども未来課)
小児慢性特定疾患児の方については、日常生活用具(パルスオキシメーター)の給付品目とはなっておりませんのでご理解願います。
(障害福祉課)
身体障害者手帳を所持している方(心臓病)について、日常生活用具(パルスオキシメーター)の給付・貸与品目とはなっておりませんのでご理解願います。なお日常生活用具給付・貸与は10月より障害者自立支援法の下で地域生活支援事業として市町村で行われることとなります。


13.リウマチ専門医とこれに熟知した作業療法士と理学療法士 の養成に努めてください。(リウマチ)
リウマチ専門医が少ない上、地域的な偏りのある状況をあらためるため、専門医の養成に努めてください。またこの病気に熟知した作業療法士と理学療法士の養成に努めてください。

回答:医師本人が意思決定することであり、専門医の養成は難しいと考えます。平成16年12月31日現在、県内で主としてリウマチ科に従事する医師は3名、主ではないもののリウマチ科に従事する医師を含めると33名であり、人口10万人あたり3.1人で、全国平均では4.0人となっています。(後略)

V[福祉について]

14.医療費の自己負担が必要な難病患者について、福祉手当や 難病手当(見舞金)を支給して下さい。(事務局)
難病医療費の公費負担が外され、患者は経済的にも精神的にも不安が一層増加しています。このことは病状にも大きな影響を与えます。自己負担が必要な難病患者については、福祉手当や難病手当(見舞金)を支給して下さい。

回答:特定疾患治療研究事業につきましては、平成10年5月1日から国の制度見直しにより、患者一部負担が導入されたところであり、また、平成15年10月から所得に応じた自己負担制度が導入されています。ご要望の特定疾患認定受給者の中で自己負担の必要な患者を対象に新たな手当等を支給することは、制度改正の主旨に反するものであり、困難であります。

15.小児慢性特定疾患の自己負担分の半額を負担して下さい。
小児慢性特定疾患治療費が17年4月から一部患者負担となりましたが、疾病により治療費だけでなく食事療法、専門病院への通院交通費など負担が大きいため、一部負担金の半額を助成して下さい。(つぼみの会)

回答:(一部略)将来にわたり安定した制度として確立するため、児童福祉法の中に位置づけられ、平成17年4月1日からあらたな小児慢性特定疾患対策として、制度の改善や重点化が図られたところです。(中略)「自己負担」は他の医療給付制度ではすでに導入されており、金額についても小児慢性特定疾患の場合には、他に比して低額となっています。特定の方を対象に県単独負担はできませんので、限られて予算で小児慢性特定疾患治療事業として何ができるか、今後も検討してまいります。

16.20歳を越えた小児慢性特定疾患の医療費助成をして下さ  い。(事務局・つぼみの会)
20歳を過ぎても症状は変わらず、むしろ悪化するにもかかわらず医療費は3割負担となり療養生活は苦しくなります。せめて2割負担にしていただけるよう関係機関に働きかけてください。
 また小児慢性特定疾患であっても20歳以降をすべて特定疾患の対象とするよう関係機関に働きかけて下さい。

回答:20歳を超えた患者について、特定疾患として医療費助成を行うことは、小児慢性特定疾患治療研究事業の制度の目的・趣旨を異にしているため困難ではありますがご要望の主旨は国へ伝えてまいります。

17.難病患者にも身体障害者福祉法を適用して下さい。
  (事務局・リウマチ)
 腎・心臓などの内部疾患患者をのぞいて、難病患者の33%しか身体障害者手帳を交付されていません。病状が固定していないという理由で認定してもらえません。この件に関し平成17年度6月県議会に提出した請願が採択されているところですが、身体障害者に適用されている身体障害者福祉法の各種制度を難病患者に適用していただけるよう国に働きかけて下さい。
 また特定疾患に指定されていないリウマチ患者等に対し、この手帳の制度について積極的な広報活動を行ってください。

回答:(前略)要望の主旨につきましては、難病特有の障害に着目した身体障害認定基準を設けるよう国に対して、近畿府県障害保険部局で要望しているところです。なお、自立支援法の福祉サービスの対象にという点について自立支援法の附則、あるいは衆議院労働委員会での付帯決議にもその旨がうたわれているところでありますので、早期に実現するよう要望してまいりたいと考えております。

18.受診および手続きに関して以下の点をお願いします。
  (心臓病)
@和歌山市の場合県外の病院受診の払い戻しを近くの支所でも手続 きできるようしていただきたい点について、昨年趣旨を市にお伝 えいただきましたが、市の対応をお聞かせ下さい。
回答:(一部略)市の回答として、「オンラインのコンピューター回線で結ばれていないため書類の内容確認や資格審査の点において困難な状態にあり、現状では難しい」

A毎年各市町村に提出する特別児童扶養手当などの診断書期限や提 出診断書を統一するよう国に要望して下さい。
回答:特別児童扶養手当につきましては、特別児童扶養手当支給等に関する法律に基づき、20歳未満で身体や知的又は精神に中程度以上の障害もしくは父母に代わって養育している方に手当てを支給する国の手当制度です。
 特別児童扶養手当に係る診断書の提出依頼につきましては、同法施工令別表第三における障害の認定要綱に基づき、障害の程度についてその認定の適正を期するため必要な場合は期間を定めて認定を行うこととし、原則として当初認定を行った日からおおむね二年後の3月、7月又は11月のいずれかに再認定を行うことと規定されております。
 その診断書の提出期限についても、診断書の診断年月日は、原則として再認定提出期限の月又はその前月中のものであることとされています。
 診断書の統一につきましても、傷病の内容によって診断書の様式が同法に定められています。この件について必要であれば、国に伝えてまいりたいと考えております。


B「主治医に書いてもらうのに2週間以上かかるため、障害年金診 断書提出期限にもう少し余裕を持たせて下さい」との要望の趣旨 を国にお伝えいただきましたでしょうか。
回答:事務を所管する社会保険事務所に対し、要望の主旨につきましては伝えてまいります。

19.災害・緊急時における難病患者・内部障害者に対し以下の 点をお願いします。(事務局・新宮東牟婁難病連・つぼみの会)
@高齢者や重度障害者の緊急通報システムが各地域で急速に充実されつつありますが、これらの用件にあてはまらない難病患者にも緊急通報システムや救急医療・救護体制を確立して下さい。 県は東南海地震等に備え障害者や高齢者支援のための名簿やボランティア登録などの避難台帳を計画していますが、その中に人権に十分配慮した上で難病患者も加えて下さい。
回答:健康対策課
 災害時の救急医療・救護体制の確立につきましては、平成14年度に「災害時医療救護活動マニュアル」を策定し、被災状況や患者のかかりつけ医療機関の稼働状況、受入可能な医療機関等を把握するとともに、人工透析や特定の医薬品が必要な透析、難病患者・家族の方に的確な医療情報の提供を行い、医療供給体制の確保に努めることとしています。
回答:総合防災課
 県では今年6月15日に災害時要援護者に対する避難支援者の事前登録などを盛り込んだ避難台帳整備を骨子とする「和歌山県津波避難計画策定指針」を沿岸市町に提示しました。また本年4月には庁内ワーキンググループで検討した「障害者・児、高齢者、難病患者・児への防災情報伝達と避難のあり方の検討報告書」を各市町村に送付しました。今後、各市町村が避難台帳の整備等の要援護者対策を進めていくことになりますが、対策策定への皆さまの積極的な参画をお願いします。


A難病患者に必要な薬剤の確保および供給体制を確立して下さい。また1型糖尿病患者のインスリンなど24〜48時間で死に至る可能性のある病気の薬剤については救護所などが設置されるまでの間でも、どこの医療機関や薬局などでも供給できる体制を速やかに整えて下さい。
回答:災害時において、T型糖尿病患者については、交付されています緊急手帳を薬局で提示いただくことで、インスリンを購入することができます。また災害拠点病院などにおきましてインスリンの提供を受けることも可能です。現在、県において各医薬品卸業者で委託している流通備蓄においても、インスリンについては、昨年度より100本増やして300本程度用意しており災害時において対応できるように手配しています。

20.在宅患者について以下の点を要望します。
24時間在宅酸素が必要な患者は電気が命の絆です。この電気代の負担をお願いします。(心臓病)
回答:新規の個人給付事業を創設することは、財政面から非常に困難な状況であることをご理解願います。

21.臓器移植提供意思表示カードを普及させて下さい。
  (心臓病)
臓器移植提供意思表示カードを普及させ、運転免許証・保険証にシールではなく最初から提供意思表示欄を設けて下さい。

回答:「臓器移植に関する法律」が平成9年に施行された後、県としましては、移植医療の推進を図る立場から、臓器提供意思表示カードを各市町村や関係機関に配布するとともに、県の広報誌「県民の友」やホームページに掲載するなど、県民の皆さんの理解が得られるように普及啓発に努めているところです。また、毎年10月の臓器移植普及推進月間には、和歌山県腎友会とともに県内各地で街頭啓発を実施しています。
 臓器提供意思表示欄を設けることについては、健康保険証を所管する各保険者に対し呼びかけていきたいと思います。また国においては来年1月以降に交付する政府管掌健康保険の保険証に臓器提供意思表示欄を設けることを決めています。なお、運転免許証に関しては、臓器提供意思表示シールを運転免許センター等で配布いただけるよう今後ともお願いしてまいります。

22.公共駐車場料金を本人・介護者の区別なく無料にして下さ  い。(心臓病)
県民文化会館やビッグ愛などの駐車料金は介護者運転の場合無料ですが、自立を阻害することのないよう本人運転でも無料にして下さい。

回答:県民文化会館やビッグ愛は、県の直営ではなく県からの依頼に基づき、県の減免要領に準じて実施していただいているところであります。
 平成18年4月の指定管理者制度導入により、県民文化会館やビッグ愛も含めて、現在減免摘要がなされている16の県立施設が指定管理者制度へ移行しております。移行に際し、県の減免要領に準じた取扱いをお願いしてきたところであり、現在そうした施設において、県の「障害者等に関する県の施設使用料金減免要領(昭和59年制定)」に準じた取扱いがなされているところです。なお無料の件につきましては、介護を要する障害者に対して、より配慮したものであり、ご理解願います。

W[介護保険について]

23.介護保険について改善および国への働きかけをお願いしま す。(事務局・新宮東牟婁難病連)
@40歳以上の被保険者すべてを介護保険の給付対象とし、年齢、障害、疾病などによる差別や制限をなくし、必要な時には誰もが利用できるようにして下さい。
回答:(略)国において被保険者及び受給者の範囲の見直しが行われており、本年4月施行されました改正介護保険法において、社会保障制度の一体的な見直しと併せて検討を行い、その結果に基づいて、平成21年を目途として所要の措置を講ずることとされているところです。県としましても、被保険者・受給者の範囲の見直しに関しましては、介護保険料の負担やサービス内容などについて、十分検討を行い、適切に見直すよう国に要望しているところです。

A介護サービスに市町村格差が生じないようにして下さい。
回答:介護保険のサービス量につきましては、各市町村ならびに県において、昨年サービス提供料の見直しを行い、本年度から3年間のサービスの目標を第3次介護保険事業支援計画として定め、必要なサービスが適切に提供できるよう取り組んでいるところです。た、介護サービスの質の向上を図るため、介護支援専門員につきまして、実務研修受講試験、実務研修及び資質向上研修を実施し、人材の確保と必要な知識・技能の習得及び向上に努めるとともに、訪問介護事業所で従事しているホームヘルパーやサービス提供責任者を対象に研修を実施し、技術向上等を図っているところです。

B一人住まいの在宅患者や昼間だけ一人暮らしの難病患者などの緊急時のヘルパー派遣について、柔軟に対応いただきますよう関係機関にご指導お願いします。
回答:障害福祉課
 ホームヘルパー等の居宅事業については、利用者である障害のある人が、事業者との対等な関係に基づき、自らサービス提供者を選択し、契約によってサービスを利用することになっております。緊急時のヘルパー派遣については、利用契約時に事業者と十分話し合った上、ご利用いただくことになります。支援事業者の情報は市町村の窓口でお求めいただくことになります。
回答:健康対策課
 介護保険法や障害者自立支援法等の施策とならない難病患者で、日常生活を営むのに支障があり介護、家事等の便宜を必要とする方を対象に市町村の実施する難病患者等ホームヘルプサービス事業等に対し、補助を行っています。詳細な点については、事業を実施する市町村(県内26市町村)にお問い合わせいただくようお願いします。
回答:長寿社会推進課
 介護保険制度における訪問介護サービスは居宅サービス計画(ケアプラン)に基づいて提供されるものであり、当該居宅サービス計画に位置づけられていないサービスの利用はできませんので、ご理解願います。


C介護認定に際し、患者の日内変動について充分理解いただくよう
指導お願いします。
回答:長寿社会推進課
(略)毎年認定調査員研修を実施していますが、この研修においてパーキンソン病関連疾患や関節リウマチ等で日内変動や季節変動、気候の変化等により状況に変化がある場合や、できたりできなかったりする場合の調査方法等について指導しているところです。なお、認定調査については、原則1名の調査員が、調査対象者の調査当日の状況と、調査対象者及び介護者から聞き取りを行った日ごろの状況を総合的に勘案して判断し、1回で終了することととなっています。従いまして、日内変動棟のある調査対象者については、調査時点の状態が薬効とどのように関連しているのかなどを調査員に対して、正確に伝えていただきたくお願いします


D難病患者等居宅生活支援事業の普及のため広報啓発を充実して下さい。
回答:難病患者等居宅生活支援事業を実施している市町村に対しましては、広報誌等通じてより一層住民の方々へ周知を図るよう、また未実施市町村には実施を検討していただくよう指導しております。
 また、各市町村の社会福祉協議会等へも事業の周知を図っております。


Eケアプラン作成時には通院と待合いの区別をすることのないよう難病患者の立場に立った通院介護をお願いします。
回答:長寿社会推進課
 要介護認定を受けた難病患者は、在宅サービスの一つである訪問介護サービスの中で、通院介助のサービスを受けることができることとなっております。通院介助のサービスは、移動等の介助又は通院先の受診等の手続きなどの介助が対象となりますが、院内の付き添いのうち具体的な「自立生活支援のための見守り的援助」に該当しない「単なる待ち時間」や「診察・治療中の時間」はサービス提供時間には含まれませんのでご理解願います。


24.難病患者等ホームヘルパー研修事業履修者に県独自の認定 資格を与えて下さい。(事務局)
難病患者等ホームヘルパー研修事業においてビデオ鑑賞で済ませるところもあると聞いています。必ず現場研修を実施し、本研修終了ヘルパーには県独自の認定資格を与えて下さい。
回答:健康対策課
 難病患者等ホームヘルパー養成研修は、難病に関する知識や技能を有するホームヘルパーの養成を図るために実施している研修です。
 当研修は難病の保健・医療・福祉制度、難病の知識、難病患者の心理および家族の理解等々の内容を中心としたカリキュラムで、専門医師、保健師等が講師となり平成10年度から8年間実施し、延べ2243名に対し研修を実施し、修了証書を交付してまいりました。
 今後は、研修で得た知識や技能を現場で活用していただくとともに、平成18年7月10日から相談業務を開始しました「和歌山県難病・子ども保健相談支援センター」で開催予定の各種研修会に参加していただきたいと考えています。
 受講者数   平成14年度 318名
平成15年度 358名
平成16年度 336名
平成17年度 297名


25.介護度の見直しにより要支援に回されるリウマチ患者につ いて、介護予防の対象とせず、必要なサービスが受けられ るよう配慮してください。(リウマチ)
介護が必要なリウマチ患者は要支援になってもリハビリで介護が不要になることはありません。
回答:(略)新予防給付の対象となる要支援者につきましては、状態の維持・改善が見込まれる方が対象となっており、中でも廃用症候群に関する原疾患の方については、早期の予防とリハビリが効果的であるといわれていますが、、利用者の自立に向けて心身機能に見合った効果的な種々の介護予防サービスも提供されているところです。

X[施設について]

26.小児専門医療機関の充実を急いで下さい。(事務局)
県の実態調査の結果にもあるように、多くの患者・家族が第一に小児専門医療機関の充実を求めています。また現在、県外の専門医療機関に頼っている多くの小児難病患者・家族の経済的精神的負担を軽減するためにも「小児専門医療」の充実を急いで下さい。
回答:本県の財政状況・社会情勢等から「子ども病院」といった本格的な医療施設の建設整備については、現状では建設の予定はありませんが、「療養上の相談窓口」として、子ども保健福祉相談センター(平成18年4月1日より難病・子ども保健相談支援センターに改組)において、小児難病等の長期にわたる療養が必要な子どもたちや保護者の方々のかかえる様々な問題の相談に応じ、適切な関係機関の紹介や情報の提供、子どもの難病団体等への支援を行っています。
 今後とも、難病・子ども保健福祉相談センターと医療機関等との連携を深め、小児難病患者の療養への一層の支援に努めてまいります。


27.公的病院に介護者の休養スペースを設置して下さい。
重症の神経難病患者で10年以上も寝たきりの患者に付ききりの看病をしている家族の人たちは精神的にも肉体的にも限度にあります。こういう介護は医療機関が行うこととなっていますが、実情は看護師不足も加わり家族が付き添っているのが現状です。介護家族のための休養スペースを公的病院に設置して下さい。(事務局)

回答:医務課
一般的には、付き添い介護等は、家族の負担が大きいことから、平成6年に改正された健康保険法で、療養に必要な看護・介護は、医療機関の行う療養の給付とされ、原則的に医療機関が実施することとなっています。 
 また、医療法では、病院における介護家族のための休養施設の設置は規定されておらず、指導を行うことは困難ですので、それぞれの公的病院の開設者である市町村やその組合に、お話しいただきたいと思います。


28.長期療養施設の設置をお願いします。(事務局)
パーキンソン病、脊髄小脳変性症、ALS等の神経難病患者が安心して専門治療とリハビリテーションが受けられ、退院を強要される心配もなく、病院と家庭の環境を併せ持つ中間的な長期療養施設を設置して下さい。
回答:(略)重症神経難病患者・家族の方の療養生活を支援するため平成14年度に和歌山神経難病医療ネットワーク連絡協議会を設置し、在宅療養支援、入院受入調整、相談・情報提供等の業務を行っています。また7月には、治療、介護等の療養生活、教育、就労等の日常生活などにおいて、様々な不安や困難を抱える難病患者や家族に対する専門的な相談窓口として「難病・子ども保健福祉相談センター」を開所しました。センターでは相談業務を中心として、患者会・家族会の育成、ボランティアの育成等の必要な支援を行うこととしています。今後これらの支援の充実を図りながら、難病患者・家族の療養生活の資質の向上に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解をお願いします。

29.和医大病院について、以下の点をお願いします。
(事務局・新東難病連・スマイル・パーキンソン・リウマチ)

@すべての疾病に重要な役割を果たし、医療ミス等の防止に大きく影響を与える臨床工学技士の充実をお願いします。
回答:医師の指導のもとに、生命維持管理装置の操作および保守点検を行う臨床工学士の充実につきましては、新病院の開院の際に1名採用いたしました。その後、医療が高度化しているなか、医療機器等につきましても複雑多岐にわたってきており、臨床工学技師の業務は今後ますますその重要性を増すものと考えられ、平成14年9月から1名の増員をはかり、現在2名となっております。なお、19年度において新たに2名を増員するため現在募集しているところです。

A薬の副作用で苦しむ患者のため東洋医学科・リウマチ科を設置して下さい。
回答:新病院開院に当たり高齢化社会の推進等に対応するため「神経内科」と「リハビリテーション科」の2診療科を新たに設置いたしました。また、「救急・集中治療部」や「総合周産期母子医療センター」などの中央診療部門の強化も図ったところでございます。リウマチには、内科のみならず、整形外科及び皮膚科にも専門の医師を配置し、3科共同で診療に当たる体制を整えました。しかしながらご要望につきましては教員や医師の配置の関係から現在のところ困難かと思います。
Bリハビリ科のプールの開設回数を増やし、リハビリを充実するとともに、理学療法士の増員をお願いします。
回答:平成11年新病院移転を機に、リハビリ科にプールを設置しまして、慢性関節リウマチや変形性関節症等の患者を対象に、プールを利用した治療を週1回、10名の方々に実施してございます。プールを利用して治療は、他の治療とも相まって非常に重要なものと考えております。
 平成11年4月から理学療法士を1名増員するとともに、アルバイト職員も配置しました。平成18年6月から理学療法士1名を増員し、現在7名体制で理学療法を実施しています。しかしながら、現体制ではプールを利用した治療の実施回数及び実施患者数を増やすことは困難な状況にあります。

C現在ペアレンツハウスやファミリーハウスが各地にできていますが、病院または近辺にこのような付き添い家族のための宿泊施設を設置して下さい。
回答:医科大学付属病院には、遠方から多くの難病患者さんが入院又は通院されています。また、患者さんの付き添いのためのご家族のご苦労も大変だと承知しております。
 ご要望の件につきましては、民間の宿泊施設やアパートを借り上げる場合と、専用の宿泊施設を設置する場合等が考えられますが、いずれにしましても多くの費用を要するため、付属病院を含む本学の予算状況を考えますと、現在のところ困難かと思われます。

D内科の膠原病診療を充実して下さい。
回答:膠原病は、リウマチとともに第3内科で対応しています。第3内科では、整形外科及び皮膚科との連携もすすめることにより更に診療の充実に努めています。

30.和医大病院への交通アクセスについて(事務局)
特急電車を「紀三井寺駅」で停車していただけるようJR西日本に働きかけて下さい。
回答:(略)JRによりますと、現在、紀三井寺駅の乗車人員が一日あたり約2500人と少ないことに加え、和歌山駅および海南駅の駅間距離が短いことなどから特急列車を停車させることは難しいとのことでございます

31.JRの駅などの公共機関にエレベーターやエスカレーター の設置を急いで下さい。またJR電車のトイレを洋式に改 良して下さい。(事務局・新宮東牟婁難病連)
障害者や難病患者にとってJRの駅などはほとんど利用できません。ノーマライゼーション化は各方面で法的にも検討され、バリアフリー法も施行されています。電車とホームの段差をなくすとともに既存の公共施設や乗降客1000人以下の駅についてもエレベーターやエスカレーターの設置を早急に取り組んで下さい。またすべてのJR電車のトイレを洋式に改良して下さい。
回答:(略)鉄道事業者において交通バリアフリー法に基づき整備が進められているところでありますが、市町村の主体的な取り組みが必要なことから、今後とも市町村に対し、バリアフリー化の推進を働きかけるとともに併せて補助制度の積極的な活用を呼びかけてまいります。
なお、電車とホームの段差につきましては、本年度の県単独事業で海南市の黒江駅の段差解消を図りこととしております。また、列車の洋式トイレにつきましては、特急くろしお号はグリーン車に設置されているほか、オーシャンアロー号はすべてのトイレが洋式化されております。普通列車につきましては、昨年度事業により紀伊田辺〜新宮間を走行する列車に洋式トイレを設置いたしました。JRによりますと、最近の洋式トイレの普及によりその必要性は認識しているとのことであり、車両更新時にトイレの洋式化を進めていきたいとのことでございます。

32.総合病院新宮市立医療センターに東洋医学科を設置するよ う指導して下さい。(新宮東牟婁難病連)
平成13年度開院された総合病院新宮市立医療センターに東洋医学科を設置するようご指導お願いします。患者会としても直接要望しているところですが、県も是非何らかの働きかけをお願いします。
回答:診療科目や診療内容については、地域の実情やニーズに応じて病院が定めているところであり、県から指導することは困難でございます。病院とよく話し合ってください。

Y[労働・雇用について]

33.視覚障害を持つ難病患者の社会復帰を促進するために、  職域の拡大、雇用の促進、訓練施設の整備を図って下さ  い。(ベーチェット・JRPS・事務局)
ベーチェット病では約70%、網膜色素変性症の場合ほぼ100%の患者に視覚障害が発生し、現職に留まれる者、あるいは復帰できる者はごく一部しかありません。気兼ねなく通院や休職が保障され、残存視力を生かして働ける場を県が率先してつくって下さい。また県立盲学校だけではなく紀南、紀中地域に中途失明者のためのハリ、キュウ、マッサージの訓練施設を早急に建設して下さい。神戸や大阪の訓練施設の利用をすすめるのは県としてあまりにも無責任ではないでしょうか。
回答:雇用促進室
 障害者の職域の拡大や雇用促進には、県民、特に事業主の理解と協力が不可欠です。このため、労働局・公共職業安定所は年間を通じて、県としては9月を障害者雇用促進月間と定め、広く県民に広報・啓発活動を展開しているところです。また、事業主自身が会員となっている和歌山県障害者雇用促進協会の指導・監査を行い、協会とともに障害者雇用に関する指導援助、啓発等さまざまな活動を行っております。
 一方で公共職業安定所において、障害のある方が生き甲斐をもって働けることができ、その能力を発揮できる雇用の場を確保するため、求人開拓に努めているとともに、障害者の方々を対象とした就職面接会を毎年9月に実施して、雇用の場の拡大に努めています。
 長期間にわたり景気が低迷したこともありますが、障害者の雇用環境は非常に厳しい状況にありますが、今後とも関係機関と連携を密にして難病患者の社会復帰を支援してまいります。
 県では第3セクター方式による重度障害者雇用企業「ウィンナック株式会社」を平成6年に設立、平成8年より操業しております。現在、重度障害者を中心に34名を雇用しており、障害者雇用の職場としてモデル的な役割を果たし、県内の障害者の雇用の場の確保に努めております。(略)

回答:障害福祉課
 県内での視覚障害者(中途失明者含む)のためのハリ、灸、マッサージの訓練施設としては県立盲学校があり、現在本科保健理療科に2名、専攻保健理療科に7名、同理療科に17名の方が通学されておりますのでご活用願います。なお新たな訓練施設の整備については現段階では極めて難しいと考えています。


34.難病に対する社会的偏見により、就職が阻まれないよう  関係機関に働きかけて下さい。(事務局)
みんなと一緒に食事できないクローン病患者が「つきあいが悪い」と退職を余儀なくされたり、弱視のRPS患者が「仕事がのろい」と職場でいじめにあっています。難病患者であっても生活費は必要です。安心して働き続けられるよう、また働けるものは就職できるよう関係機関に働きかけて下さい。
 厚生労働省の「難病患者の雇用管理のための調査研究会」が「企業向けの難病患者雇用マニュアル作成」を目的として実態調査中間報告が出されています(H17年)。是非積極的に研究し、就労支援に役立ててください。
回答:社会全体への働きかけとしては、9月の障害書雇用促進月間を中心に、事業主を会員とする社団法人和歌山県障害者雇用促進協会等の関係機関と連携し、年間を通して各種啓発活動を行っております。また、公共職業安定所においては、企業等を直接訪問し個別啓発活動を行っています。
 次に、事業主への働きかけとしては、@知事と和歌山労働局長との連名で県下30人以上の事業主に対し、障害者の雇用要請文を送付します。
 さらに、A街頭キャンペーンを実施し、障害者雇用に対する理解を深めています。

35.民間企業に対し難病患者というだけで就職を拒否すること のないよう指導して下さい。(事務局)
ハローワークにも難病や医療などの専門家を配置し、連携を強化するとともに民間企業にも雇用促進を働きかけて下さい。難病であることを企業側に告知した時点で内定が取り消されるのが現状です。
 和歌山ジョブカフェにおいても、若くて働く意欲のある難病患者に対応できるよう充実して下さい。
回答:雇用促進室
 「各公共職業安定所では休職登録を行い、障害の種類、程度に応じ、その能力に適応する職業の斡旋」を行う等障害者の専門員による職業相談が実施されております。
 また、民間企業に対しましては知事と和歌山労働局長の連名で、障害者の雇用要請文を作成の上、障害者雇用に関する各種助成措置等のリーフレットを添えて送付し、雇用促進を働きかけます。またジョブカフェわかやまでは、若年者の就職相談を中心に平成15年12月から開設しておりますが、施設や専門職員等より一層の充実に向けて今後の課題として検討してまいります。
(ジョブカフェ平成18年度の具体的な取り組み)
若年者の多様なニーズにきめ細かく対応し、カウンセリングから就職後の定着指導まで総合的に一貫した支援を実施するため、ぶらくり町に移転し、新たにハローワーク(和歌山学生職業相談室)の併設や、施設の整備充実を図っています。

Z[学校教育関係]

36.教師を対象として難病研修会を実施して下さい。
  (事務局)
この件について17年度の取り組みについて教えて下さい。またこの研修について養護教諭や10年経験教師だけに限らず、すべての教師に難病研修会を実施して下さい。
回答:平成17年度には小・中学校や盲・ろう養護学校教員に対する病弱児に関する専門研修をはじめ、養護教諭に対する初任者研修や10年経験者研修においてアレルギー疾患等についての研修を実施しました。また各地域で保健所が中心となって実施している子どもの難病にかかる関係者研修会等に参加している学校もあると聞いています。県といたしましては、今後も研修の充実に努めてまいります。

37.難病や脳死・臓器移植について取り上げ、考える機会を  増やして下さい。(事務局・心臓病)
学校教育の現場では「命の大切さ」を教えていますが、その際、正確な情報にもとづいて取り上げ、積極的に考える機会を数多く作って下さい。ちなみに17年度の地方教育事務所長会や各校長会に対し実施された具体的な取り組みを教えて下さい。
回答:県教委が作成・配布している「学校教育指導の方針と重点」においても「生命の大切さ」に関する指導の重要性を明記しているところであり、学習指導要領の主旨も生かして、さまざまな機会を通じて指導を行うように周知しているところです。
 一方、平成17年度に地方教育事務所が廃止されたことから、市町村教育委員会の指導主事等を対象とした会議や研修会において「生命の大切さ」などを学ぶ道徳教育の充実を図るよう指導を行ってまいりました。 今後も、障害のある子どもの理解や福祉、「生命の大切さ」「生きる力」等について「総合的な学習の時間」をはじめ、道徳の時間た特別活動において、さまざまな工夫を凝らした指導が推進されるよう伝えてまいりたいと考えています。

38.難病児に対する教育環境に充分な配慮をお願いします。
(事務局・心臓病)

@すべての小・中・高にエレベーターの設置等、学校のバリアフリー化を早急に推進して下さい。またすべての小・中・高に空調機器を設置し、有効活用するようにして下さい。
 これらについて17年度の現状を教えてください。
回答:Bと共通回答
 県立学校におきましては、スロープや車いす用トイレ等の整備を図るなど、施設整備の充実に努めてきたところです。またエレベーターにつきましては、すでに、全ての養護学校と高等学校1校に設置し、活用を行うとともに、昨年度は高等学校3校に階段昇降機を設置するなど実情に応じて随時対応しております。
 空調機器の整備につきましては、県単独で平成16年度より5カ年計画で県立高等学校の普通教室650教室(ホームルーム教室のみ)に順次エアコンの導入を行っています。昨年度末では12校の整備を行い、今年度は9校164教室に導入を予定しています。
 今後とも、学校施設の整備充実に努力してまいります。
 なお、小・中学校につきましては、ご要望の趣旨を踏まえ、今後とも設置者である市町村に伝えてまいります。


Aスクールカウンセラーを制度化し、全学校に配置して下さい。
回答:臨床心理的立場から教育相談を行うスクールカウンセラーを本年度は、中学校80校、高等学校5校に、さらに相談を行ったり、学習活動を支援したりするハイスクールサポートカウンセラーを県立高等学校29校に配置するなど拡大に努めてきました。
 全学校にスクールカウンセラーを配置することは財政上及び人材確保の面で非常に厳しい状況にありますが、ご要望の主旨は検討課題としてまいります。

B難病児の管理指導表を尊重し、子どもの立場に立った運用をお願
いします。
回答:難病児に対する適切な指導を行うためには、医師や保護者との連携を密にし、充分な実態把握を行うことが基盤であると考えています。教育課程を編成する上で学校生活管理指導表に記載された内容をはじめ、個々の状況や学校の特性等を総合的に勘案することが重要であることから、今後も、さまざまな機会を捉えてその趣旨を伝えてまいります。
C内部障害児に対し学校で介助員をつけて下さい。
回答:県立学校にあっては、学校へ介助員を配置する制度はありませんが、個々の児童生徒の状況を的確に把握し、学習支援を必要とする重度の障害のある生徒については非常勤講師を配置して対応しているケースもああります。今後も各学校における介助体制の充実に努めていきたいと考えています。

[[患者支援について]

39.外見から分からない難病患者や内部障害者の理解を深める 取り組みをお願いします。
外見で見分けのつかないことが難病患者や内部障害者にたくさんのプレッシャーを与えています。このような患者の理解を深める啓発や指導を広く実施して下さい。(事務局・心臓病・パーキンソン・つぼみの会・リウマチ)
回答:難病は種類も多く、さまざまな病気の特性があり、また個人差があるため、一見して病気と分かるものもあれば、外見は全く健康な人と変わらないこともあります。県では、パンフレット「難病について知っておきたいこと」を作成し、「ふれあい人権フェスタ」等のイベント時に県民の方に配布し、啓発に努めております。(健康対策課)
回答:障害福祉課
県では、障害や障害のある人に対する県民の正しい理解と認識を高め、
県民誰もが、互いに支え合いながら、ともに豊かに生活できるよう各種啓発に努めているところであり、また、県職員に対する研修でもさまざまな障害について理解し、適切な対応ができるよう取り組んでいるところです。
今後とも内部障害をはじめ、各種障害に関する理解等を促進するため、工夫を凝らしながら各種啓発活動に積極的に取り組んでいきます。


40.高次脳機能障害について必要な施策を講じてください。         (NSC・フラット)
交通事故等の脳外傷による「高次脳機能障害」についての具体的な研究や講演会、さらに必要な調査を実施するとともに家族支援を含む施策を講じてください。
 現在、NPO法人難病患者障害者相談支援センターNSCでは「高次脳機能障害患者支援連絡会」を定期的に開催し、ケース検討会等を行っています。ぜひこの会への支援もお願いします。
回答:高次脳機能障害をもつ方への支援については、障害者自立支援法の都道府県地域生活支援事業のうち専門性の高い相談支援事業として、高次脳機能障害支援普及事業として取り組む予定です。その内容として、支援拠点機関を設置、支援コーディネーターを配置の上、専門的な相談支援を行うとともに、関係機関とのネットワークづくりをすることを考えております。県といたしましても、この支援拠点機関の早期設置に向け、今年度から各種の情報収集を行っているところです。

41.公共施設の職員及び保健師、ヘルパーに対しリウマチにつ いての研修をお願いします。(リウマチ)
市町村の窓口や病院において身体障害者手帳や介護保険の手続きをする際担当者の認識不足による不充分な対応が見られます。研修などの方法で関係職員のリウマチに対する知識・意識の向上に努めてください。(手の痛みのため杖を持てない状態で手続きに行くと疑いの目で見られたり、本人と思われない。)
回答:平成18年7月10日から相談業務を開始しました「和歌山県難病・子ども保健相談支援センター」において、保険・医療・福祉等の関係機関及び職種に対する各種研修会を開催する予定にしています。ご要望にありますリウマチについての研修ですが、各種研修会に中で調整して行ってまいりたいと考えています。

42.視覚障害者のガイドボランティア利用は中抜け(往復のガ イドのみで現地では利用者1人になる)でも利用できるよう にしてほしい。(JRPS)
視覚障害者がガイドボランティアを利用する場合、帰りまで付き添うことになっていますが、現地でプライベートな時間をもちたい時もあります。このようなときには一度帰ってもらいあらためて迎えに来ていただけるような柔軟な利用ができるようにして下さい。
回答:視覚障害者のガイドヘルパー利用につきましては、往復のガイドのみであります。現地で利用者が1人になるという利用法につきましては、事業者と利用者の合意契約によるものと考えます。なお本年10月から、これらの移動支援は市町村が実施する地域生活支援事業に移行することとなり、市町村において主体的に実施することになります。

\[補助金について]

43.和歌山県難病団体連絡協議会の補助金増額にご尽力いた  だきますようお願い申し上げます。
本会の活動は全国的に見ても決して劣ることのない活動を実施しています。しかしながら補助金は全国的には最低のレベルであります。
 本協議会は一層、よりよい医療や福祉を求め、県内活動はもちろんのこと引き続き全国レベルで幅広く積極的な活動を推進してまいりますので、財政逼迫の折りとは存じますが、どうか補助金の大幅増額をお願いします。

回答:難病患者のQOL向上のために活発に活動されていることを十分理解しているところでありますが、県財政困窮のため団体に対する補助金についても見直しを求められておりますので、ご理解願います。

44.特定疾患の患者とは異なり、県下のリウマチ患者の全体像 や実数は不明です。保健所単位で実態調査を実施してくだ さい。 (リウマチ)
回答:調査の主旨、必要性及び内容等について、今後検討してまいります。

][その他]

45.カーショップなどで障害者マークが販売されています。悪  用されないよう規制してください。(心臓病)
回答:身体障害者標識は、道路交通法により肢体不自由であることを理由に運転免許に条件を付されている方については、当該標識を表示するよう努めることとされており、当該標識を表示した車に対しては、保護義務が生じ、割り込み、幅寄せ等の行為をしてはならないこととされています。
警察と致しましては、(中略)肢体不自由であることの条件を付されていない方が当該標識を使用している場合には、趣旨を説明して取り外すように指導しているところであります。


46.和歌山市の障害者福祉のしおりに、心臓疾患の人も電動車 イスを支給できることを明記するようご指導お願いします。
(心臓病)
回答:各市町村における各種しおりの記載方法につきましては、市町村の裁量と考えられますが、その旨の要望はお伝えいたします。

連 絡 先

事務局 〒649-6612 紀の川市北涌371番地
電話番号 0736-75-4413
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