メンタルクリニックに通って居る知り合いが居る。
「鬱」らしい。
その知り合いに、わにも病院へ行くようにすすめられた。
メンタルクリニックには興味があるし、実際わにもパニック障害か鬱の気があるから、
病院には行った方が良いのかも知れない。
けれど、行けずに居る。
面倒臭いのと、貧乏なのがその主たる理由なのだけれど・・・
わには最近、自分の脳味噌が縮んで死ぬんじゃないかと思う事が多々ある。
(相方に言ったら笑われた。当たり前か。(-_-;)
思考が定まらなかったり、原因もわからずなにかに急いて居たり、健忘が激しかったり・・・
それらは元々あった事だけれど、最近特に激しい。
日本人でありながら、日本語が理解出来ない時があったり、
日本語がうまく話せない時があったり、
自分に話しかけられて居ると判って居るのに、
内容が聞き取れなかったり認識できなかったり・・・
聞いているのに聞いていない。
聞こえていて、言語としては理解しているのに全く頭に入ってこないことがある。
聞き流している・・・とはこの事なんだろうと思う。
意識的に聞き流しているわけではなく、聞こうと思っても頭に入って来ないのだ。
なにか頼まれ事をする。わには承知して、返事をする。
その後すぐ・・・なにを頼まれたのか忘れている。
頼まれた事実は覚えているのに、なにをすべきだったのか・・・判らない。
自分でもマズイと思うから、以前に増してメモを取るようになったし、
文字として意志を伝えてくれと申し出たこともある。
なにかしている最中に、「そうだ」と思う。
なにかしようとしていたに違いないのだけれど、
なにをしようと思って動き出したのか、次の瞬間には判らない。
今までやっていた事は覚えている。
なにかをしようとしていた事も覚えている。
けれど、考えている事は全く第三の事・・・
なにより、前にも増して周りの人間事を考えられなくなって来ている。
なにを欲しているのか、自分がどう動くべきなのか、判らなくなっている。
綴り物が出来なくなったのも、戯曲ゼミで凹んだ所為だけじゃないと思い始めた。
なにが書きたかったのか・・・なにが伝えたかったのか・・・判らない。思い出せない。
脳が収縮して、その内に自分が自分じゃなくなるのかも知れない・・・
やはり医者に行くべきか・・・と思ったところで、急になんだかイヤだった。
医者に頼る事は悪い事じゃない。
病人ならば、病気を治せ。病気を治すなら、居酒屋じゃ駄目なのだ。病院なのだ。
医者にかかって、薬を貰う。正しい道だし、常道だ。 恥ずかしい事じゃない。
実際、わにはメンタルに通う事になったら、みんなに言って回るに違いない。
けど・・・他人に頼って自分の矯正をすることは・・・自分の意に反している気がしてきていた。
てめぇのケツはてめぇで拭け。
持論にそぐわない。
それを曲げてまで、この状況は打開すべき事なのか・・・?
わにがわにじゃなくなる・・・
仮に脳味噌が収縮して、わにがわにじゃなくなるのと、
持論を曲げてわにがわにじゃなくなるのと・・・どっちがわににとって辛いか・・・
メンタルに行っている知り合いが、薬に頼って居る自分の弱さが耐えられない。
薬に頼りたくないと言った事がある。
鬱は精神病ではなく、脳内分泌物の異常から来る病気らしいので、
薬を飲んでいれば症状は落ち着くし、病気も治る。
けれど、患者の素人判断で薬を経つのは危険であろうと、「飲め」わにはそう言った。
薬を飲むのは自分の弱さじゃない。薬を飲めるのは、患者の特権だとそう言った。
けど・・・多分そんなの綺麗ごとだったんだよね。
きっとその知り合いは、こんな気持ちだったんだ・・・
今、同じような気持ちになってみて、わにの(既に求心力を失っていた)言霊は、
多分あの時の知り合いには響いていなかったであろう事が容易く想像出来る。
わにも同じような気持ちになってみて・・・
けど、なんて言えば良かったんだろう。あの時・・・
わにはなんて言って欲しいんだろう・・・今・・・
今のわには、なに言われてもきっと裏を読む。
「こいつは判ってない」
・・・そんな風に思われてたんかな・・・
わにがもしあの時のわにのような言葉を誰かにかけられたとしたら、
「正論じゃねぇんだよ。理屈じゃねぇんだよ」と・・・思う。きっと。
何処をどうしてもわには気に食わない。
優しさの裏を読もうとする。裏なんてないのに、裏を読もうとする。
無い物は読めないんだから、わにが裏を作る。
裏の色したフィルムを通して、わにはその人の言霊を聞く。
質が悪い・・・
わにには今・・・なにが見えて居るんだろう・・・
ALL or NOTHING ・・・
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