わにっぺ花見に行く

4月某日22時過ぎ。相方と近所の公園に桜の花見に向かいました。
広い公園のその場所は、相方とわにのお気に入りの場所。
立派な桜の木が沢山あって、花見客は電車の駅に近い方に陣取っていて、
その場所にはやって来ない。
わに達は、いつもちょっと土手になった所に腰掛けて桜を愛でている。
(時々木刀振り回していたりもする(爆))
その日も、いつものようにそこに座って・・・わにはビールを飲んでいた。

0時を回った頃だろうか・・・
目の前の、まさに愛でている最中の桜に・・・人が寄ってきた。
黒い服を着た大人5人・・・と、プリーツスカートを履いた女一人。
桜の下にはスーパーの袋。人々は桜を真ん中にして遠巻きにしている。  

 わに「なんだ?UFOでも呼んでんのか?」  
 相方「黒ミサか?」  
 わに「あのスーパーの袋はなんだ?まさかゴミ置き去りにしようって算段じゃ・・・」

さて。観察されていることを知ってか知らずか。
人々が桜の木の下に集まってくる。
その一人がわにがゴミ袋と思ったスーパー袋に手を伸ばす。  

 相方「・・・縄」

そう。その人がスーパー袋から取り出した物。それは、縄・・・
(相方は目が良い。わにより数段先の物が見えている)  

 わに「・・・なにすんねん」  
 相方「縄っちゅうたら・・・縛るんちゃうのん?」  
 わに「縛ってなにすんの・・・」  
 相方「・・・放置プレイ?」  
 わに「こんな人通りの少ない所でやってもおもろないでしょ」  
 相方「んじゃ、吊す」

確かにその木は、枝振りが良くて女一人くらい吊しても折れそうにはないけれど・・・
人の眼前でそんなことすんのか!? 大体どんな趣味なのだ。
(別に人の趣味なんてどうでも良いんだが)
さて・・・わに達からは桜の幹が邪魔(?)で死角になるところに、
スカートのおねーちゃんが立ち、縄を持った人影も同じく死角に・・・  

 わに「・・・なに」
 相方「吊されてるよ」
 わに「・・・(わにには見えていない)」
 相方「ほらほら。足、ブラブラしてるもん」
 わに「・・・おぉ・・・ホントだ・・・」

目を凝らすと、大枝の向こうにハイソックスかブーツを履いた足がユラユラしている。
フラッシュが焚かれ、シャッターのおちる音がする。デジカメである。
現場には人はいっぱい居るのに、カメラを持ってねーちゃんを狙うのは縄を手にしたあの人影だけ。
レフ板もない。照明もない。デジカメだけで・・・撮っている。

 わに「なにしてるの?あの方々」
 相方「写真撮ってる」
 わに「そりゃ判る。なに?趣味の写真?」
 相方「投稿だね」
 わに「あぁ・・・素人の投函雑誌か・・・にしちゃぁ、人多くないか?」
 相方「投函写真というのはね、素人が素人で投函する写真と、
    グラビア用の写真があるんだよ。
    "私を撮って下さい"なんて言うねーちゃんも居るらしいよ。
    これは、グラビア用なんじゃないの?」

なんでそんな事に詳しいんだ。相方・・・?(-_-;

 わに「なにっ!?やらせもあるの!?」
 相方「やらせじゃなくて、グラビア用」
 わに「・・・わからん」
 相方「いやぁ・・・初めて現場見た」
 わに「・・・オイラもだよ・・・」

ここには数年通っているけれど、こんな所に遭遇したのは初めてなのでした。
夜桜に吊されるおねーちゃんの写真・・・
しかし、全裸はどうだ。っていうか、
その靴下(ブーツ?)だけ履いた恰好ってぇのも、どうだ!?
なんだ?それでそそられるのか?わからん。わにには解せん。
見えそうで見えないのが、わには色気だと思う。
夜桜と縄なら、女は襦袢だろう。
黒(紺?)のハイソックス(?)はねぇだろう。
まぁ、これも趣味の問題か・・・

さて。ねーちゃんを縛ってシャッターを押す人影以外の人影は、
ずーっとその二人を見ている。

 わに「・・・なんなの?あの人達は。モデル一人で、カメラマンは順番待ち?」
 相方「スタッフじゃないの?」
 わに「ほ〜・・・」

そんな場所でも、時々人が通る。すると・・・撮影中断されるんだな。
人影は通行人を気にしている。
一部始終を見ているこちらの気配には気付いていないのだろうか・・・
こんなに話して(声出して)るのに、笑ってるのに、
相方に至ってはタバコまで吸ってるのに・・・
気付かんか?
通行人を気にして撮影をやめている間・・・
おねーちゃんは吊されぱっなしだったような気がするんだが・・・
風邪ひくじゃんかなぁ。
大体、人目が気になるんだったらそんな夜の浅い時間にそんな撮影すんなってな。
さて。段々ポーズが大胆になるのね。
ねーちゃん、逆さに吊されてた。

 相方「逆さに吊されてるよ」
 わに「・・・(見えてない)」
 相方「ほら、ブラブラしてるもん」
 わに「ん〜??(やっぱり見えてない)」
 相方「ほれ、あの枝の下」
 わに「・・・ん〜???(それでも見えてない)」

フラッシュが焚かれて、デジカメ特有のシャッター音が響き渡る。
フラッシュで浮き出されるねーちゃん・・・確かに逆さに吊されていた。

 わに「おぉ〜・・・」
 相方「なぁ〜?」
 わに「えげつなぁ〜・・・」

さて。時は2時。睡魔に負けそうなわには、相方共々その場を離れることに。
撮影会はまだ続行中。ねーちゃんは頭に血が上ったのか、ぐったり地面に寝かされていた。
帰り道。撮影現場に最接近。周りの人々は、通りかかったわに達の事を気にしていた。
今までは・・・気付いていなかったのか・・・?
歩いて居て気付いた。撮影現場の桜は、人の歩く場所から見ると、暗いんだ。
で。わに達が座っていた辺りは、もっと暗いんだ。(爆)

しっかし、なんだかなぁ・・・ あんな風に撮影するんだねぇ・・・
・・・あのカメラの角度からするに・・・
裸のねーちゃんのずーっと後ろの暗闇に、
あほ面した二人が写っちゃってるかも知れないよ・・・クス・・・

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