10月10日の鳥海山
  
わんこはお留守番の巻

  

私と鳥海山との出会いは小学校4年生。母と伯母に連れられての夏休みでした。ある朝早く起こされ、
さあ行くぞという感じ。最初は電車に乗り、旅気分でしたが、暑くつらい登山は自分の望みではなく、
なんで、なんで登らなきゃいけないの?とずっと不機嫌な私。母は夏休みの自由研究を鳥海登山記録と
決めており、一定時間毎に気温をはかり植物や昆虫の状態を書かされ、それはそれは苦痛な状態であり
ました。それでも「お浜(鳥海湖)」に着いた時はすがすがしく、晴天の鳥海山とお花畑の道は不機嫌
な私を少しなだめてくれました。でも私の望みはそこでゆっくり休んで帰る事。当然そういう事にはな
らず、ふくれながら、だらだら登ってゆきました。やっと着いた頂上の山小屋。水を貯めるドラム缶の
水にわいていた大量のボウフラは忘れられません。
薄暗い山小屋。多分明かりはランプ、それと登山客のお湯を沸かす小さなコンロの火。山小屋は登山客
で一杯。所狭しと人が毛布にくるまってころがっており、山男という感じの人達が大きな荷物からいろ
いろ取り出し、狭いスペースでお湯を沸かし、コーヒーを飲んだりしていました。山小屋で借りたごわ
ごわの毛布にくるまって横になっていた私はお菓子をもらったのですが、キライなゼリーのお菓子でガ
ッカリ。あのきたない毛布にくるまって寝た事は、私にかなりの悟りをもたらしたと思います。
夜、トイレで外に出た時に見た星には、ビックリ!え、これ星?もう手が届きそうな感じで、でっかく
ピカピカなのです。まさに仰天。その時、始めて、来て良かったと思いました。
朝のご来光、鳥海影(海に鳥海山の影が写っている)、お花畑、雪渓、もう下るばかりの2日目はすべ
てを楽しめる私。女性部隊だった為、必要最低限の荷物の私達はカメラもなく、でも、小さな私が登っ
ているので声を掛けてくれる人が多く、一緒に撮った写真を送ってくれた人もいて、ふくれていた割に
はセピア色のナイスショット写真が残っています。
という訳で、私にとっての鳥海山は、美しいけれど、大変な所。近年まで五合目駐車場より上に登る事
はありせんでした。まずは2年前。頂上まで行かなくても行ける所まで行ってお弁当を食べて帰ってく
ればいいじゃない、と河原宿方面を登ったら、美しいお花畑に感激。昨年は、お浜(鳥海湖)をめざし
てみたら、天候に恵まれ、お浜湖畔の草原に寝ころんでゆったりとした時間をすごせて大感激。これこ
そ小学4年生の私が望んだことでした。今年の夏は頂上をめざすべく登山したのですが、お浜は雲に包
まれ強風で、無理は禁物とお弁当を食べて引き返しました。でもガスに煙る中、草花が風にごうごう揺
れる様は、それはそれで美しい風景でした。そして秋の鳥海山って?と出かけたのが以下の写真です。
 
 
←美しい丘陵
 
 雲が刻々と風景を変えます→
 笹がキラキラ輝いています
振り返ると海→
 
こんな崖っぷちにも暮らす
山の動物達の事を考えます
←陸と雲の間の白い波
 撮った本人はわかるの
 だけど...
 海の存在は大きい
 そこにあるうれしさ
谷間に落ちる山陰→
美しい景色
身体がうれしい
と言います
どうして
美しいと思うのでしょう
どうして
うれしいのでしょう
雲が
私をとらえます
青い空は
すべてを輝かせます
昨年のお浜(鳥海湖)→
今年は見られませんで
した 
無理をしないで
ずっと
楽しみたい山です
 

 END