【WB本格ミステリベスト海賊版 全投票】


・コメント付き全投票です。
・部分的に伏せ字を使ったり、編集してありますが、9割がた原本通りです。
・HTMLによる整形は、最低限にとどめました。見づらい所もあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
・この企画に関する質問等、いっさい友野健司が承ります。


順位題名著者
サマー・アポカリプス     笠井潔
ガダラの豚中島らも
「掘り出された童話」泡坂妻夫
大誘拐天藤真
三重露出都筑道夫
「グリーン車の子供」戸板康二
ダブル・オー・バック稲見一良
カディスの赤い星逢坂剛
「ある東京の扉」連城三紀彦
10怪物がめざめる夜小林信彦
コメント
3は『亜愛一郎の狼狽』に収録                
6は同名の短編集に収録
9は『変調二人羽織』に収録

順位題名著者
七十五羽の烏         都筑道夫
人形はなぜ殺される高木彬光
占星術殺人事件島田荘司
亜愛一郎の狼狽泡坂妻夫
戻り川心中連城三紀彦
「三狂人」大阪圭吉
ロートレック荘事件筒井康隆
孤島パズル有栖川有栖
クラインの壺岡嶋二人
10「ジャケット背広スーツ」都筑道夫
コメント
10:『退職刑事』収録

全部文庫で一人一作にしようかと思ったけど、ちょっと無理でした。
1は絶版本を探し回ってやっと見つけた時の感動という付加価値も
いれて1位。『黄色い部屋はいかに改装されたか』(晶文社)の実
践編としても、口だけじゃないことを示した作品。「謎と論理のエ
ンタテインメント」って言葉が好きなんだな、わたしは。

2、3は読者に挑戦できるだけの資格をもったこれぞ本格という傑
作。
4、5は、作風は全く異なるが、論理展開や発想がものすごく似て
いる。
やっぱ幻影城ってすごいんだなと思わせる短編集。
6は作品にムラがあるもののやはり落とせない作品集。
7は見事に騙されました。賛否両論あるだろうけどね。
8はラストの喪失感が印象に残る作品。
9は井上夢人の原点という感じのもの。バーチャルな世界の先取り
がとても新鮮だった。
10は日本版『九マイルは遠すぎる』。こういう小品は好きである。

他にも『火刑都市』『顎十郎捕物帖』『煙の殺意』『双頭の悪魔』
『空飛ぶ馬』なんてところを入れたかったんだけど、泣く泣く落と
しました(^^;。
最近の本格ものは全く読んでないから、古いのばかりになってしま
いました。何か大事な作品を忘れているようで不安ですけれど。

順位題名著者
占星術殺人事件        島田荘司
人形はなぜ殺される高木彬光
斜め屋敷の犯罪島田荘司
バイバイ、エンジェル笠井潔
乱れからくり泡坂妻夫
「カナカナ姫」水谷準
「空飛ぶ馬」北村薫
「偽悪病患者」大下宇陀児
絃の聖域栗本薫
10本陣殺人事件横溝正史
コメント
 私にとっての本格という話になると、ベスト10さえ埋まらなくな
る可能性が出てくる。この際、許容範囲ギリギリまで広げた。
 それはさておき、被害者意識の強いマニア諸氏がいう本格冷遇時
代の方が、好景気に沸き立っている(らしい)今より、遥かに優れた
作品が読めたと感じているのは私だけだろうか?

1)日本でクイーンの志を継いでいる人間がいるとしたら、それは
  島田だけである。解かれるべき謎と解くための論理、これがな
  ければ本格ではない。と私は思う。
2)これを読まずして本格を語ることなかれ。様式美とはこのこと
  を言う。雰囲気だけでは駄目なのである。
3)本格ということでは、「占星術」よりこちらのほうが先鋭的。
4)さすがに『薔薇の女』を入れるのは躊躇われた。
5)「DL2号機事件」でも良かったのだが……。
6)安楽椅子探偵もの? シリーズ化してほしかった。私はこうい
  う作風が意外と好きなのである。
7)テーマに照らして、北村薫ではこれということになる。
8)往復書簡で物語を構成する、探偵小説にありがちな構成だが、
  ここまで巧く処理したものは稀。
9)伊集院大介が唯一、輝いていた作品。
10)短編から選ぼうと思ったが、もっとも印象的なのは確かなので。

順位題名著者
キッド・ピストルズの妄想   山口雅也
遠きに目ありて天藤真
運命の八分休符連城三紀彦
占星術殺人事件島田荘司
本陣殺人事件横溝正史
クラインの壺岡嶋二人
招かれざる客笹沢佐保
亜愛一郎の狼狽泡坂妻夫
空飛ぶ馬北村薫
10時のアラベスク服部まゆみ
コメント
 物忘れがひどくなってきて、本のページを開いてしばらく経たな
いと一度読んだ本(時には、数度読んだ本さえ)の内容を思い出せ
なかったりするので、10年以上前に読んだ本は2冊しか(横溝と
笹沢佐保)ランクインしませんでした。

 山口雅也と連城三紀彦は、肌に合う作家なので、上位に。
 『占星術』の順位に少し頭を悩ませました。低めになってしまっ
たかな。
連作短編集がかなりの割合を占めてしまいました。国内の本格は、
短編に好みが偏っているようです。(海外の本格だと、圧倒的に長
い長い作品が好きなんだけど)

順位題名著者
斜め屋敷の犯罪        島田荘司
本陣殺人事件横溝正史
占星術殺人事件島田荘司
双頭の悪魔有栖川有栖
空飛ぶ馬北村薫
弦の聖域栗本薫
霧越邸殺人事件綾辻行人
放課後東野圭吾
そして扉が閉ざされた岡嶋二人
10遠きに目ありて天藤真
コメント
 1作家1作にしょうと考えたんですが、島田がどっちも外せませ
んでした(^^ゞ あまり古いものは入らなかったようです。
(う......見事に出版社が片寄っている......(__;)

順位題名著者
「DL2号機事件」      泡坂妻夫
占星術殺人事件島田荘司
「グリーン車の子供」戸板康二
「空飛ぶ馬」北村薫
魍魎の匣京極夏彦
クラインの壷岡島二人
本陣殺人事件横溝正史
大誘拐天藤真
十角館の殺人綾辻行人
10「二銭銅貨」江戸川乱歩
コメント
これといって特徴はないかもしれません...        

順位題名著者
11枚のとらんぷ        泡坂妻夫
亜愛一郎の狼狽泡坂妻夫
戻り川心中連城三紀彦
運命の八分休符連城三紀彦
キッド・ピストルズの妄想山口雅也
「空飛ぶ馬」北村薫
魔法飛行加納朋子
「カット・アウト」法月綸太郎
陽気な容疑者たち天藤真
10どちらかが彼女を殺した東野圭吾
コメント
 6はもちろん同名の短編集に、8は『パズル崩壊』に収録。

 上位、妙に作家が偏ってますが、横溝正史、高木彬光らをほとん
ど読んでおらず、新本格も今一という私にとって、国内の本格とい
うとやはりこの二人の作品ということになってしまいます。また、
特に意識していたわけではないのに、十作中七作が短編もしくは短
編集になってしまいました。

1.最初に読んだ泡坂作品という思い入れもあると思う。愉快な話
  に隠された、過剰なまでの伏線の張り方が素晴らしい。
2.3.どちらも甲乙付け難い国内最高の短編集でしょう。3の方
  はぜひとも最初の構想通り完成させて欲しかった。
4.軽妙なユーモアミステリの裏に隠された作者の企みに驚嘆。
5.狂気の論理にまで踏み込んだ作品集。特に「永劫の庭」がいい。
6.正直、短編集は期待したほどではなかったけど、この作品には
  感動した。
7.加納朋子はやはりこれがベスト。たまにはこういう甘いのもい
  いかなと。
8.法月作品に探偵法月綸太郎はいらない。
9.天童作品はそれぞれに面白いけど、一作あげるとすれば今のと
  ころこれ。
10.いつもじゃ困るけど、一回はこういう手もありかと。

順位題名著者
悪魔の手毬唄         横溝正史
占星術殺人事件島田荘司
獄門島横溝正史
魍魎の匣京極夏彦
哲学者の密室笠井潔
人形はなぜ殺される高木彬光
孤島の鬼江戸川乱歩
七人の証人西村京太郎
黄昏のベルリン連城三紀彦
10りら荘事件鮎川哲也
コメント
 長編が多いな。
 作品全体を覆う雰囲気っていうのかな、そういうのを味わえる長
編が好き。そしてその中で、「錯綜する謎」、「意外な伏線」、
「見事な解決」といったものを楽しめるのが、本格推理の醍醐味じ
ゃないかと思います。

順位題名著者
人形はなぜ殺される      高木彬光
占星術殺人事件島田荘司
本陣殺人事件横溝正史
「二銭銅貨」江戸川乱歩
獄門島横溝正史
刺青殺人事件高木彬光
絃の聖域栗本薫
「赤いペンキを買った女」葛山二郎
「落石」狩久
10「DL2号機事件」泡坂妻夫
コメント
1.雰囲気は「刺青」のほうが好きだけど、全体としてはこちらの
  ほうが上。
4.「D坂」と迷ったけれど、あの冒頭が好きなので。
8.『股から覗く』所収。こういう法廷物は好きです。
9.『奇想の森』所収。列車に向かって不思議な微笑みとともに右
  腕をレールの上に差し出す女。自殺ではなく、何故右腕だけ。
  狩氏の他の作品は読んだことないのですが、これは奇麗にまと
  まっていると思います。
10.『亜愛一郎の狼狽』所収。

順位題名著者
哲学者の密室         笠井潔
虚無への供物中井英夫
本陣殺人事件横溝正史
奇想、天を動かす島田荘司
百舌の叫ぶ夜逢坂剛
火車宮部みゆき
マークスの山高村薫
亜愛一郎の狼狽泡坂妻夫
頼子のために法月綸太郎
10マリオネットの罠赤川次郎
コメント
1 これしかないわ!
2 どうしても外せない。
3 横溝の長編ならこれが一番好き。
4〜7
  本格じゃないかもしれないけど(^^;)、でも、外せないの(T^T)。
8 「乱れからくり」も好きだけど。
9 新本格ではこれが、一番好き。
10 赤川次郎は私の原点でもあるから。

順位題名著者
バイバイ、エンジェル     笠井潔
占星術殺人事件島田荘司
姑獲鳥の夏京極夏彦
斜め屋敷の犯罪島田荘司
魍魎の匣京極夏彦
人形はなぜ殺される高木彬光
「本陣殺人事件」横溝正史
孤島パズル有栖川有栖
「DL2号機事件」泡坂妻夫
10そして扉が閉ざされた岡嶋二人
コメント
 本格に絞ると意外と苦しいな、というのが素直な感想。見ておわ
かりの通り、『匣の中の失楽』と『夏と冬の奏鳴曲』は外してあり
ます。やっぱり、本格に変格を入れる気にはなりません。京極はれ
っきとした本格だと思っています。

順位題名著者
焦茶色のパステル       岡嶋二人
高層の死角森村誠一
占星術殺人事件島田荘司
大誘拐天藤真
不連続殺人事件坂口安吾
斜め屋敷の犯罪島田荘司
放課後東野圭吾
獄門島横溝正史
刺青殺人事件高木彬光
10双頭の悪魔有栖川有栖
コメント
乱歩賞関係が多い。                     

順位題名著者
占星術殺人事件        島田荘司
獄門島横溝正史
双頭の悪魔有栖川有栖
魍魎の匣京極夏彦
斜め屋敷の犯罪島田荘司
本陣殺人事件横溝正史
十角館の殺人綾辻行人
放課後東野圭吾
  
10  
コメント
 1人1作品にしたかったのですが、重なってしまいました。
 2は10代に初めて読んで以来、私の中で常に1位をキープしてい
ましたが、あえなくその座を明け渡しました(笑)。
 まだまだ読めてない本がたくさんあるので(北村薫とか)、片寄っ
てるなあと思います(^^;

順位題名著者
占星術殺人事件        島田荘司
亜愛一郎の狼狽泡坂妻夫
本陣殺人事件横溝正史
魍魎の匣京極夏彦
  
大誘拐天藤真
孤島の鬼江戸川乱歩
空飛ぶ馬北村薫
哲学者の密室笠井潔
10絃の聖域栗本薫
コメント
1.「ミステリー」にはまるきっかけになったから。
2.それまであまり短編というのは好きではなかったけど、目から鱗
 が落ちた。
3.人間関係とかどろどろしていて良い(^^;;
4.「ミステリー」に戻るきっかけになったから。
5.4と6の間が見つからなかったm(..)m

それ以降はなんとなくです(^^;;
読んでいる作品数が少ないので、どうも「本格」というジャンルが
よく分からず、それっぽいと思われて且つ好きな作品を選んでみま
した。

順位題名著者
秋の花            北村薫
人形はなぜ殺される高木彬光
悪魔の手毬唄横溝正史
砂の器松本清張
孤島の鬼江戸川乱歩
姑獲鳥の夏京極夏彦
占星術殺人事件島田荘司
本陣殺人事件横溝正史
学生街の殺人東野圭吾
10どちらかが彼女を殺した東野圭吾
コメント
 順位は明日になるとまた変わっているかもしれません(^-^ゞ
 意外と古い作品が多くなってしまいました。

1)私の最も好きなミステリのひとつです。
2)初めて読んだ時には衝撃を受けました。もはや古典でしょうか。
3)横溝作品ではこれが一番気に入っています。
4)名作ですね。東北弁が重要なカギとなっています。
5)中学生の時に読んで、ブッたまげました。耽美だぁ。
6)この人は外せないでしょうね。個人的には『魍魎』よりもこち
  らが好みです。
7)この人も外せないですね。ところで現役版は光文社のほうでし
  ょうか? それとも講談社?
8)横溝作品のなかではこの小説が一番本格っぽいのでしょうか。
9)東野圭吾さんの長編のなかでも最もバランスのいい本格もので
  しょう。
10)挑戦的な作品です。ラストには衝撃を受けました(^-^;)

 天藤真の『大誘拐』が大好きなのですが、本格ものとは言えない
ような気がしますので、投票しませんでした。東野圭吾さんは短編
に傑作がいくつかあります。「天使の耳」はお勧めです。宮部みゆ
きさんは、本格ものと呼べるようなものはほとんど書いていません
ね。

順位題名著者
夜の蝉            北村薫
双頭の悪魔有栖川有栖
学生街の殺人東野圭吾
時計館の殺人綾辻行人
不連続殺人事件坂口安吾
占星術殺人事件島田荘司
魔術師江戸川乱歩
レベル7宮部みゆき
頼子のために法月綸太郎
10魍魎の匣京極夏彦
コメント
 一人一作品に調整してみましたが,難しかったです(;_;)
 7位から下はその時の気分では入れないかも知れません。
 1位から4位は同じ作家さんの他の作品を上げることもありそう
です。

 こうやってあげてみると自分が何に弱い(=あっと驚く=本格だ
と思っている) のかがよく分かります(笑)

1 表題作はもちろん,どうしてこんなに女性の気持ちが描けるの
  か不思議
2 『月光ゲーム』『孤島パズル』を読んでからの方が楽しめます
  けど・・・ あと1作は出るという学生アリスもの,首をながー
  くして待ってます
3 うまく説明できませんが雰囲気が気に入ってます。再読したい
  最有力候補 (じつはよく覚えていない^^;コラ!)
  きれいなハードカバーを探しています
4 本格というより力技っていう感じですが,こういう感覚は好き
  です
5 某外国作品のパクリだそうですが^^; 挿絵ともども楽しんで欲し
  いです
6 かなり早い段階で分かったことが自慢(^^)v どう落着させるのか
  気になって一気読みしました。これもハードカバーの美本があ
  れば手元に置きたい
7 小学生の時に受けたあの衝撃は忘れられません
  (妹の名づけにまで影響した)
8 本格とは言えないかも。しかし,二つの話が結び合わされて行
  く過程にわくわくどきどきしました
9 贔屓の引き倒し(爆)でも悩んでないで書いておくれー
10 狂骨までしか読んでない^^;でもやはり「みっしり」には惹かれ
  るものが

 この他に上げたかった作家として横溝正史,岡嶋二人,篠田真由
美,仁木悦子,若竹七海,黒崎緑さんなどがあります。

順位題名著者
十角館の殺人       綾辻行人
絃の聖域栗本薫
仮面舞踏会栗本薫
「我らが隣人の犯罪」宮部みゆき
あした天気にしておくれ岡嶋二人
放課後東野圭吾
龍は眠る宮部みゆき
異邦の騎士島田荘司
モーツァルトは子守唄を歌わない森雅裕
10乱れからくり泡坂妻夫
コメント
あれも入れたい、これも入れたい・・・の中から、選びました。
ベスト10って、けっこう難しいですねー。

1.あの一言が、どうしても忘れられません。とても好きです。
2.日常とかけ離れた世界と、その空気を感じた作品です。
3.栗本さんが続いてしまいましたが、パソ通している方には是非
  読んでもらいたいなと思います。
4.短編集ですが、私はこれで、宮部さんにハマりました。
5.乱歩賞候補作。でも私は乱歩賞をとった作品より、好きです。
6.乱歩賞受賞作。
7.これって本格じゃないかも?慎司くんはステキな男の子ですね。
8.御手洗さんがちょっと、かっこよすぎかな(^^;。ハラハラさせ
  てもらいました。
9.乱歩賞受賞作。ミステリとしてと言うより、キャラクタの魅力
  にマイッてます。
10.解決に、おお!と思った作品です

我孫子さんの「探偵映画」や、黒崎緑さんの「しゃべくり探偵」
なんかも入れたかったんですけどねー。まあ、次点ということで…。
ホントは岡嶋さんの「クラインの壺」が1位なんですけど、これ
って本格ミステリとはちょっと違いますよね。

順位題名著者
占星術殺人事件        島田荘司
鉄鼠の檻京極夏彦
黒死館殺人事件小栗虫太郎
十角館の殺人綾辻行人
虚無への供物中井英夫
聖アウスラ修道院の惨劇二階堂黎人
すべてがFになる森博嗣
人格転移の殺人西澤保彦
匣の中の失楽竹本健治
10倒錯の死角折原一
コメント
 うーん、講談社ばかりになってしまった。
 この他に、笠井潔や服部まゆみも入れたかったのですが10作品
なので以上のようにしました。
 「占星術」は本格を読むきっかけになった作品なので、1位。あ
のトリックも気に入ってます。シンプルだけど最後まで判らなかっ
た。
 京極作品は、「絡新婦」「姑獲鳥」も好きだけれど、1作に絞り
ました。
 「黒死館」はバイブルみたいなものです。が、3位。再読もして
ないし。
 綾辻作品は、「霧越邸」も好きですね。
 「虚無」は、ああいう系統では最高傑作だと思います。

順位題名著者
姑獲鳥の夏          京極夏彦 
虚無への供物中井英夫
ゼウスガーデン衰亡史小林恭二
オイディプスの刃赤江爆
さまよえる脳髄逢坂剛
放課後東野圭吾
生者と死者泡坂妻夫
99%の誘拐岡嶋二人
大誘拐天藤真
10 「ポール・ニザンを残して」原田宗典
コメント
10位『優しくって少しばか』所収

順位を付けるのは難しいので思いつくまま10作品、というより10人
の作家を挙げてその作家の1冊を選ぶ事にしました。これがまた難
しい(^^;)だから順位は適当です(笑)
東野圭吾や岡嶋二人のようにレベルが一定している作家で1冊とい
うのは選びにくいですね。東野は動機のインパクトでデビュー作に
しました。岡嶋は数ある誘拐ものでも出色のこれ。
泡坂さんは「乱れからくり」とどちらがいいかと迷ったのですが、
泡坂さんの遊び心がより出ている方にしました。泡坂さんと逢坂さ
んを入れたのは「文士劇」の印象もプラスか?(笑) 逢坂さんはス
ペインものも公安ものも好きなので困ってしまう(^^;) でも「右脳
と左脳」の話が好きだからこれ!(笑)
土屋隆夫や仁木悦子も好きなんですが今読んで「凄い」とは思わな
いんですよ。小説として考えて普遍的に面白い天藤の「大誘拐」に
しました。
読んだ時のインパクトと「今」を考えて普遍性があるのはやっぱり
中井英夫か。だから1位にとも思ったけど「今」はやっぱりナツヒ
コを選んでしまおう(笑)
赤江爆、小林恭二、原田宗典などミステリ作家の範疇には拘らずミ
ステリと思ったものも入れてみました。
久生十蘭とか坂口安吾とか入ってないぞ(^^;) 「ドグマグ」も(^^;)
まぁいいか。

順位題名著者
ドグラ・マグラ        夢野久作
姑穫鳥の夏京極夏彦
絃の聖域栗本薫
魍魎の匣京極夏彦
〈円紫師匠と《私》のシリーズ〉北村薫
瓶詰の地獄夢野久作
〈「ぼくら」シリーズ〉栗本薫
白仙境牧逸馬
人間椅子江戸川乱歩
10殺人リレー夢野久作
コメント
ミステリならざるモノがメインになっているような気がしますが、お許し
ください。

**だから新本格とかがいっぱい票を取るのかと思うと、悔しくて、
つい昔のものを贔屓してしまいました。
こうしてみると最近読んだ新本格って「スカが多かったなあ」と思い
ます。
最近読んだのでよかったのって島田と京極ぐらい。(でも島田は入
れてませんが)この二人には頑張ってほしいものです。

私は「トリック」や「なぞ解き」よりは、事件を巡る「人間」、そ
してそれらを取り巻く「世界」の雰囲気に興味があるようです。
そういう意味で、最近の新本格んんぞは「なっちゃいねぇー、人間
が書けてねぇーよ」などと思ってしまいます。

あと これは関係ないのかもしれませんが、冒頭に人物表を挙げる
ミステリにはスカタンな物が多い気がします。あれは編集の人が付けちゃう
んですかね。駄目なのを補うために。

順位題名著者
倒錯の死角          折原一
陽気な容疑者たち天藤真
「糸ノコとジグザグ」島田荘司
狂骨の夢京極夏彦
迷路館の殺人綾辻行人
生ける屍の死山口雅也
合本・青春殺人事件辻真先
〈墨野隴人シリーズ〉高木彬光
猫の舌に釘をうて都筑道夫
100の殺人我孫子武丸
コメント
 あまり多くない読書経験の中から、印象に残っている作品をあげ
ました。(順位は好きな作家を順番にならべたようなものです。)
 1については倒錯のロンドと合わせて1位です。
 2は大誘拐にと思ったのですが、本格ということでこちらにしま
  した。
 3は占星術や斜め屋敷もあると思いますが、作品の雰囲気が好き
  なので。
 8は計画通り短期間に出版されていれば、もっと評価されたので
  はないかと思うのでいれました。(人形や刺青は誰かが入れる
  でしょう。)

 昔読んだものはかなり印象が薄れているので、最近の作品が多く
なってしまいました。

順位題名著者
獄門島           横溝正史
虚無への供物中井英夫
不連続殺人事件坂口安吾
乱れからくり泡坂妻夫
亜愛一郎の狼狽泡坂妻夫
魍魎の匣京極夏彦
大誘拐天藤真
「戻り川心中」連城三紀彦
「幽霊列車」赤川次郎
10占星術殺人事件島田荘司
コメント
わりと現在の作品と、過去の思い入れのある作品をいっしょに秤に
掛けるとは、実に苦しい選択だった。
できれば候補作をすべて再読してから選びたかったが、またこうい
うのもいいかもしれない。
現時点のベストテンだが、なにやら漏らした作品があったような気
がしている。

順位題名著者
時計館の殺人         綾辻行人
匣の中の失楽竹本健治
生ける屍の死山口雅也
ある閉ざされた雪の山荘で東野圭吾
月光ゲーム有栖川有栖
空飛ぶ馬北村薫
二の悲劇法月綸太郎
彼女が死んだ夜西澤保彦
北の夕鶴2/3の殺人島田荘司
10翼ある闇麻耶雄嵩
コメント
 好きな作家を挙げて、この作家はこの作品、この作家はこの作品、
というように各作家一作品のベストを作成後、ベストテンを選びま
した。そうでもしないとまとまりが付かないと思ったもので。
 またボク自身がリアルタイムに感じていないものは除きました(島
田と竹本は悩んだ末に入れました)。正当な評価が出来るか分からな
かったのと、僕の中にリアルタイムに対する幻想があるためです。
また、僕が入れなくても他の人が入れるだろう、という気持ちもあ
りました。

1位:オールタイムベスト。ミステリに限らず、あらゆるジャンル、
   メディアの物語の中でベストです。
2位:悩みましたが、入れないわけにはいかないと思いました。
3位:ミステリの世界を拡げた傑作。怪作。
4位:東野ならこれ。筒井の某作品より遥かに上。
5位:有栖川作品の世間の人気っておかしくないですか? はっき
   り言ってミステリとしてみた場合、火村物って駄作ぞろいだ
   と思うのですが(特に長編)。何故江神物が騒がれないのか理
   解に苦しみます。
   傑作ぞろいの江神物、中でもこれを選んでみました。完成度
   では『双頭の悪魔』の方が上かもしれませんが、青春小説と
   しての側面を評価、加味して、こちらを。
6位:日常の謎系の出発点。のちの作家への影響力も見逃せません。
7位:法月も悩みましたがこれを。『一の悲劇』『頼子のために』
   の方が票を集めるかもしれませんが、僕はこの作品が、好き
   です。
8位:本格の「今」を一人で(敢えて言うが)背負っている作家。SF
   的設定のものが目を引くが、この人の一番の持ち味はひねく
   れたキャラクターの描写のうまさだと思う。そういうわけで
   これ。もちろん西澤ならではの「妄想じみた論理の構築」も
   楽しめます。
9位:多分島田ファンの票入らないだろうなあ、これ。でも一番好
   き。このトリック、もし御手洗物に使われていたら、御手洗
   ファンは大絶賛していたと思う。そういう意味においては
   「失敗」していますね。
10位:これは入れるべきか悩みましたが、入れます。大傑作だ(笑)。
   この作品で「本格ミステリ」をぶち壊し、そこに残った残骸
   さえも『夏と冬の奏鳴曲』でぶち壊した。さて、麻耶よ、こ
   れからどこへ行くのか。もう壊す対象はないぞ。自分で作ら
   ねば。『痾』『あいにくの雨で』を褒める人の気持ちが分か
   らない……。大駄作じゃないか。近二作に復活の気配あり。
   期待したい。

順位題名著者
姑獲鳥の夏          京極夏彦
殺戮にいたる病我孫子武丸
占星術殺人事件島田荘司
哲学者の密室笠井潔
聖アウスラ修道院の惨劇二階堂黎人
空飛ぶ馬北村薫
トランプ殺人事件竹本健治
法月綸太郎の冒険法月綸太郎
バイバイ、エンジェル笠井潔
10パワー・オフ井上夢人
コメント
1:読んでいる途中でも驚いたけど読み終わって答えは冒頭部分に
  提示されていたことに気が付いてスゴイ!と思った。
2:一生ついていこうと思った、今のところ。
3:トリックの凄さよりも意気込みに惹かれました。
4:ジャン=ポールのメモによるととんでもないところで事件が起
  こっている、ということを最近教えてもらいました。
5:蘭子に言われるとなんでも納得してしまうのです、わたしの蘭
  子の嘘ベスト1。
6:初めて北村さんの本を読んだ時の新鮮さは忘れないでしょう。
7:智久くんシリーズでは一番雰囲気が好きです。
8:『頼子のために』よりも好き、軽いところがかえっていいのか
  も。
9:駆の最初の物語だから。
10:本格ではないかもしれないけど外せない! 自分とパソコンの
  付き合い方についても考えました、ってそれほどの達人ではな
  いのに(笑)

順位題名著者
七十五羽の烏         都筑道夫 
誰もがポオを愛していた平石貴樹
〈亜愛一郎〉シリーズ泡坂妻夫
團十郎切腹事件戸板康二
〈なめくじ長屋捕さわぎ〉都筑道夫
乱れからくり泡坂妻夫
不連続殺人事件坂口安吾
りら荘事件鮎川哲也
生ける屍の死山口雅也
10  
コメント
ええと、10位は空欄にしました。関脇クラスは多いものの、「これ
ぞ本格!」というには、どうも力不足という感もないではないもの
で(^^;。
 「謎と論理のエンタテインメント」というのを基準に選びました。
7位の『不連続殺人事件』については、あえて創元推理文庫の『坂
口安吾集』で読むことを強く推します。と、いうのはこの作品の魅
力は途中で挟まる「作者口上」にあると思うので。山口雅也はゲー
ムブック版『十三人目の名探偵』を推したかったのですが、おそら
く古本市場でも入手が難しいと思うので『生ける屍の死』を挙げま
した。


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