所在地:    福井県坂井郡三国町緑ヶ丘4−2−1
入場料     300円
休館日     毎週水曜日(祝日の場合は翌日)
交通手段    北陸高速金津ICから車で25分、えちぜん鉄道三国駅から徒歩10分
備考      

 この博物館は非常に美しい。白亜五層八角の洋風の建物である。トリックアートなどで有名なM.C.エッシャーの父、G.A.エッセルのデザインによるという。元は龍翔小学校として建てられたものを忠実に復元したそうだ。但し、この建物は鉄筋で新たに作られたものなので、建物自体に価値があるわけではない。しかし、そんなことはどうでもよい、と感じてしまうくらい美しい。更に、建物に負けないくらい展示品が充実している。入り口から入るとまず北前船の模型。模型とはいえ、その大きさには当時の海運による繁栄を感じ取るには十分である。その周囲には、三国周辺の自然、歴史の展示が並ぶ。中では、銅鐸の鋳型が目玉であろうか。
 そして、三国まつりの山車。山車は比較的よく見られるのだが、10mを越す巨大な武者人形を乗せた山車は他にはなかろう。これは見ただけで圧倒されてしまう。この山車は、明治時代のものを復元したそうだが、当時の町の繁栄を象徴しているように思う。
 二階に登ると三国港と北前船の展示である。三国港は、北前船の港として繁栄した。その町の模型を中心に、方位磁石などの当時の品々が並ぶ。しかし、陸上交通の発達と船舶の大型化により、やがて衰退し、漁港となる。このあたりの展示も詳しい。
 三階に上ると、まずは文学の展示である。三国町に関係する作家、高見順、三好達治、そして森田愛子などの文学者の資料や書斎などの展示が並ぶ。更に、下駄や桶などの工芸品の仕事場の復元がある。当時の生活がとても身近に感じられる。また、この博物館の元となった、龍翔小学校の展示も見のがせない。
 最上階は展望室になっていて、三国の町が見渡せる。すでに三国町の古代から近代までの多岐にわたった展示を見た後だけに、町並みや風景がとても身近に感じられる。
 町立でこれだけの展示を見せてくれる博物館は他にはない。また、初めてのこの町を身近に感じさせてくれる博物館もそう多くはない。展示品の維持管理が行き届いているのも見事である。

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