賢坂橋
賢坂橋は、東外惣構堀にかかる橋である。
橋は坂の途中、といった感じで架かっているが、この坂が賢坂かどうかははっきりしない。少しはなれたところに賢坂辻という名前の交差点があり、そのすぐ近くにも坂がある。ということで、賢坂自体は分からないのだが、橋の名前は間違いはないことだろう。橋に書かれているのだから
さて、橋自体は小さい。コンクリート製でステンレスの欄干がついている。町の中にある橋としては特徴ある橋とはいえない。ごく普通の橋である。だがそのすぐ近くに立派な古い石垣が残っている。その前にちいさなお堂もある。この石垣、加賀藩の家臣、成瀬家の館跡という。この名前は、このあたりの旧町名にもなっていた。
こうしてみてみると、ちょっとした城の石垣のようにも見えてくる。家臣とはいえ、石高は8000石近かったらしい。大名には足りないが、それに近いことになる。さすが加賀100万石、と感じる。
また、この石垣の反対側には蔵もある。石垣との関係は分からない。外観はとてもlきれいなのだが、ちゃんとした土蔵作りのようにも見える。町の真ん中に石垣と蔵・・・。どこか歴史を感じてしまう。この石垣が出来たとき、この周囲はどうだったのだろうか? 惣構堀という守りの上での大切な堀。この石垣は、要所を守るために重臣を配したのだろうか? 残念ながら掘りは狭く、水も少ない。当時はきっと広く、水も多かったのだろう。藩政時代を思いながら通りたい場所である。