御影大橋
御影大橋は、犀川にかかる橋で、市街地の中にある。犀川大橋の下流にあり、繁華街にも近い。金沢を横断する橋であり、交通量も多い。以前はトラス橋で、もともと2車線程度の幅なのだが、歩道を広げてかろうじて3車線を確保していた。しかし、前後の道路は4車線であり、交通上のネックになっていた。このため、架け替えられ、2005年8月27日に新しい御影橋が開通した。ただ、その時点では下流側の歩道はまだ工事中であり、下流側の歩道だけは仮設橋を使う状態で、仮開通、という感じである。
従来の御影大橋、トラス橋であった。ちょっと変った、つり橋風に組まれたトラスであり、無骨な感じが強い端であった。この橋の上流にある犀川大橋、同じトラスでありながら優雅な感じがあったのと対照的であった。それが、今回の架け替えで、一変して非常に優雅な橋となった。片側に寄ったパイプのアーチ、その反対側の弧状の歩道。車道も歩道も開放的で、左右非対称の橋は、現代的な美しさを感じる。
新しい御影大橋のアーチ、これは下流側の歩道にある。車から見るとアーチは見えるが歩道上でもあり、どこかモニュメント的な印象になる。走る上で橋を意識することなく、それでいて橋の印象を高めてくれる。最近の橋では、斜張橋の一部で、道路の中央にのみ、支えがある橋もあるが、それと似ている、と感じながらも強い個性を感じる。
歩道、現時点では上流側のみであるが、上流側の歩道は車道とは別れて弧状になって張り出している。幅は広く、車道の2車線程度ある。歩行者自転車ともに通る人は多いが、もちろんこれほどの幅は必要ない。
橋の中央部には、数は少ないものの椅子もあり、橋としてのゆとりを感じる。ここからは晴れていれば白山も見え、また犀川の流れと金沢の町並みを眺めることが出来る。
さて、一番の特徴である、片側に寄ったアーチである。これも橋の強度の上で重要な要素だと思う。橋を横から見ると、桁に厚みは感じられない。それでいて、普段水の流れる部分に橋脚はなく、広く開いている。上流に大きくはみ出した歩道も同様である。アーチの支えがあってこそだと思う。
従来の御影橋の武骨さ。これはこれで魅力はあったが、新しい御影橋の優雅さとゆとり。これもまた、大きな魅力である。これからの橋のモデルになりそうな感じさえする。金沢の、比較的観光客の多い橋、新しい御影大橋が基準となると、非常に面白いと思う。ただ、比較的観光客の多いというと、犀川大橋と浅野川大橋だろう。
どちらも、今の橋はとても魅力があり、難しいところである。
上流側の歩道と車道の間。 歩道が弧状になっていて、間が広く開いている。 |
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上流側の歩道。車が十分と折れそうなほど広い。 | |
下流側の歩道。 2005年8月27日の開通時点では、まだ工事中である。 |
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橋の中央部にある椅子。犀川の流れや町並みが見える。 天候がよければ、白山も見える(はず?)。 |
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御影大橋を下流から見る。 一見、普通のトラス橋のようにも見える。 橋の中央にある橋脚は、手前にある仮設橋のもので、御影大橋には、中央に橋脚はない。 |