天神橋

天神橋は、浅野川にかかる丸いアーチ型のトラス橋である。浅野川大橋からも梅ノ橋越しにクリーム色のトラスが見える。
泉鏡花の名作、義血侠血にもこの天神橋が出てくる。梅ノ橋からこの天神橋までの間には瀧の白糸の像や碑も立っている。その周囲は松の並木があり、これは加賀藩主前田利常の時代に護岸のために植えられたという。また、以前行われていた友禅流しもこの橋の近くで見られたという。歴史と情緒、文化を感じる場所である。

さて、天神橋は慶応3年に最初に架けられたという。名前の由来は天神の社の参道にあることからつけられたという。この場所は卯辰山に向かうための橋でもある。現在の橋は昭和30年に架けられたという。リベットは多用しているが、犀川大橋などに比べると太い鉄材を使っているなど、新しい橋の造りになってきているのがわかる。しかし、曲線と細くて少ない柱など、優雅に感じる。浅野川の別名、女川のイメージに合っているようにも感じる。

昔、天神橋を渡って卯辰山を登ったところに金沢ヘルスセンターがあった。今は閉鎖され、跡地は公園になっているが、ここは動物園に水族館、遊園地を備えた、子供に大人気の場所であった。この橋を渡った頃からわくわくしたものである。
天神橋、橋の規模の割に交通量が少なく感じられるのは、ヘルスセンターへの思い出があるからなのかもしれない。

天神橋を下流から見る。
この辺りは水深も浅く、川床も平らになっている。
どこか友禅流しらしい雰囲気がある。
(現在は、友禅流しは行われていません。)
トラスの端。
滑らかな曲線で、どこか動物の脚のようにも感じる。(ネコ脚?)
橋の両側は交差点になっている。
事故防止のミラー、写真としては邪魔・・・。
自動車だけでなく、地元の人も自転車や徒歩で歩く。ここまで来る観光客も少なくない。

橋を下から見上げる。
橋の下には、細長いコンクリート跡が3つ見えた。
古い橋脚の跡ではないかと思うのだが確認できず。


写真撮影: 2009年6月

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