加登長(かどちょう)
加登長は、金沢近辺にある飲食店の名前である。メニューは、うどんにそば、ラーメン、丼もの、更にオムライスなどの昔ながらの洋食。店内も特別のことはなく、街にどこにでもありそうなお店である。チェーン店みたいにも見えるが、メニューや味などは店によって違う。独立性が高いのかもしれない。店の数は結構多く、街の中を歩いていると”ここにも”といった感じで見つける。味は・・・格別のものでもないが、決してまずくもない。そして、安い。昼ごはんに週に何回も通っても良いような店である。金沢の街中で昼ごはんを食べるとき、加登長なら(値段も味も)だいじょうぶだろう、といった感じで気軽に入る店である。
加登長といえばまずうどん。店によっては手打ちの暖簾や看板を出している。
うどん、これは関西風と関東風と大きく分かれている。では金沢のうどんは? 私の感覚では関西風に近いと思うのだが、詳しい人に言わせると中途半端なのだそうだ。つゆは関東のような濃い色ではないが、純粋な関西風とも違う。ネギも東京のように白くはなく京都のように青くもない。麺の腰も関東よりはしっかりしているが讃岐ほど強くもない。これといった特徴がないのが金沢のうどん、となるのだそうだ。確かに○○うどんは日本に数多いが、金沢のうどんには、それらのうどんのような、明確な特徴はない。
加登長、関西のうどん職人を呼んで小松に始まり、後に金沢に移ったそうだ。このためだろうか、加登長のうどん、メニュは関西風のあんかけのうどんやかやくうどんなど、関西の流れを感じるのだが、味付けはやはり金沢風になっている、とのことである。
加登長、普通に言う名店ではないが、ある意味で金沢を代表する飲食店なのかもしれない。各地から金沢へ旅行に来る人、食も楽しみの一つと言う。でも、豪華な食事は夜にまかせ、軽い食事にちょっと入ってみるのも良いかな、と思う店である。
なお、金沢近辺でもう一つある大衆食堂がお多福である。こちらも加登長同様、安くておいしい店である。
写真は下近江町にある総本店。
写真撮影: 2009年5月