金沢の瓦
金沢、というより北陸の瓦、大きな特徴は釉薬がかけられていることである。だから、屋根は光り輝いて見える。伝統的な黒い瓦もそうだし、比較的最近の青や赤、黄土色などの瓦もみんな釉薬がかかり、光っている。いぶし銀のつやのない瓦とは雰囲気が違って見える。
そしてもう一つの特徴は雪止めである。写真の瓦の一部にアーチ型のものが付いているのがそれである。これ以外では、四角い板状のものが飛び指しているものもある。
屋根の雪、落ちた方が屋根に重みがかからなくてよさそうに思える。実際、雪止めがなく、落ちるようになっている屋根もある。しかし、多くの屋根には雪止めがある。これは、落ちることによる被害を防ぐためである。屋根の下が通路になっていれば人が埋もれてしまうこともある。(実際、死者が出ている) また、2階の屋根から1階の屋根に落ちて屋根が傷むのを防ぐのも理由である。雪止めをすれば大雪の時には雪を下ろす必要がある。でも、それは安全なところに落とせるので被害は防げる。もっとも、最近の暖冬でその必要も非常に少なくなった。山間部を除けばここ20年以上、雪を下ろす必要はなかった。
写真は雨宝院(室生犀星ゆかりの寺)の屋根。
写真撮影: 2009年5月