金沢城、本丸辰巳櫓の石垣



金沢21世紀美術館の方向から金沢城本丸を見ると、辰巳櫓跡付近の石垣が見える。この石垣の最上部、下の道路からの高さは30m以上になり、見上げるような感じになる。この石垣、城の石垣としてはちょっと不自然である。石垣が3段に積まれている。(注: 別の石垣があるのでこれを含めると4段) この上に櫓があったとすると、通常は高い石垣にする部分である。実際、藩政時代にはここは一段の高い石垣であった。(注、堀の石垣は別になるので、これを含めると2段) その石垣が明治期に崩れ、その修復の際に3段に積まれたそうだ。この石垣が崩れた理由であるが、金沢城は明治期には陸軍が使っていて、建物を建設しようとして石垣の下をいじったことらしい。金沢城の石垣は一つの石を外すと全部が崩れ落ちる、との言い伝えもあったそうだ。さすがにそんなこともないだろうけど、下部が非常に大切ではあるようだ。
石垣が崩れた際、石垣をなくす案もあったそうだ。だけど3段ではあるが復元された。形は別にして、石垣としては違和感はない。せめてもの幸い、といえるだろうか・・・。

なお、上の写真では上から3段目、下から2段目に見える石垣が慶長年間の石垣だそうだ。

現在の石垣と藩政期の石垣。
復元工事中のいもり堀の案内図より
少し離れて見る。
左下は、いもり堀復元工事のやぐらと作業用のクレーン車
兼六園側から見る。
辰巳櫓の上から見下ろす。
石垣が見えにくいので、分かりにくいが段になっているのがわかる。


写真撮影: 2009年7月

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