雪釣り


雪釣りは、北陸の重い雪から庭の木々を守るためのものである。庭の木、特に横に広がった木に雪が積もると重みで枝が折れることがある。これを防ぐため、木の幹に沿うように高い竹(または棒)を立て、そこから枝に縄を結ぶ。少し開いた傘の骨のように見える。兼六園の唐崎の松のように横に伸びた木では、支えの棒を何本も立てる。杉のように細長く伸びた木や、落葉樹など雪が溜まりにくい木は、雪釣りはしない。簡単なものでは、広がった枝に雪が溜まらない様に単に縛って細くするだけ、というものもある。また、木によっては周囲に支柱を立てることもあるし、名木となると周囲を囲ってしまうこともある。このあたりは、木の種類や枝の張り方、重要性などに応じて使い分けている。
雪吊り、雪のないときに見るとどこか幾何学的な美しさがあると思う。そして、雪が降ると、木の枝などに雪がつもり、これもまた美しいと思う。

雪吊り、だいたい12月頃から3月頃まで行う。兼六園では観光も兼ねて、また木も多いので毎年11月1日から始まる。兼六園の他、個人宅も含めた庭園などで見ることができる、北陸の冬の風物詩である。


写真は、兼六園の唐崎の松の雪吊りである。

雪吊りを横から見ると傘の骨のような感じです。
支柱から枝へ、縄を結びます。
木によっては、木の幹から縄を結ぶこともあります。
こんな雪吊りもあります。
このような木の場合、必ずしも雪吊りはつけないのですが、長町武家屋敷の庭なので名木なのかもしれませんね。
木の種類によっては、葉を束ねて雪が積もらないようにします。
棕櫚もこのような感じにすることが多いです。
積雪時の雪吊りです。
兼六園の霞ヶ池わきで写しました。
兼六園、唐崎の松です。

雪の積もった木、実は意外と見ることができません。降雪時にはもちろん積もるのですが、少し時間がたつと溶けて落ちます。
きれいな雪の積もった雪吊り、積雪直後に雪を踏みしめてゆかないと見られないです。


写真撮影: 2009年11/12月

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