大清水(おおしょうず)

大清水は、金沢の中心街から少し南の住宅街のなかにある。家の並ぶ中、こんなところに? と思えるところにある湧水である。
大清水、一見池のように思えるほど穏やかで、水が湧いているとは思えないような、静かな水面である。底の小石全体から湧き出しているのだろうか? 水は確実に湧き出して出口から流れてゆく。この水は金沢の街中を流れ、用水に合流する勘太郎川の水源ともなっていて、金沢を潤す用水のひとつとなっている。 
加賀古跡考では、がめ坂の下より少し上のほうにあり。非常に冷水で寒中の時、この霊水で口中をすすぐと、冷気が激しく、まさに鼻も欠けるかのように感じる。よって俗にこの清水を鼻かけ清水とよぶ、と書かれているそうであるが、それがこの清水かどうかは明らかではないそうだ。

大清水は、30人ほどの管理組合により管理され、利用されている。会費を払って利用しているそうで、昔は野菜を洗うのにも利用されていたとか。底の小石はいつ見てもきれいに保たれている。このことを意識しての見学をお願いしたい。


低い位置から見ると、水の透明さが目立つ。水面も鏡のようだ。


写真撮影: 2009年4月

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