アトラクションの最終回(タワー・オブ・テラー、Level13,2016年)


タワー・オブ・テラー、年明けからLevel13(レベルサーティーン)として通常とは違う落下パターンで運用していて、2016年は3/18の金曜日までであった。いつもより落ちる回数が多い、ということで人気も高く、3月などスタンバイ列がトイ・ストーリー・マニア!より長いこともよくあった。タワー・オブ・テラーは私の好きなアトラクションのひとつであり、Level13はいつも以上に楽しめたこともあり、ちょっと名残惜しくなってLevel13運用の最終日に乗りたいな、と思って行った。この日は金曜日ということで平日であり、勤務後に行くことになる。春休みで学生生徒の多いこの時期、18時過ぎまでファストパスが残っている可能性はない。ではスタンバイでは? 待ちが長いだろうし、終わり頃はファストパスのみの案内となることもありうる。しかし、運よく手元に優待乗車整理券がある。折角の整理券、この日に活用することにした。

最終日、可能なら最終の回に乗りたいものだが、それは難しいだろう。でも、大体最後ぐらいには乗りたいと思って開園時間22:00の2分ほど前にタワー・オブ・テラーに入った。既にスタンバイは締め切られ、ファストパスの入り口にも人が見えなかった。入り口のファストパスのチェックで、優先入場整理券を見せるとパンチで穴が明けられた。整理券は今までに何回か使ったけど穴あけは初めてである。ここで“明日からは普通に戻るのですよね?”と聞くと“そうです”との返事が返ってくる。これだけで特別な日みたいに思えてしまう。スタンバイ、ファストパス共に列には誰も待っていなくてすいすいと進む。優待入場整理券なので回収の際、“ご迷惑をおかけしました”との声がかけられた。だいぶ前のことで迷惑、との意識もなくなっていたのでちょっと驚いてしまった。最初の部屋に案内されたとき、待っている人は誰もいなかった。初め、奥の扉の前まで進むようにいわれ、その後数人が入ってきたところでドアが閉まった。ここで簡単な説明があるのだが、みんな奥の扉の前に固まってしまっているのでキャストさんは“少人数ですからぜひ写真の近くへ”と案内していた。いつもどおりの説明の後、次の書斎に入る扉を開ける直前のタイミングでゲストの一人から、“今日までいつもと違うらしいけどどう違うのですか?”と質問が上がった。大きな声だったのでびっくりした。いつもの大人数では質問、という雰囲気ではないので、少人数、締め切り直前ならではのことと思う。キャストのお姉さん、説明でネタバレにならないように慎重に答えていた。スムーズな返答ではなく、ちょっと途切れ途切れになる。説明、難しいだろうな、と私も思う。次の書斎では、キャストさんが“このステンドグラスに隠れミッキーがいるんですよ”と。これも人数が少ないからできる案内かもしれない。“左上の○○のあたり‥・”結局誰も分からなかった。難易度の高いものなので短時間では無理かと思う。次の収蔵品の倉庫にも隠れミッキーは多数あるとのことである。ここから出るとき、私は最後になるようにした。次の案内があるだろうけど、列の最後にいたら他の人に先に行ってもらうことも出来るかな、との思いである。
収蔵庫内の列、待ち行列の様子からがら空きを期待したのだけど待ちの列はあった。いつもよりちょっと短い程度である。つまり、いつもと大して変わらない。入ってしばらくして2階の列に数人が上ってゆくのが見えた。乗る人はまだ来るのかな‥・と思っていたらその後でキャストさんが後ろから入ってきた。どうやらさっきの2Fが最後の案内であり、1Fにはもう人が来ないので列に入ったようだ。このとき、私は最後尾にいたので列を気にせずあれこれ展示を見ていた。普段は後ろに人がいるのでなかなか出来ないことである。キャストさんが“ここに隠れミッキーがあるんですよ”と話しかけてきて、壷を指さしてくれた。非常に小さなもので、壷自体すぐそばで見られるわけではないのでまず分からないだろう。話しかけられたのをきっかけに、ここの展示について話してみた。まずはミイラの壷である。エジプトでは死者をミイラにするとき、一部の内臓を別に取り分けておき、専用の4つの壷に入れる。この壷が展示されている(もちろん模造品だけど)ことについてである。エジプトのミイラは知っていても壷のことまで知っている人は非常に少ない。キャストさんのお姉さん、壷のことはちやんと知っていて、私が詳しいことに驚いていた。別にタワー・オブ・テラーに詳しいわけではなく、エジプトのミイラのことをちょっと知っていて、展示に気がついただけのことなのだけど。
もうひとつ、以前から気になっていたことを聞いてみた。タワー・オブ・テラーのスタンバイで待つ場所はホテルのホールを模しているが、ここの上部の壁にはハイタワー3世の世界各地での収集の様子の絵がある。収集というよりは略奪といった方が良い。その中には日本の城も描かれていて、またハイタワーホテルの近くの港の船で荷揚げしている場面では、荷揚げ品に日本の兜が描かれている。ここに描かれている品の中で大きなものはほとんどが収蔵庫に実物がある。だけど、日本の兜は見つけていなかった。そこで“兜はある?”と聞いてみたところ、あれのこと? と示されたのはTourBの整列の部屋にある西洋の兜である。これは知っていたので、“それではなくて日本の兜’’と言ってロビーの絵について話したところ別の詳しい人に問い合わせてくれた。残念ながら日本の兜はないそうだ。ハリソン・ハイタワーⅢ世のコレクション、他の場所にも保管されているので、ロビーの絵のものが全てここにあるわけではない、とのことであった。なるほど、と思う答えである。

1Fからの最後の案内になったわけだけど、残念ながら最後の乗車も人数はそこそこいて、空席がいくつかある程度だった。22人乗りのところに数人、というのを期待したがこれではいつもと同じである。それでも今年最後のLevel13を十分楽しんだ後におりたところ、直後に隣からもゲストがでてきた。わずかに遅れてでてきたけれど、TourAからであり、エレベーターとの距離が微妙で、どちらが最後かな?なんて思ってしまった。でも、細かいことはどうでも良いと思う。出た後に運営の様子はなく、悲鳴が聞こえなかったからおそらく最後かその直前だったのだろう。少なくとも1F最後の案内だったし、キャストのお姉さんにいろいろと聞けた。これだけで十分楽しめた。いつもにはない楽しさだった。タワー・オブ・テラーのその日最後の乗車、これは非常に面白いと思う。

さてタワー・オブ・テラーの最後が楽しめたので、他のアトラクションの最後はどうかな?と思ってしまう。ほとんどは待ちの列が見えるものも多く、人がいないことの確認は容易だろうからわざわざキャストさんが列に入って確認する必要はないだろう。これは、タワー・オブ・テラーは通路が入り組んでいるし、1Fと2F、に分かれるので人がいないことの確認は必要だろうし、最後であることを伝える必要もあると思う。これに近いアトラクション、センター・オブ・ジ・アースもそうかもしれない。そういうアトラクションの最後、いつもとちょっと違うかも、と期待してしまう。少なくとも、キャストさんが最後についていたなら、暇だろうから案内もしてくれるだろう。ライド型のアトラクションで、最後のゲストのあとにキャストさんが乗り込んでいるのを見たことがある。多分、全員降りたことの確認のためだろう。このとき、キャストさんのお姉さん、他の人に“行ってきま~す”とニコニコして乗り込んでいた。このライドは2人乗りだから分かれて乗る必要があるけどそうでなければ一緒に? そいうことはないだろうと思うけど、いつもひとりの私としては期待したくなる。

さて、タワー・オブ・テラーにしてもセンター・オブ・ジ・アースにしても人気アトラクションなので最後を狙うのは難しそうだ。いつ締め切られるか分からないのでタイミングが取りにくい。もうすこし、もうすこしと遅らせているうちに締め切られてしまう危険もある。また、終わりごろはスタンバイが締め切られてしまう。一確実なのは、ファストパスで最後の時間のもの、たとえば(21:00-22:00)のものを入手することだろう。これがあれば、時間ぎりぎりに行けばよい。ただ、タイミングよく最終のファストパスを入手するのは運もある。そして、スタンバイが多く並んでいる可能性もある。

ここで、他のアトラクションでの最終である。シアター形式では最終公演と言っても特に変わったことはない。マーメイドラクーンシアター、マジックランプシアターはしょっちゅう最終公演に入っているが、ほとんど変わりはない。だけど、お客が少ないため、ちょっとした解説をしてくれることもある。たとえば隠れミッキーなどである。
トムソーヤ島では、島からの最後のいかだが出るとき、島に残ったキャストさんが並んで見送ってくれ、名残惜しさを感じると共に気持ちが良いものだった。スター・ツアーズも最終便では同じようにその近くにいるキャストさんが作業の手を止めて並んで手を振ってくれた。最終回だからと言って大きく変わるものではないが、ちょっと雰囲気が違うこともある。それでなくてもがらんとしたアトラクションは他とは違う。
最終回、いろんなアトラクションで乗ってみたくなってきた。



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