エッセル堤


表題はエッセルですが、言語の違いでエッシャーとも言われています。
エッシャーといえばだまし絵的な不思議な絵の作家を思い浮かべる人が多いと思います。オランダの画家、マウリッツ・コルネリス・エッシャー(Maurits Cornelis Escher)です。でも、画家のエッシャーと防波堤は結びつきませんね。実は、画家のエッシャーの父、ゲオルギ・アルノルド・エッシャー(George Arnold Escher)は土木技師で、福井県の三国湊の防波堤工事の設計を行いました。他に龍翔小学校の設計も行い、そのデザインは博物館の三国龍翔館に引き継がれています。画家はエッシャー、土木技師はエッセルと書かれることが多いです。

さて、その防波堤です。エッセル堤とも呼ばれています。三国湊は九頭竜川の河口に位置し、土砂が堆積し、船が入港しにくい欠点がありました。これを解消しようとしたのがエッセルの防波堤です。粗朶沈床工法を用いた弧形の突堤をつくり、河口を狭めることで日本海に排出する水流を強め、土砂を排出するというものです。明治初期に作られ、100年を超えて今も使われています。その後、対岸に砂が行かないように昭和46年に500m延長されました。平成15年(2001年)国の重要文化財に指定されています。

そのエッセル堤を空撮してみました。エッセル堤の北側には砂が堆積して砂浜になっています。サンセットビーチです。余談ですが、防波堤を延長したことで砂の堆積がなくなったそうです。海に面して広さは凧揚げには良いのですが、この日は北からの風で東尋坊などが障害になって風が乱れていました。カメラを揚げるぎりぎりの速さで高度は上げられず、ごく短時間だけ40m位まで、それが3回位がやっとでした。凧を操りながらなのでなかなかカメラの向きが決められません。それでもなんとかエッセル堤は写りました。カメラの方向を変えてサンセットビーチを。その中には東尋坊のタワーも写っています。また、三国の湊も。これはさすがに高度不足でした。

この場所、もう少し高度を揚げて写したいです。






撮影:     2012年9月
撮影場所:  福井県坂井市
カメラ:     リコー GR Digital
撮影高度:  約40m