2002年7月7日、北陸自動車道、徳光パーキングエリアで上下の駐車場を結ぶ歩道橋、ラブリッジまっとうが開通しました。徳光パーキングエリアはハイウェイオアシスであり、下り線には海の見える展望台や海水浴場などが、上り線にはショッピングセンターがあり、それぞれに特徴がありました。今回の歩道橋、ラブリッジまっとうの開通により相互に利用できるようになったわけです。
この、歩道橋の開通式では、開通を祝い、地元松任市の人たちにより、凧揚げが行われました。その様子をカイトフォトにより空撮しましたので、写真も交えてご紹介します。

写真中央を横切るのが高速道路、中央やや左が今回開通したラブリッジまっとうです。

 凧の世界に戻る。

 

撮影記・・・

7月7日は七夕、とはいえ梅雨の真っ最中。更に台風の影響もあってか、未明まで大雨が降り風も暴風状態だった。夜中に目がさめたとき、”中止かな?”と思ったのだが、幸いにも朝には雨は上がり、相変わらず風は強そうなものの、快晴となった。

撮影機材一式を車に積み、会場には8時半頃に着く。会場の駐車場は開通式で当然、一般車両は進入禁止。そこを入ってゆくのはなんとなく気持ちが良い。係りの人もとても丁寧に感じてしまう。
今回、風の強さ以上に気になるのは風向きである。なにしろ高速道路が近い。万が一にも凧が高速道路に落ちるようなことがあってはならない。風が高速道路に風が向かっていたら・・・糸を2本張ろうか?などと考えていたのだが、幸い、風は高速道路と同じ方向に向いている。この近くで高速道路がカーブしているから、万一糸が切れたとしても凧が高速道路に落ちる危険はまずない。これなら通常の凧揚げで十分対応できる。

9時、6畳の凧の用意が始ったのを見て、撮影の用意に取り掛かかる。まずは糸の伸ばしも兼ねてちょっと小型のダブルデルタボックスを揚げる。これはいつものデルタボックスのボックス部が2つ横に並んだ形のものである。幅は長めだがコンパクトに収まる。それでいて翼面積はほどほどにあるので、簡易撮影用に用意していたものである。既製品で、木の骨が主体なのだが、翼の骨をカーボンに換えて強化してある。
糸を繋ぎ、アンカーに通した上で揚げてみる。糸が一気に引かれ、どんどん高度を上げる。糸の長さは80m。そこで凧はぴたりと安定する。かなりの引きもある。常用の4.8mデルタボックスを使うつもりでいたが、これならカメラも十分揚がるだろう。この凧での空撮は初めてであるが、この風なら心配はない。今日はこの凧を使うことにする。

今回、松任の人たちが揚げるのは6畳凧である。1つだけかな? と思っていたのだが、5基くらい用意してあるそうだ。その用意が始まる。凧は組み立て式で、骨を固定してゆく。さすがに手際が良い。その様子を見ていたいところではあるが、いまのうちに橋や会場の撮影を済ませておくことにする。カイトフォトは、"確実性”の点で難がある。今は風が強くても開通式の頃には無風になってしまっているかもしれない。それに、目で見ない分、失敗の可能性もある。だから、いまのうちに橋だけでも写しておきたいのだ。

ダブルデルタボックスは、相変わらず空で安定している。多少横への変化はあるが、この強さにしてはとても安定しているといえる。この風にはぴったりの凧である。糸を手繰り、カメラを繋ぐ。カメラはすぐに空に揚がり、引きが強すぎない。糸を持っても適度に弾力があり、とても心地よい。早速は師に向けて撮影を行う。念のため、フィルムを換えてもう一度。ついでに近くにいるサーファーを写す。この日は浪がかなり大きいのだが、大きすぎるからか、沖へは出ていないようだ。

 

ここで6畳凧の用意ができた。風も少し落ち着くかな? と思っていたが相変わらず強い。6畳凧は、糸目調整中に何度も勝手に揚がりそうになる。そんな中、糸目を確認しながら徐々に傾けてゆき、離す。凧は一気に上空に向かう。が、気がついたら回転して落ちてしまった。風が強すぎてバランスが取れなかったのか、骨がもたなかったのか・・・。

この風では凧は無理か?と思われたが、とにかく安定するように工夫をして、別の凧を揚げることになった。相変わらず風は強いが、今度はなんとか安定している。同じ方法でもう1基揚げる。糸があまり長くないので高度は低めだが、橋からは十分見えるだろう。この状態で凧の撮影を行い、開通を待つ。これで、橋と凧、別々ではあるが、撮影は出来た。最低限の写真にはなっているはずである。

 

 

 

 

 

花火が揚がり、テープカットが行われたようだ。人が渡り始めた。さて撮影を・・・。ところが、なかなか人が進まない。カメラマンが待ち構えているのは見えるのだが、その後の人が遅い・・・。ある程度進むのを待って撮影する。(左の写真は開通直後で、人が階段を登り始めている)

さて、やはり、橋と凧、同時に写っている写真がほしい。撮影位置と画角から、海とほぼ平行に写せば大丈夫だろう。だが、凧が微妙に変化している。多少のずれはいつものことで、大抵はカバーできるのだが、今回はほとんど余裕がない。それに、揺れも目立つ。凧の変化に合せてカメラの調整をし、あるいは風の変化を待って撮影する。枚数で稼ごうにも、今回はフィルムの余裕はあまりない。もう最後の1本になってしまっている。慎重に向きと揺れのタイミングを見て写す。まあなんとか、というところで一度カメラを降ろし、フィルムのカウンタを確認する。およそ20枚。多分、大丈夫だろう・・・。

残りのフィルムは記念写真とする。空からの記念写真、範囲に余裕を持たせるので小さくしか写らないのだが、それでも貴重な写真になるとおもう。

 

 

さて・・・今日の凧揚げ、天候は良かったがかなりの強風だった。私の凧は十分持ちこたえてくれたが、6畳凧は限界を超えていた。それでも、この条件の中で空に上げたこと、これは参加者にとって貴重な経験になったことと思う。
凧の大会と違い、イベントの中での凧揚げ。時間と条件に制約が大きい。今は風が悪いから少し後で、なんてことは難しい。そんな中でも、きちんと揚げたこと。これは素晴らしいことと思う。

今後の各地の凧揚げ祭り等での活躍がたのしみである

  

    
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