リスーピア RiSuPia

所在地     東京都江東区有明2-5-18
TEL     03-3599-2600
入場料     500円
休館日         月曜日)、年末年始
交通手段    りんかい線国際展示場から徒歩2分、ゆりかもめ有明駅から徒歩3分
備考               

リスーピア、ちょっと不思議な名前であるが、これは”理数”なのだそうだ。展示はもちろん理科と数学。だけど体験型の展示で実際に操作したり体を動かしたりして学べるようになっている。理科に関する展示は科学館などとして各地にあるが、数学に関する展示は比較的少ない。ここではちょっと珍しい、数学の体験を含めて紹介しよう。

リスーピア、ここは有明駅近くにあるのパナソニックのショールームに併設されている。東京ビッグサイトも近くに見える。リスーピアへの入り口も1階の真ん中にある。ちょっと分かりにくいかもしれない。展示は1階と3階に分かれていて、1階の展示は無料である。無料とはいえここにもいろいろと面白いものがある。たとえば円錐型の天秤。円錐を3つに分け、上と下そして中央、中央部分で天秤みたいにぶら下げられている。3つ繋げた状態で水平になっているのだが、釣り合っている上と下は同じ重さか? というものである。外した部品2つを比べるための秤も2つ置いてあり、重さを確かめることができる。さて結果は・・・?
もうひとつ、数学の実験で、正規分布の実験がある。斜めになっている厚い板に等間隔で釘を打ったもの、イメージとしてはパチンコやスマートボールみたいな感じであるが、その上の中央から小さな球を多数落とすと、釘に当たった球はわずかな違いで右または左に分かれてゆく。そして、真下にある仕切り板に分けられて溜まるのだが、その数は中央が高くて左右、中央から遠くなるに従って数が減る・・・正規分布になる、というものである。この実験、わざわざハンドルでテーブルを回さなくてはならないのだが、これが体験、ということになる。自分で球を持ち上げればなお良い、と思うが小さな球が飛び散ると危険だろうから仕方ないところだろう。

専用エレベータで3階に上ると有料展示となる。入り口で首から下げるイヤホン付きの機器を受け取る。この機器は液晶表示があり、タッチパネルで操作する。これで各展示で詳細な説明を聞くことができる、というものである。パネル説明よりちょっと手間が掛かるが、これも面白いと思う。もちろん解説は動画や音声付である。
ここでは数学関連の展示をまず紹介しよう。一番面白いと思ったのは素数の、エアーホッケー式のゲームである。このゲームでは、卓球台のような台に投影される”数字”を打ち合う。イメージはエアーホッケーで、ゴールは自分のコートの手前のラインである。このとき、素数は打ち返さずに自分のゴールに通す。通すと数字が得点になる。但し、非素数を通してしまうとその分減点される。そして、非素数は打つと2つに分解される・・・。
実際にやってみると、素数か非素数かの判断が非常に難しい。素数とは、1とその数自体以外に割り切ることの出来ない数字のことである。2や3、5は素数であるが、たとえば9は3で、10は2や5で割り切れるから素数ではない。コートを飛び交う数字を即座に素数か非素数か判断して打ち返すか通さなくてはならない。2や3などの1桁の数字これはすぐに分かる。2桁も・・・11や13などは10代の数字はすぐに分かる。20代もなんとか・・・。しかし、50を越えるとちょっと時間が掛かったりする。そして、問題は3桁の数字である。偶数や5の倍数であればすぐに非素数とわかる。3の倍数もちょっと迷うが判断できる。が、そうでなければ・・・? 迷っているうちに通してしまうと大きな減点になるし、打ち返してしまうと点数が伸びない。なかなか難しいゲームである。2人で行うゲームであるが、1人でもできる。何度か通っている小学生が意外と高得点を出すそうだ。
これ以外の数学関連では、サイコロを使った確率、四角形や三角形を並べて図形を作るパズル、自然の中に見られる黄金比や自己相似、といった展示もある。単なるパネルではないのでなかなか楽しめる展示となっている。

さて、理科の展示も少し紹介しておこう。ひとつは雲と雨、水蒸気に関する展示である。自ら水蒸気となって上昇気流を捕まえて上昇、上空で冷えて雲となり、氷の結晶の仲間とくっついて結晶を巨大化、落下して雨となって戻る、というものである。上昇気流を捕まえたりするのは、体の重心移動で行う。戻るまでの時間が表示され、その日のうちの順位も表示される。ちょっとしたゲームであるが、意外と面白い。このほかには、光の三原色を応用した塗り絵、温度によって色の変わる棒やサーモグラフィー、液体の磁性体、レンズ、ストロボ効果、音などの展示がある。これらもちょっとした実験になっていて、見学者が操作して行う。ちょっとしたことだけど、たた動きを見るだけ、映像を見るだけ、パネルを読むだけ、とは違って楽しみながら学べると思う。ただちょっと心配なのは見学者が多すぎるとどうなるか、である。体験は3分程度かかるものが多い。人が多いと待ちになってしまうのでは・・・ということである? 幸い私が行った土曜日の午前中は人も少なめで待つことなく体験できた。
そして面白いのは帰ってからのお楽しみ? 展示に関する専用のWebが用意されていて、体験した内容を後で確認することもできる。これも非常に良いと思う。

リスーピア、理数の楽しみを体験できる貴重な面白い博物館として是非お勧めしたい。子供たちが理科と数学の面白さを体感できる施設である。リスーピア、同じゆりかもめ沿線には日本未来科学館、船の科学館、がすてなーに ガスの科学館、などもある。科学を楽しめる施設が充実している。合わせて見学することをお勧めしたい。