石伐坂(W坂)

桜橋を渡ると寺町台地につきあたる。
ここから寺町台地に上る坂、普通に進むとみちなりに右に曲がって新桜坂となる。左に曲がれば桜坂。そして、真っ直ぐ正面にあるのが石伐坂である。橋から来て寺町台地にのばる際、石伐坂、桜坂、新桜坂の3つの坂が選べることになる。とはいえ、目的地がどこか? によって自然に決まることだろう。だけど、石伐坂だけはちょっと風情もあり、わざわざ通りたいと感じる坂である。

石伐坂、別名はW坂である。逆に、W坂の方が通りがよいかもしれない。
W坂、これは道が何度も折り返して上るため、Wを横にしたように見えるから、である。金沢の旧第四高等学校、旧四高の学生が言いはじめたそうであるが、今では完全に定着している。井上靖も小説、”北の海”の中にW坂として書いている。なお、この一節は、文学碑となって坂の途中に建てられている。

石伐坂、坂としてみると、既に書いたとおり、階段状で何度も折り返す形である。坂と併用ではない階段であり、非常に歩きやすい。
坂のある斜面には木も多い。ただ、見晴らしの点ではちょっと遮られてしまう面もある。でも、それを差し引いても風情ある坂だと思う。ウォーキング、観光客の姿も時々見かける。歩くにはとてもよい坂のひとつだろう。

石伐坂の名前の由来であるが、坂の上に石工の職人が多かったことから付けられたという。
清立寺坂、吹屋坂、くの字坂という。

犀川沿いの道から石伐坂を見上げる。
手前は新桜坂。
坂は階段で、歩きやすい、
曲がり角に井上靖の文学碑がある。
小説、”北の海”(W坂が書かれている)の一節、が刻まれている
石伐坂の上り口に桜の木が1本ある。