牛坂

牛坂は、旭町から小立野へと上る坂である。
非常に長い坂で、地図上で計ってみるとおよそ650mある。山の中ならともかく、町のはずれでこれだけ長い坂、というのも不思議である。坂の場合、もちろん勾配は緩めである。車などを人力で押す/引くには、当然、勾配は緩い方が良い。だが、それだけ遠回りになる場合もあるわけで、バランスが難しいところである。牛坂は、緩めの坂で崖を斜めに上る。崖のデコボコで小さなカーブがあり、直線というわけではないが、ほぼ真っ直ぐに上っている。近くにある鶴間坂、こちらも高低差が大きいが、一度折り返して上っている。なぜこれだけ長い坂になっているのか? これはちょっと不思議である。勾配が緩いとは言っても自転車で上るのはきつい程度の坂にはなっている。だから、なぜここまで長くしたのか・・・。ちょっと気になるところである。

牛坂は、最近整備され、2車線の道路となっている。道そのものは新しく、ある意味味気ない。しかし、眺望は素晴らしい。浅野川と対岸の山並みも見渡せる。坂が長いこともあり、下から登るとちょっとしたハイキング?  といった感じである。牛坂、坂自体は2車線に拡張されているが、登りきるといきなり町の裏手の細い道となる。車1台が通り抜けるのがやっと、という道で、曲がりくねっていて案内板もない。不慣れな人が牛坂を見て、良い道と思って入り込むと途方にくれそうな道である。
今後の拡張計画があるのだろうけれど、現状は中途半端である。

牛坂の由来であるが、牛坂八幡神社があるのでそこから、とも言われている。が、疑問も感じてしまう。
同じ浅野川側に馬坂があるから、ならこちらは牛に? 案外そんなところから来ているのかも?(これは私見です)

牛坂の約650mは、ここで紹介している中では一番長い坂になる。これに次ぐのは鶴間坂であるが、おおよそ400mになる。この鶴間坂であるが、一部では”金沢で一番長い坂”と言われている。もちろん、牛坂の方が長い。しかし、何を持って金沢の坂、と呼ぶかによって違ってくる。現在の金沢市には、山も含まれる。そこに登る道路はもちろん坂になっている。が、これを坂と呼ぶか? それとも山道と呼ぶのか?  という疑問がある。そしてもうひとつ、”金沢”の範囲である。ここで私が紹介しているのは、ほぼ旧城下町の範囲内の坂である。(えんしょう坂は例外) ちょっと危ないのが不老坂から御参詣坂にかけて、そしてこの牛坂である。
鶴間坂は天徳院の手前から始まるので、まあ城下と言ってもよいだろう。ということで、旧金沢城下では一番長い坂、と考えるならやはり鶴間坂、ということになるのだろう

牛坂の上り口
坂が延々と続くように見える・・・
坂を上りきったあたり。
道がちょっと不自然?
新しく道を作る計画があるような感じがある。
作るとすれば、写真中央に見える住宅の裏側だろうか?
高さもあり、坂からの見晴らしは良い。
長い坂を自転車を押してゆく人も・・・。
長い分、勾配は緩いとはいえ、自転車にはきつい。
坂から見下ろす。
崖付近は木々が残っているが、少し離れると住宅が並んでいる。
坂の途中から見下ろす。
途中とはいえ、この長さである。
下からみた牛坂。
写真の中央やや上を斜めに上って行くのが牛坂である。
牛坂八幡神社

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