帰厚坂(きこうざか)

帰厚坂は、浅野川に架かる天神橋近くから卯辰山に登る坂道である。
卯辰山は、藩政時代、立ち入ることが禁止されていた。これは、山頂付近から金沢城を見下ろすことが出来たからである。しかし、慶応三年(1867)、藩主前田慶寧が卯辰山を開拓した。養成所や学校を建て、薬草園なども出来、庶民も卯辰山に入ることが出来るようになったのである。卯辰山が開放されたのである。
帰厚坂は、藩主の行政に感謝し、”藩主の厚き徳に帰する”という意味をこめてこの名がつけられた。

帰厚坂は、卯辰山をほぼ一直線に登る。途中まで脇に階段もあり、歩きやすいが坂は急である。ほぼ同じ場所に車線の新しい道路があるが、こちらは何度も折り返している。車は当然、この道を走ることになる。途中、坂の上を橋で越える道があるが、これは新しい道から観音院方面に抜ける道である。どこか立体的で魅力ある坂道になっている。

帰厚坂、卯辰山に登るのにはとても趣きある道である。車がほとんど走ることがないのもありがたい。花菖蒲園や神社などに行くには是非お勧めしたい道である。

帰厚坂にかかる橋。
新しい登山道から観音院方面に向かう道である。
帰厚坂にかかる橋を坂の上から見る。
坂の上り口付近では、道の脇に階段がある。
坂の上り口にある石碑。
このあたり、小さな広場になっていて、彫刻もある。
新しい登山道。
2車線の広い道で坂もやや緩やかであるが、何度も折り返している。ヘアピンカーブがいくつもある。

金沢九十九坂に戻る