線香坂


線香坂は、亀坂(がめさか)の北側にある、小さな坂である。狭い坂道で、曲がりくねっている。家の軒先や畑の間を抜ける。亀坂が近くにあるので通る人はそう多くはないが、近所の人は通り抜けているようだ。坂道は、斜面と階段であるが、階段の部分も横に斜面がある。自転車を押すくらいのことはできるが、実際には難しいだろう。その場合、隣の亀坂を使えばよいので、歩行者専用みたいな坂である。
坂道は、石引町の、善光寺坂の降り口付近の住宅街の奥から始まる。住宅地の中の細い道がそのまま坂になる。丸い石を積んだ石垣もあり、古さを感じる。ただ、階段などはコンクリートで固めてある。
坂の最初は階段でまっすぐに降りる。家を掠めるように進み、その後右に曲がり、斜面となる。このあたりは少し開けて空き地のようになる。見晴らしは高さがあまりないので、それほどよくはないが、南方向を向いているので明るい坂である。その後、左に曲がり、緩やかに右に曲がりながら降りる。
最後のところは緩やかに曲がりながらであり、優雅に感じる道である。

線香坂、名前の由来は、坂の下に線香工場があったから、と言われている。現在は、それらしい感じはまったくなく、住宅街となっている。

また、降りたあたり、新しい幹線道路の壁の下に湧き水がある。道路工事で移動したようにみえ、奥からパイプで引かれている。湧き水としては長く、長谷川町の洗い場、と名前がついている。水量は豊富であり、近くの人に利用されていたが、現在は飲料には不適とのことである。

坂の名称、のちに近くの人に聞く機会があった。近所の人は”あらま坂”と呼んでいるそうだ。坂の近くにある家の名前からきているそうだ。


注意: この坂、名称は文献より探し出しましたが、地図等はなく、また文献とは時代が異なることにより、写真の坂とは異なっている可能性があります。

坂の降り口。
住宅街の奥にある。
坂の上の部分は階段になっている。
坂の中腹のやや平坦な部分。空き地があって開けている。
坂の中腹を下より見る。
坂の上り口。
緩やかなカーブとなっている。
長谷川町の洗い場
洗い場の湧き水。
水量は豊富である。


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